ベッド上で(上半身を起こす時に)、痛い
「ベッド上で(朝、目覚めた時)痛い」と同じく、レントゲンなどで「異常なし」なのに痛む場合のお話です。
起き上がる際によくあるのは「腰の痛み」です。腰痛にも色々ありますが、起き上がり時だけ急激に痛む(体をほぐしてから行うと、痛みが軽減する)のであれば、「筋膜由来」の痛みの可能性があります。
もともと、夜寝ている間は気温も体温も下がるため、全身を覆う筋膜が縮こまりやすいです。
それに加えて、仰向け(天井向き)で長時間寝ると、自分の体重で背面の筋膜を押しつぶすことになるため、筋膜は尚更、柔軟性が乏しく伸びにくい状態になっていると考えられます。
起き上がる際に上体を起こすには胴体を曲げる必要がありますが、背面の筋膜が伸びないと胴体の曲がりをジャマしてしまいます。
その状況で上体を起こそうとすると(急激に背面の筋膜が引き伸ばされると)、腰付近の筋膜は上下に引き裂かれそうになるため、痛みを訴えやすくなりますね。
「起き上がろうとすると腰が痛いから、起きるのやめる(このまま寝てる)」となってしまうと、身体能力が低下するだけでなく、動かないせいで更に体(筋膜)が硬くなる「悪循環」にハマりかねません。
ならば、起き上がりをする前に、ある程度体(特に背面)をほぐすことがポイントになりますね。方法は状況に合ったものであれば、基本的には何でもいいでしょう。
介助者がいない場合であれば、ご自分でやるしかないので、布団の中でやれることをやることになります。
例えば、横向きに寝られるなら、「少しずつ」体をエビのように丸めて背面を伸ばして行く方法もあり得ますし、
動きを入れても大丈夫なら、仰向けでそろっと両膝を立て、両膝を左右に少しずつ揺すったり軽く足踏みをして背面をほぐして行くのもアリかも知れません。
介助者がいる場合は、腰やその周辺をほぐしもらえるといいですね。筋膜の「ゆとり」が腰付近に戻ることで、起き上がりで筋膜が上下に引っ張られても「ゆとり」の範囲内で済めば痛みが消失・軽減する可能性があります。
さらに言うと、普段から体(筋膜)が硬くならないように、マメに手を入れてあげられると動作時に「痛い!」ということを防げる可能性が高まりますね。