ベッド上で(起き上がって腰かけた時に)、痛い
起き上がったはいいけど、ベッドに腰かけた際
に「痛み」が出る場合があります。よくあるの
はここでも腰痛で、主に2種類あります。
一つ目は「起き上がり時の痛み」でご紹介した
腰痛なので、ここではざっくりお伝えします。
体(特に背面の筋膜)が硬く伸びにくくなって
いると、上体を起こす(胴体を曲げる)ことを
ジャマします。ムリに上下に引っ張られること
になる腰付近の筋膜は、悲鳴を上げる(痛みを
訴える)ということでした。その状態が腰かけ
た後も続いている場合の腰痛ですね。
二つ目は、背骨の弯曲(カーブ)が乏しくなっ
ているために起こる腰痛です。
背骨は横からみると複数の弯曲があり、「たわ
む」ことで上からの力をうまく逃がして上半身
の重さを支えることができます(イメージは、
陸上競技の棒高跳びの棒が「たわむ」感じ)。
しかし、仰向け(天井向き)で長時間・長期間
寝ている人は特に、背骨で上半身の重さを支え
る機会が少なく、背骨が「たわむ」必要があま
りないため、弯曲が乏しくなりがちです。
しかも、長期臥床で背骨自体も硬くなりがち
です。背骨が硬く扁平に近づくほど、いざ
(上体を起こして)上半身の重さを背骨で
支えようとしても「たわむ」ことが難しく、
上半身の重さや衝撃をうまく逃がして支える
ことが出来ません。
そうなると、背骨の根元(つまり、腰付近)に
負担が集中しやすくなり、腰が悲鳴を上げます
(痛みを訴えます)。
これでは起き上がる度に痛いですし、起き上が
った状態を維持するのも困難です。当然、歩行
など上半身を起こしたままの動作も困難です。
その上、ご本人は起き上がることが「恐怖」に
なりかねませんし、介護・介助するご家族は
毎回、「痛い!痛い!」と叫ぶご本人を前に
途方に暮れてしまいかねません。
これでは、ご本人と介護者との関係も悪くなり
かねませんし、起き上がることを拒否するよう
になると更なる身体能力の低下→介護度の悪化
→ご家族と「共倒れ」と、負のスパイラルに
ハマりかねないので、軽視しない方がいい痛み
(腰痛)と言えます。
現実的な対応としては、体幹の支えをつくり
上半身の重さを支えてあげる(背骨の負担を
周囲の支えでカバーする)というものです。
体幹の筋肉をカンタンにつくり(または機能
させ)、天然のコルセットをつくるイメージ
です。背骨が扁平になりやすい生活習慣を変
えられないなら、体幹の支えでカバーすると
このタイプの腰痛は軽減・消失しますよ。