第223号:レナト式リハビリのフロー127:片麻痺への対応38 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応10~

 

 

 

<第223号(2023.7..29)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第223号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー127

  「片麻痺への対応38 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応10~」



■編集後記:塩分も取りましょう





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■レナト式リハビリのフロー127

  「片麻痺への対応38 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応10~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。

対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、というお話になります。









概要を振り返ると、以下のようなアプローチはご家族もやれますよ、ということでした。

1)腹筋(ここが仕事してくれないと、全ての動作が不安定になります)

2)お尻まわりの筋肉(ここがフニャフニャだと、腰かけると体がゆがむし、立っても上体の重さを支えにくいです)

3)ウエストの筋肉(ここが低緊張だと、上体が横に傾きやすくなります)








前号からは2の「お尻まわりの筋肉」に入っています。腰かけた際に土台になる大事な部位ですね。

片麻痺の人によくあるのは、麻痺側のお尻まわりの筋肉が痩せてフニャフニャになっている状態です。

前号でお伝えしたように、体のゆがみにつながったり、動作の不安定さにつながったりします。

特に、重い上半身を支える大きな仕事がしづらくなるのは、歩けないだけでなく転倒の危険性が高まるので、お尻は大事すぎるくらい大事です。







そこで、今回は麻痺(完全な弛緩麻痺は除く)があるお尻まわりの筋肉をしっかりさせて行く「方法」のお話です。

作業としては相手のお尻まわりの狙った筋肉を「トントン」するだけです。

あなたの指先で行ってもいいし、ドアをノックするように行ってもOKです。

いずれもリズミカルに、手首のスナップをきかせながら行います。








これは、片麻痺のリハビリでよくある「タッピング」という麻痺側の筋肉を緊張させる手法の応用です。

筋肉はトントンされると緊張を高めたり、(一時的に)ボリュームや弾力感が増す性質があります。

時間が経ってその効果がゼロになる前にまたトントンすることの積み重ね(効果の重ね塗り)によって、

一時的でない「しっかりさ」を得るのがこの方法の仕組みです。








ただ、この時「こういう状態に対して行っても効果が低い」という条件があるので、次号でお伝えします。

麻痺側のお尻のボリュームや弾力感を戻し、左右均等なお尻の状態に戻してあげれば、

姿勢も改善しやすくなるし、麻痺側の下肢に荷重して歩行や方向転換もしやすくなるので、

「(立って)移動できる」という、ご本人にとって嬉しい状態に近づいて来ますよ。



【関連書籍:お尻まわりの筋肉をしっかりさせる方法】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w11548157614








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■編集後記
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最近の暑さは本当にすごいものがありますね。

数十年前、私が学校の部活でサッカーをしていた頃は、夏休み中の練習が14時開始で、

練習の途中で水を飲ませてもらえず、(今ほど暑くないにせよ)本当に苦しい想いをしたのを思い出します。

今では給水指導がなされているでしょうけども、当時は変な慣習が横行している時代でした。







人間の体は半分以上が水分で出来ていて、体液の0.9%が塩分です。

大昔、生き物の祖先が海で生活していた名残りなのかも知れませんが、塩分も必要なことがポイントになります。

塩分があまり含まれないドリンクばかり飲んでいると、体液の塩分濃度が薄まり体調不良になるので注意が必要です。

特に、中高年で「高血圧」を気にして、塩分控え目にしている人は、汗で失う塩分とのバランスを意識して下さい。







飲食店などでは、夏場の暑い日は味噌汁の塩分を少し増やしてくれている所もあるようですし、

必要に応じて自分でも摂取できるといいですね。

スポーツドリンクやすぐ服用できるタブレットのようなものも(ドラッグストアなどに)売っていますので、

「(昔よりも)危険な暑さ」だと認識した上で、一日一日、対処して行って下さい。










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172