第122号:レナト式リハビリのフロー26:立ち上がる時に(移乗も含む)、痛い

 

 

 

<第122号(2021.8.21)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第122号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー26

  「立ち上がる時に(移乗も含む)、痛い」



■編集後記:ロックダウンにせよ、「実証主義」で





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■レナト式リハビリのフロー26

  「ベッドで起き上がって腰掛けた時に、痛い」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「在宅生活の継続(入院や施設入所をしない生活の継続)」↓

「あなたの高齢のご家族は、最近実際に転倒しましたか? 」↓

「No(転倒していないが、痛みを訴える)」↓

「 あなたの高齢のご家族は、どのような場面や動作で痛みを訴えますか?」↓

「立ち上がる時に(移乗も含む)、痛い」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w229










最近のメルマガでは、ご自宅の高齢者が「転倒はしていないが、痛みを訴える」ケースに進んでいます。

誰しも経験があるかと思いますが、筋力その他に全く問題がなくても、

「痛み」があるせいで、普段通りの動作が出来ないことは、よくありますね。

しかも、「痛み」の部位や程度によっては、極端なくらい動作能力が低下してしまいます。









今回は(腰かけた状態から)立ち上がる際の痛みです。

筋肉が痛くなる場合もありますが、上記URLに登場するように「腱」が痛くなることもあります。

腱とは(アキレス腱が有名ですが)、筋肉の端っこの方で骨に付着する部分です。

骨との付着部は引っ張られるテンションが強いため、柔らかい筋肉のまま骨に付着していると破れてしまいそうなので、腱という比較的硬い組織になっていると考えられます。









別な表現をすると、「筋肉」と「腱」とは一体なので、「筋肉」が引っ張られるストレスは「腱」にかかるわけです。

「腱」は元々ほとんど伸びない硬めの組織なので、本来柔軟性があるはずの「筋肉」が硬くなり伸張性が低していると、

「筋肉」で処理し切れない「引っ張られるストレス」は、「腱」が受けることになってしまいます。

そのストレスが大きいと、当然「腱」は悲鳴を上げますね(痛みを訴えますね)。








例えば、膝の「腱」に関して言うと、立ち上がりの際の脚の角度からして、太腿の前側の「筋肉」は相当引っ張られている状態ですので、

膝のお皿付近の「腱」には、ただでさえ引っ張られるストレスが相当かかっているわけです。

その上、太腿前面の「筋肉」が不動や気温低下などの影響で硬くなっていると(伸びにくくなっていると)、

「腱」にかかるストレスは許容範囲を超えてくるので、膝のお皿付近の腱は耐えかねて「痛み」を訴えて来ると考えられます。







対応としては、柔軟性の乏しい「腱」自体をほぐすというのは理にかなっていません。

例えば、準備体操などで片脚を後ろへ出して「アキレス腱を伸ばしましょう」と言われますが、アキレス腱自体は伸びる組織ではないので、その声かけは間違っています。

あれは、アキレス腱と一体になっている「ふくらはぎの筋肉」を伸ばす体操ということになりますね。

同様に、立ち上がり動作の際に、膝や足首の「腱」が痛むなら、やはり筋肉や筋膜をほぐして、「腱」のストレスを軽減する必要があります。「腱」はあくまで影響を受けている「被害者」ですね。


【関連書籍1:他者に施す場合】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w16


【関連書籍2:セルフで自分に施す場合】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w362








次号では、「歩く際の痛み」の話に進みましょう。

「関節」にかかる負担が想定外なものになっていると、関節は悲鳴を上げやすくなる(痛みを訴えやすくなる)話もして行く予定です






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■編集後記
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世間では、コロナの状況が悪化する一方なため、「日本でもロックダウンすべきでは?」という議論が高まっています。

医療は科学(サイエンス)なので、実証主義です。つまり、極論すれば、試してみないと何とも言えません。

日本人や日本の社会に合う・合わないは、試してみた結果を解釈した際の話になります。

緊急事態宣言を重ねても状況は悪化の一途をたどっているので、私自身は「試してみても良いのでは」という見解です(法的な整備は必要でしょうが)。








実証主義は「説得力」という意味でも大事です。

「実際に試してみた結果がこうなったから、次からはこうします」と言われれば、納得せざるを得ないことも多いでしょう。

しかし、試してもいないのに、「どうせダメだ」と言われても、納得が行かないですね。

パンデミックは今回だけでなく将来にも起こり得るので、「あの時ロックダウンした結果こうだったから~」というデータは、将来あっても困らないはずです。








私自身は、決して積極的に不便な生活(ロックダウンなど)をしたいわけではありませんが、

ニュースなどを通して聞こえてくる「悲劇」の数が増えて来ると、

このままでは行けないのでは、と感じるのは自然なことなのでしょう。

医療福祉関係者への負担も、一日でも早く軽減して欲しいと願います。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172