第133号:レナト式リハビリのフロー37:起き上がり介助(で困っている)6

 

 

 

<第133号(2021.11.6)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつもお読み下さり、ありがとうございます。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第133号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー37

  「起き上がり介助(で困っている)6」



■編集後記:「悪循環」は意外に、自分では気づきにくいものです





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■レナト式リハビリのフロー37

  「起き上がり動作(で困っている)6」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「起き上がり動作(で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w207










前々回までで、いわゆる「起き上がりの介助」のお話は済んでいます。

あとは上記URL内で「関連動画」としてご紹介しているものに関してお伝えしていますが、

今回はその最後の動画(5つ目の動画)である「横たわっている人が痛がらないように、電動ベッドの角度を変える方法」についてです。

これもやはり、相手の立場に立って対応しないと、相手に痛い想いや不信・恐怖などを感じさせてしまいかねません。









結論から言うと、相手の体(筋膜)をゆるめながらベッドの背もたれ角度を上げて行きます。そうしないと、相手は腰など体の背面を痛がることが多いからです。

体幹を曲げる時は、背面の服が伸びるのと同じく、全身(の筋肉)を覆う筋膜も伸びる必要があるのですが、

長時間仰向けで寝ている場合などは特に、背面の筋膜は硬く伸びづらい状態になっています。

それなのに、電動ベッドの背もたれ角度を急に上げようとすると、背面の硬い筋膜が急に引き延ばされて痛みを発しやすくなりますね

急に動かされる違和感は、筋膜が硬くない介助者が自分で電動ベッドに寝転がって試してみても、多少は実感できますよ。









相手の体に痛みを出さずにベッドの背もたれ角度を変えるには、以下のような工夫が必要です。

1)少しずつ角度を変える。

2)合間に体を軽くゆすって、相手の体(筋膜)をゆるめる。

3)それでも痛みを訴えるならば、次回から、起こし始める前に体(特に背面)の柔軟性にアプローチしておく。

1~3はいずれも、硬く伸びなくなっている筋膜をほぐしながら、ムリなく少しずつ伸びてもらうためのアプローチです。

3に関しては、私の書籍でもご紹介しているので、良かったらご覧下さい↓

【家族もできるリハビリ】https://no-pain-yes-gain.com/free/w16

【サッとラクにする方法(注意点を守れば、他者にも施せます)】https://no-pain-yes-gain.com/free/w362








「そんなに時間や手間をかけてやっていられない」という介助者も少なくないかも知れませんが、

相手が痛みを訴えて医師にかかるようなことになったり、相手が拒否・暴言・暴力で嫌悪感・不信感を表現し始めると結局は余計に時間や手間がかかることになりかねないので、

できれば、最初から「時間にゆとりを持って」対応してもらうといいでしょう。

それに、少しずつ起こしている間に(相手の体を軽くゆするだけでなく)家事など別な作業もできますので、トータルで見てうまく行くように工夫できる余地はあり得ます。










次回は、「立ち上がり介助」で困っている場合のお話に、フローを進めて行きましょう。

「起き上がり」にせよ、「立ち上がり」にせよ、この季節は気温が日々低下し、体(筋膜)が縮こまり硬くなりやすい時期なので、

色々と配慮や対策が必要になりますね。







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■編集後記
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何かがうまく行っていない時は、多少なりとも「悪循環」にハマっている可能性があります。

ただ、自分では気づきにくいからこそハマっているとも言え、自分では頑張っているつもりでも、

どんどん迷路の深みへ入ってしまう人が少なくありません。介助(介護)も似た要素があります。

「なんで、こんなにやってあげてるのに、拒否するの!」みたいなケースは、そういう臭いがプンプンします。







まず、相手の状態をマネしてみたり、介助を誰かにやってもらう体験などをして、

「相手の立場で」自分の介助方法を振り返ってみたことがあるでしょうか?

分からなければ、専門家に尋ねたり、動画や書籍などを探して、練習してみたでしょうか?

もし、「努力の方向性」が、そういう相手の心身のニーズとの「ギャップ」を埋める方へ向かっていないなら、

何かしらの「悪循環」へ向かって行くのは必然なのでしょうね。








リハビリもそうですが、何かを分析して改善する専門職は、

そういう「悪循環」の図式を示して、「好循環」へ反転させるお手伝いをするのが仕事と言ってもいいくらいです。

もし、専門職ほどでなくても、そういう思考法に興味がある方は、私の過去作でもご紹介していますので、

良かったら、ご覧下さい(他のスキルの本も、介助者をラクにする要素が一杯含まれていますよ。全てKindle Unlimitedにご登録の人は、無料でご覧になれます←読み放題の対象です)↓



【カンタンな分析→改善の方法】https://no-pain-yes-gain.com/free/w392

【疲れてしまわないように、心や体などを「やりくり」】https://no-pain-yes-gain.com/free/w393

【相手とのコミュニケーションで苦しまない】https://no-pain-yes-gain.com/free/w394

【自分の心をラクにする】https://no-pain-yes-gain.com/free/w361

【自分の体をラクにする】https://no-pain-yes-gain.com/free/w362








最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172