第151号:レナト式リハビリのフロー55:移動(歩行)介助で困っている3

 

 

 

<第151号(2022.3.12)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第151号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー55

  「移動(歩行)介助で困っている3」



■編集後記:ロシア関連も「正しく恐れる」






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■レナト式リハビリのフロー55

  「移動(歩行)介助で困っている3」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「移動(歩行器)介助(で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w214










最近は「歩行介助」に入っており、その中の要素である杖などに関連するお話が続いています。

今回は「杖をどちらの手で使うとベターか」ということと、

「介助者はどちら側に立つと良いのか」ということをご紹介します

前提としては、上記URL内の2つ目の関連動画でお伝えしているように、ご本人の脚の支えに左右差がある場合のお話です。








結論から言うと、脚の支えが強い側の手に杖を持つのがセオリーですし、物理的にベターです。

動画の中でも理由をお伝えしてるように、脚の支えが弱い側の手に杖を持つと、転倒などの危険につながるデメリットが多いためですね。

ただ、ここでもご本人の「執着」が問題になることがよくあります

例えば、利き手で杖を持つことに固執する人だと、弱い脚が利き手側の場合、自らリスクを高めてしまいます。








あるいは、「今までこちらの手で杖を使って来て、慣れているから」という理由で、適切な方の手に切り替えたがらない人もいます。

無理強いすると逆効果になりかねないので、アプローチに配慮した方がいいでしょう。

例えば、「少しずつでいいから、反対側の手で杖を使う時間を増やしてみよう」と促したりするのも一つの方法です。

実際、人間の体は「非利き手」であっても、練習していると感覚が良くなって使えるようになって来ますよ。








続いて、介助者が立つ側のお話ですが、

ご本人がバランスを崩して倒れるのを、介助者が自分の体でブロックして防ぐのが目的であれば、

基本的には、相手がよりバランスを崩しやすい側に立って歩行介助します。

例えば、相手が右脚の支えが弱くて右にバランスを崩しそうなら、右側に立って介助します。

介助者は、相手の不安定さに応じて、相手の体に直接触れながら歩くか、いざとなればすぐに手を出せる状態で歩くかなどを判断すればいいでしょう。

ただし、体格差が大きくて、介助者の方に倒れて来られても困る(共倒れになる)ケースでは、杖での移動自体が不適切と言えますね








何事でもそうですが、状況によっては柔軟に対応した方が良い場合もあります。

例えば、道が狭くて2人並んで歩くと自動車と近づき過ぎる場合などは、介助者が車道側に立った方が良い場合もあり得ますし、

歩道が平らでなく(排水のために道路の断面が傾斜しているため)、傾斜がきつくてご本人がバランスを崩しそうなら、そちら側に立つこともあり得ます。

ただ、最初からそのような危険がありそうな道だと知っていれば避ければいいですし、どうしても通らざるを得ないと分かっているなら杖以外の移動補助具(歩行器や車椅子など)を持参しておく手もありますね。








いずれにせよ、屋内の平らで他者が通らない環境と、屋外の平らでなく車や自転車など色々と行きかう環境では、介助の仕方が全く同じというわけには行きません。

最初から避けられるリスクは避け、それでも危険がありそうな場合に備えて準備しておくのがいいでしょう。

次回は、介助者が相手の体に触れながら一緒に歩く際の「介助方法のコツ」に関してご紹介する予定です。

「息が合っている」状態の方が、お互いラクに歩けますもんね。






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■編集後記
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「正しく恐れる」という言葉が、コロナ禍で一般的になった印象があります。

意味としては、できるだけ正確な情報を集めて(闇雲に不安になるのではなく)注意すべきものを注意しよう、という感じですね。

現在はロシア関連の影響で「あの物資が不足する、あの食材が高騰する」などの情報が出回るようになっていますが、

こういう時こそコロナ禍で学んだことを活かして、必要以上に一喜一憂したり、周囲の人に悪影響を与えたりしないように出来るといいですね。







日本では学校教育の中で「情報の確かさの度合い」を突き詰める場面が不足している印象です。

しかもそれを「社会生活の中で、こういう風に情報の確かさを活かせ」と具体的に教わった記憶もないです。

私の場合は、リハビリ分野に進んでから、ようやく訓練することが出来ました。

リハビリを含む医療は「分析→改善」を生業とするため、確かさの度合いの高い情報を集めて考察することは、当然求められる能力であるからですね。







そのような(論理的・客観的な)思考法法をカンタンに練習できるように書かせてもらった本も以前出版しています。

常に「最善の1手」を割り出せると、「納得のいく生活・人生」に出来る可能性が高まりますので、

興味のある方はご覧になって下さい(Kindle Unlimitedにご登録の方は、読み放題の対象です)↓



【どんどん解決していく 判断のしかた(前編/後編)】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w28











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172