第140号:レナト式リハビリのフロー44:移乗介助(で困っている)3

 

 

 

<第140号(2021.12..25)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつもお読み下さり、ありがとうございます。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第140号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー44

  「移乗介助(で困っている)3」



■編集後記:より助け合える世界へ




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■レナト式リハビリのフロー44

  「移乗介助(で困っている)3」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「移乗(介助で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w211










前々回からは「移乗(乗り移り)介助」のお話に入っています。

上記URL内の情報(文章)が他の動作介助のページに比べて少な目なのは、

移乗は大きく分けると「立ち上がり」「方向転換」「座り(着座)」に分かれる、つまり、

これまでに既にご紹介した動作から成り立っているからです(重複した内容まで書くと分量が増えるので、URL内にもリンクを貼る形式にしています)。








ただ、補足したいことはいくつかあるので、数回に分けて、一つ一つお伝えしています。

今回も前回に続き、(上記URL内の関連動画の2つ目である)移乗介助の際、介助者が相手と一緒に「落下するように着地するケース」に関してです。

たとえ着地先がクッション性のあるベッド等だとしても、落下はお互いに恐怖ですし、

介助者が相手に、相撲の「あびせ倒し」のような状態になるため、いずれ大ケガにつながりかねません。








その状態になりやすいケースは、全介助(又はそれに近いレベル)の相手に移乗介助する際が目立ちます。

しかし、決して「介助量が多い=一緒に落下」とは限らないので、「仕組み」を捉えることで、改善につなげて行く必要があります。

前述の動画の中では、考え易くするために、この現象が起こる要因(要素)を次の2つに分けています。

1)密着したまま、2)高い所から

一緒に落下する現象なので、1や2の状態になる要因を探ると、ヒントがありそうです。








今回は、「1)密着したまま」の状態が起こる仕組みを取り上げます。

相手の着座能力がある程度安定していれば、お互いに重心を下げる際に密着していなくてもいいのですが、

全介助(又はそれに近い状態)では、そうも行きません。

さらには、前述の2つ目の動画にあるように、相手が前傾姿勢を取れないと、車椅子から離すために密着せざるを得なくなります。







よくあるのは、(仰向けでの)長期臥床のために背面の筋膜が特に硬くなっている人で、

体が板状に硬くなっているため、前傾姿勢を取る(股関節で曲がる)のが困難になっているケースです。

この状態だと介助者は体(重心)を密着させないと、相手を車椅子の背もたれから離すことができません。

よって、対策としては、普段から体(筋膜)の柔軟性を保つことや、移乗介助の直前に背面に筋膜の「ゆとり」を持たせて、

脚のつけ根(=股関節)付近で曲がりやすい状態にあげることが必要になります。







その上で、何度か「おじぎ」だけを反復してもらい(背面の筋膜の柔軟性を確かめた上で)、

前傾してもらえる所までしてもらった上で、立ち上がりの動作介助を行うと、

密着し過ぎずに移乗介助を始められる可能性が高まります。







相手の体が硬い板状だと、着座する際にも困るでしょうから、やはり柔軟性を「普段から」+「介助の直前に」高めることが大事です

それぞれに対して、行いやすい方法は以下の書籍でもご紹介しているので、良かったら参考にして下さい。



「普段から」に関しては↓

【家族も出来るリハビリ・シリーズ その4】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w16



「介助の直前に」に関しては↓

【セルフ・ケア】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w362





次号では、「移乗時に一緒に落下」の、もう一つの問題要素である「2)高い所から」に関して、

仕組みや対策をご紹介して行きます。






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■編集後記
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世間はクリスマス・ムードがピークでしょうか。

クリスチャンでない日本人がクリスマスを祝う是非はさておき、

せっかくなので、欧米など本場のクリスマスでは大事な要素とされる「チャリティー」を、

日本人も(やれる範囲で)実践して欲しいと願います。






日本にも伝統的に「喜捨(きしゃ)」という寄付文化がありますが

最近は不景気が続いているせいか、具体的な「施し」をする勢いが弱い印象があります。

もちろん、「ボランティア」などの、金銭でなく労働力を寄付するのも素晴らしいですが、

某有名社長がスローガンとして掲げているように、日本にも寄付文化をもっと定着させる(取り戻す)ことは、大事なことだと感じます。






そもそも、「他人」は本当に「他人」なのでしょうか。

今回のコロナ禍でもイヤというほど実感したように、他者のデメリットはあなたのデメリットに(遅かれ早かれ)つながって来ます。

逆もしかりで、他者のメリットに貢献することは、いずれはあなたのメリットにもなって来ます。

「情けは人のためならず」。そうです、あなた自身のためですね。






コロナ禍で色々と考えさせられた我々が、来年は、お互いが更に助け合えるような年になると良いなぁと思います。

今年1年、ありがとうございました。

また来年、メルマガや動画、書籍などでお会いしましょう(書籍は、リハビリ関連の新作を出す予定です)。

では、良いお年を。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172