第221号:レナト式リハビリのフロー125:片麻痺への対応36 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応8~

 

 

 

<第221号(2023.7.15)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第221号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー125

  「片麻痺への対応36 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応8~」



■編集後記:災害時など、いざという時に動ける体を維持しましょ




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■レナト式リハビリのフロー125

  「片麻痺への対応36 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応8~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。

対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、というお話になります。









概要を振り返ると、以下のようなアプローチはご家族もやれますよ、ということでした。

1)腹筋(ここが仕事してくれないと、全ての動作が不安定になります)

2)お尻まわりの筋肉(ここがフニャフニャだと、腰かけると体がゆがむし、立っても上体の重さを支えにくいです)

3)ウエストの筋肉(ここが低緊張だと、上体が横に傾きやすくなります)








ここしばらくは、上記1の「腹筋」のお話をしています。

あまり動けない高齢者や、自分でうまく動けない片麻痺の人などに、若い人がやるような「腹筋トレ」は現実的ではありませんね。

だからと言って放置していると、「腹筋」がさらに使いづらく(必要な時に充分な仕事をしづらく)なってしまいかねません。

そこで「レナト式リハビリ」では、他者が外から少し力を加えるだけで、相手の腹筋をしっかりさせて行きます。








前回からは、相手が寝た姿勢(主に仰向け=天井向き)の状態で行う方法をご紹介していますが、

腰かけた姿勢の場合と比べて、相手が腹筋の収縮を感じにくい場合があります。

腰かけた姿勢では上体の重さが腹筋に載るので、腹筋としても「支える仕事をしなくては」と緊張を高めやすい状態にあるため、

その収縮を促す刺激を入れてあげると、キュッと収縮しやすいという利点があるわけですね。








寝た姿勢ではその利点を使えないので、相手が腹筋の収縮を感じにくい場合は、留意点や工夫があります。

まず留意点ですが、開始姿勢が腹筋が収縮しづらい状態にわざわざセットされていると、当然相手は感じにくくなります。

よくあるのは、アゴが上がっていたり、腰が反っていたりする姿勢です。

ご自分で姿勢をマネしてみればすぐ分かりますが、腹筋が引き延ばされた状態になるため、収縮しづらいわけですね。

この場合は、枕の高さを変えたり、電動ベッドの背もたれの角度を変えたりして調整することができます。







次に工夫ですが、相手に(仰向けのまま)両膝を立ててもらうという手があります。

体が真っすぐな状態よりも、脚のつけ根を曲げた姿勢の方が腹筋は既に少し縮こまっている状態ですから、そこにアシストしてあげた方が更なる収縮をしやすい場合があります。

上記のどれか一つで相手が腹筋の収縮を感じられるようになればOKですし、

感じにくい人には全て同時に(合わせ技で)行ってもいいでしょう








上記の方法などは、片麻痺の人に限らず、一般的な高齢者に対しても同じことです。

体の中心である腹筋がフニャフニャだと、周辺の筋肉たちは収縮しづらく、みんなで力を合わせて動作することが難しくなります。

この辺りの方法の詳細は、書籍などでご紹介しているので、よかったら参考にして下さい↓


【相手がほとんど何もしなくていい、腹筋強化の方法】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w1





次回は上記2の「お尻まわりの筋肉」の緊張が不足しているケースに進みましょう。










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■編集後記
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今年も水害のニュースが多くなって来ました。

要因は色々とあり得ますが、毎年起こること自体はもう確定した前提でいた方が良さそうです。

あとは備えや対応のレベルを上げることが大事なのでしょうけども

その際、「動けること(避難する能力があること)」は重要ですね







普段あまり動きたがらない高齢者などでも、いざという時に動ける能力を維持しておくことは、

災害時などに逃げ遅れないためにも必要ですし、逃げ遅れそうな人を助けに来る人を危険にさらさない意味でも大事です。

「高齢者だからあまり動けなくて当然」と思い込まないで下さい。

体の支えなど、必要な部位が仕事できる状態なら物理的に動けますし、逆は物理的に動けません。

レナト式リハビリは、ご本人や周囲の人の「思い込み」に関係なく、物理的に動けるようにするリハビリとも言えます。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172