第175号:レナト式リハビリのフロー79:介助とは8 ~拒否・・・介護者由来の場合~

 

 

 

<第175号(2022.8.27)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第175号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー79

  「介助とは8 ~拒否・・・介護者由来の場合~」



■編集後記:忍耐力は要りますが、長い目でみて積み重ねを




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■レナト式リハビリのフロー79

  「介助とは8 ~拒否・・・介護者由来の場合~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「そもそも、介助ってよく分からない(もう少し説明が欲しい)」

https://no-pain-yes-gain.com/free/w212








最近は、上記URLの内容に関連して、「介助とは」というテーマで「そもそも論」をご紹介しています。

前回からは、高齢者など相手が介助やリハビリを「拒否」するケースに関してです。

私は物事を「良い悪い」で表現するのは本来嫌いなのですが(立場により正義は異なるため)、

「誰に要因があるか」に関しては掘り下げざるを得ない内容であるため、善悪の話に聞こえるかも知れませんがご了承下さい。







高齢者などの「拒否」に関して、登場する関係者を大きく分けると、以下の3者になります↓

1:ご本人(高齢者など)、2:あなた(介護者)、3:医療福祉関係者(医療福祉サービスを利用していない場合は1と2のみ)

今回は、介護者由来なので、2の場合もあれば、3の場合もあります。

ご本人が拒否理由をはっきり伝えてくれるならまだしも、日本人は色々な思惑のために頑なに言わない場合があるので、

よくある要素を知ることで、あなたのご家庭のケースにあてはまりそうか考えてみて下さい。







介護拒否でよくある要素は「不快だった経験」であり、中でも「痛み」に関するものです。

人間の場合、生命維持のために「痛み」の刺激は特に回避すべきものとして、強く嫌がるように出来ています。

痛みの耐性には個人差がありますが、「どこそこが痛い」となるとやはり病院等に行って痛みから解放されようとします。

そんな強い不快刺激である「痛み」を、介護(介助)の度に受けると誰しもイヤになり得ますし、

「また痛くされる」という憂鬱感や恐怖心にさいなまれると「拒否」につながりやすくなるのはムリもありません。








介護場面で登場する「痛み」の中でも、分かりやすい例は、介助で相手の体を動かす際でしょう。

非常によくあるのは、長時間横になっている(寝たきりなどの)相手の「寝返り」や「起き上がり」を介助する時です。

長時間(長期間)あまり動かずにいた相手では、全身を覆う筋膜が硬く伸張性が乏しい状態になっている場合が多く、

「キツキツの全身タイツ(服やズボンでもいいですが)を着ている状態」のようなものです。

そんな状態の人を他者がいきなり動かそうとすると、「ゆとり」のない関節付近などの生地は引っ張られて破れてしまいそうですね。

服と異なり、筋膜は破れるわけに行かないので、「引っ張らないで」と「痛み」を発して訴えて来ます。


【関連動画(再生リスト):痛みやコリ】

https://www.youtube.com/playlist?list=PL87Hh0oDQOddcjvPF-0dvutm6kVMe4eI7








ちなみに、同じ原理で、相手の体に触らなくても痛みは起こり得ます(以下は電動ベッドの背もたれ角度調整時に起こる痛み)↓

【関連動画:ベッドの角度は少しずつ段階的にで、痛みを回避】

https://www.youtube.com/watch?v=RJtLVq_lE6Y&list=PL87Hh0oDQOdcvOYWW0DkyEWhprXi-jWff&index=10



余談ですが、病院(入院中)では、自力で寝返りが打てない患者さんの体位交換をすべく、定期的に看護師などがやって来ます。

その際、数人がかりで患者さんの姿勢を「えいやっ」と変えることが多いのですが、これを痛がる患者さんは少なくありません。

事前に痛がりそうな部分に筋膜の「ゆとり」をある程度戻しておいてあげれば痛みは減りそうですが、

忙しいこともあってか、毎回やっつけ作業のように行われて、度重なる苦痛に耐えかねた患者さんが拒否するようになるケースは実際あります。


【関連書籍:身体の硬さや痛みを取り、動作をなめらかにする】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w16








もしあながた介助される側の立場だったとして、「痛い! そのやり方は痛い!」と訴えているのに、相手が配慮してくれなかったら、どうなりそうでしょうか?

あなたは自分の身を守るべく「拒否」し始めるかも知れませんし、相手に対して暴言・暴力で意思を示そうとするかも知れません。

それなのに、介助者からは「あの人はすぐ痛がるし、せっかく介助してあげてるのに、ひどいこと言うのよ」と陰口を言われるようになっては、誰もハッピーではないですね。

こういう「痛み」を出し続ける方法を繰り返している場合、拒否の主な要因は介助者側にあると言えるでしょう。

もしあなたのご家庭で、心当たりがあるようなら、見直してみて下さい。

次回は、リハビリでよくある「拒否」の例をご紹介する予定です。






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■編集後記
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久々にスポーツの話題です。

現在、20歳以下女子サッカーのW杯が行われており、日本代表が決勝まで勝ち進んでいるようです。

今年は秋に、年齢制限なしの男子のW杯も開催されますし、

サッカーが熱いシーズンになっている印象です。







最近、日本サッカーはどの世代でも比較的成績が良く、その内容から、特に育成が実を結んでいるという評価を受けています。

何事も基礎が大事なのは共通ですが、それには時間や投資、継続性や忍耐力などが必要なことが多いですね。

目先の利益に目を奪われて基礎をおそろかにすると結局、実力や成績が「頭打ち」になってしまうことが多いのは周知の通りです。

日本でもクラブチーム単位では目先の利益を追求する姿勢も見えますが、日本サッカー全体としては、地道に育成を重視・継続して来たのが、実を結んでいるようです。







介助やリハビリに関しても、全く同じです。

もちろん、地味な基礎づくりは(施される人・施す人)お互いにイヤになってしまうかも知れないので、モチベーションを保つために目先の成功体験も色々あった方が良いですが、

人生100年時代なのであれば結構な期間があり得ますので、長期的な視点で必要な積み重ねを続けた方が、結局はあなたがラクになるのが早いでしょうね。

ストイックな人以外は忍耐ばかりでは苦しいでしょうから、適度にガス抜きや自分へのご褒美などを入れながら、

ご家庭での介助やリハビリに取り組んでみて下さい。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172