第182号:レナト式リハビリのフロー86:介助とは15 ~拒否する相手へのアプローチ5~

 

 

 

<第182号(2022.10.16)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第182号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー86

  「介助とは15 ~拒否する相手へのアプローチ5~」



■編集後記:タイミングをみはからって、リフレッシュして下さい





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■レナト式リハビリのフロー86

  「介助とは15 ~拒否する相手へのアプローチ5~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「そもそも、介助ってよく分からない(もう少し説明が欲しい)」

https://no-pain-yes-gain.com/free/w212








最近は、上記URLの内容に関連して、「介助とは」というテーマで「そもそも論」をご紹介しています。

直近では、高齢者など相手が介助やリハビリを「拒否」する場合の対応の話へ入っています。

前々回までの方法で、せっかく相手が拒否要因を語り始めてくれる所まで来たなら、それを台無しにする対応は避けたいものです。

今回は前回の続きで、「説得するなら、ガス抜きしてから」という方法の後半です。








「心=感情」で訴えている相手に対し、「頭=理性」ですぐに対応すると、その2つは次元(モード)が異なるため、うまく行きません。

相手の「ガス抜き」をしてあげることで、相手のモードを「頭=理性」に導いて行きますが、そのための具体的な対応が今回のお話です。。

シンプルに言えば、「対応する側もまずは、モードを合わせる(心=感情モードで聴く)」ということなのですが、

決して、心情的にのめり込んで、一緒に泣いてあげましょうとか、そういうことではありません。








例えば、相手が「この薬を飲むのがイヤ」と「心=感情モード」で訴えているとします。

あなたは最終的には(できれば最短時間で)相手にその薬を飲んでもらいたいのですが、

すぐに薬の効用を説明し始めるなど「頭=理性モード」で対応しては、相手のガス抜きが進まず、

モード変化も促しにくいです。これでは余計に時間も労力もかかりかねません。






あなた(聴き手)の対応としては、相手のキーワードを復唱してあげると良いでしょう。

上記の例で言えば、「その薬を飲むのがイヤなのね」と反応するだけです、これだけです(笑)。

これだけで、いったん相手とモード(次元)を合わせることが出来ます。

シンプルだし、カンタンですね。相手の中にたまったガスが流れ出るのを妨げません。







すると相手は、例えば「そう、イヤなの。その薬は苦いのよ。それなのに毎回毎回・・・」と自らガスを放出してくれます。

そしてあたなは「そう。苦いのね。それなのに毎回毎回飲んでるのね」と、引き続きモードを合わせて対応します。

この時の注意点としては、決して「なんで、その薬が嫌なの!?」と詰問調で返したりしないことです。

詰問調(相手からすれば非難・攻撃されている感触)は、この段階の主目的である「ガス抜き」を妨げてしまいますからね。

流れ出てくるものに蓋をせず、出させてあげましょう。








相手の訴えの内容が変わっても、基本的には同じような対応です。

そして、相手は言いたいだけ言ったら、自然と「心=感情モード」から「頭=理性モード」に切り替わって来ます。

切替りのタイミングの目安の例としては、相手のしゃべる勢いがダウンしたり、「あんたにこんなこと言ってもねえ」などと口調や態度が変化して来たところです。

そのタイミングを見計らって、改めて薬を飲んでくれるようアプローチしてみて下さい。

この時は「頭=理性」のモードで話をしても、ある程度は受け入れてくれる(その結果、薬を飲んでくれる)可能性が高まっていますよ。








私の経験では、色々と嫌がる人達も、もともと頭(理性)では必要性を分かっている場合が多いです。

ただ、溜まったガスがジャマをしていることが多いので、

「ジャマなものは取り除く」という、レナト式リハビリの「2本柱」の一つを、ここでも実践しているだけですね。

次回は余談として、「体が拒否する場合」のお話をします。心と同様、体が拒否しているのにリハビリや介護において、グイグイ攻めるとうまく行かないものです。







ちなみに、具体的な傾聴スキルなどをご紹介した本も出していますので、ご関心のある方はどうぞ↓


【関連書籍:傾聴スキル関連】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w80







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■編集後記
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政府主導の全国旅行支援制度が始まりました。

外国人観光客の入国制限が緩和されたのも重なり、

観光客のV字回復が促進されているようです。

我慢を続けていた観光業界や関連業界が息を吹き返せるといいな、と願っています。








一方で、コロナ禍で最も我慢を続けて来たかも知れない医療福祉従事者は、

旅行などでリフレッシュが出来ているのか、少し気になります。

個人的には、彼ら専用の旅行割引制度があっても良いような気さえします(笑)。

コロナはまだ終わっていませんが、その負担やしわ寄せに苦しんで来た業種の人達を、

可能な限りリフレッシュしやすい状況にしてあげて欲しいものです












最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172