痛みを訴えるようになった(痛みが大きくなった)
過緊張タイプの片麻痺で、ご本人が「痛がる場面」というのは、そもそもどういう状況が多いのでしょうか?
指や肘、足首など、片麻痺ならではの状態なのに、無理にグイグイ戻そうとすると(麻痺があるとは言え)痛みを訴えることが多いですね↓
片麻痺の人に限らず、一般的な人でも「無理に引っ張られる」のは体がイヤがりますよね。
例えば、寒い日に全身が縮こまるような姿勢で貴重な熱(体温)の放散を防いでいるのに、誰かから「ねえ、こっちに来なよ」と急に腕を引っ張られたりしたら、腕の付け根や胸付近が痛くなるのと似たようなものです。
理由があって縮こまっているのであれば、無理に伸ばそうとしても、うまく行きません。むしろ筋肉などが断裂しないように「防御的な収縮」を強めて「逆効果」になりやすくなってしまいます。
この「寒い日」の例で言えば、「温かくしてあげれば」縮こまらないで済むので、腕を引っ張られても(筋肉が伸ばされても)痛みが出なさそうなことはイメージしやすいですね。
片麻痺の人で言えば、麻痺だけでなく、そこから来る「不安定さ」を脳が感じて余計に「緊張」しやすくなります。
一般的な人でも、足場の悪い場所で真っ暗闇になってしまったら、恐怖や不安定さから全身の筋肉が「過緊張」になりやすいですよね?
片麻痺の人は、麻痺のせいでそれと似たような状況になっていると捉えてもらうと、イメージしやすいかも知れません↓
【関連動画】
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↑過緊張が悪化するのにも理由があります。麻痺で状況が良く分からず、不安定さも感じて過緊張になってしまうなら、「どういう状況に置かれているか」体に伝えてあげることで、体の緊張は下がって来ますよ。
目的である「曲がった関節を伸ばすこと」は、体の緊張が適正化してきた後に、アプローチしてあげた方がスムーズです
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「麻痺で体の支え方が偏り→体がゆがむ→ゆがむと不安定さを感じる→不安定さで余計に過緊張になる→過緊張で縮こまった部位が(動作で伸ばされる際に)引っ張られて痛む」となると悪循環です。
ならば、その逆になるようなアプローチにより、「好循環」へ誘導してあげましょう。
体(姿勢)を左右均等な状態に近づけるカンタンな方法は、以下の書籍で詳細をご紹介しています↓