第224号:レナト式リハビリのフロー128:片麻痺への対応39 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応11~

 

 

 

<第224号(2023.8.5)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第224号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー128

  「片麻痺への対応39 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応11~」



■編集後記:地球の水分





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■レナト式リハビリのフロー128

  「片麻痺への対応39 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応11~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。

対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、というお話になります。









概要を振り返ると、以下のようなアプローチはご家族もやれますよ、ということでした。

1)腹筋(ここが仕事してくれないと、全ての動作が不安定になります)

2)お尻まわりの筋肉(ここがフニャフニャだと、腰かけると体がゆがむし、立っても上体の重さを支えにくいです)

3)ウエストの筋肉(ここが低緊張だと、上体が横に傾きやすくなります)








最近は2の「お尻まわりの筋肉」に入っています。腰かけた際に土台になる大事な部位ですね。

片麻痺の人によくあるのは、麻痺側のお尻まわりの筋肉が痩せてフニャフニャになっている状態です。

前号でお伝えしたように、体のゆがみにつながったり、動作の不安定さにつながったりします。

特に、重い上半身を支える大きな仕事がしづらくなるのは、歩けないだけでなく転倒の危険性が高まるので、お尻は大事すぎるくらい大事です。







前号で「トントンするだけ」というカンタンな方法をご紹介しましたが、

効果が出にくい条件があるので、ご紹介します。

それは、一言で言えば、「緊張の低い状態のお尻まわりの筋肉にトントンしてもダメ」ということです。

たとえ筋肉自体が痩せていても、緊張を高めた状態に刺激を入れないとしっかりして来ません。








(開始姿勢が腰かけた状態だとすると)お尻まわりの筋肉の緊張を高める方法は以下の3点セットです。

ご自分の体でもカンタンに体験・実感できますので、やってみて下さい。

A)上体はできるだけ垂直にして、上体の重さがお尻まわりの筋肉に垂直に降りるようにする。

B)両膝は開かず、少し内股程度にする。

C)トントンする側の膝を、脚のつけ根方向に軽く押す(ご自分で行う場合は手前に引く)








Aに関しては、重さを支える仕事の有無により、筋肉の緊張が異なるためです。

Bに関しては、両膝が開くと腹筋の力が抜け、連動してお尻まわりの筋肉の力も抜ける(緊張が下がる)ためです。

Cに関しては、関節(この場合は股関節)に圧力をかけると、周辺の筋肉の緊張が高まるためです。

<Cの補足> 関節の周囲にある筋肉は、関節に圧力(体の重さなど)がかかると、関節を支えるべく緊張を高める性質があります。








上記のA~Cをご自分の体でやってみると、膝を手前に引いた側のお尻まわりの筋肉の緊張が高まるのを感じられます。

他者にトントンを施す場合は、相手をその状態にしてから行うと効率が良いというわけです。

体勢を工夫すればA~Cを同時に満たした上で相手の体にトントンできるのですが、やりづらければAとBだけ整えて、

腰かけた相手の後方に位置して、お尻まわりをトントンするだけでもいいでしょう。







数十秒トントンしたら、その場でお尻の筋肉のボリュームや弾力感が増しますし、

その変化(体内に残る効果)がゼロになる前に積み重ねれば、トントンする前でもしっかりしたお尻になって来ます。

もし毎日1回やるなら1週間くらいで、トントンする前のお尻の状態が変わって来たのを触って感じられるでしょう。

もちろん個人差はあり得ますが、その場でボリュームや弾力感が増したのを確認しながら積み重ねれば、変化が出てくるでしょう。


【関連書籍:お尻まわりの筋肉をしっかりさせる方法】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w11548157614







片麻痺の麻痺側のお尻の筋肉でも、トントンすればしっかりして来ます(完全な弛緩タイプは除く)。

そもそも麻痺は、脳から筋肉へ届く「神経ルート」に問題があるのであって、筋肉自体は大丈夫な場合が多いので、

こういう筋肉自体の特性を活かした方法なら、効果(変化)を出せることが多いですね。

次号からは、上記3の「ウエストの筋肉」が低緊張な場合の対応に進みます。






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■編集後記
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ニュースでは、世界中で水害や干ばつが起こっているようです。

今年はエルニーニョ現象の影響もあるとは言われていますが、

異常気象が毎年のように起こっているので、

今年が特別という感じは、正直あまりしません。







地球の水分は常に一定なので、極端に言うと、

どこかで大雨があると、どこかで干上がってしまうのは自然なことですね。

ただ、その差をマイルドに出来なくなって来ている印象がここ数年あります。

人間が自衛できる範囲は限定的なのかも知れませんが、備えは日々しておきたいものです。










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172