お尻(のボリューム) が、左右非対称
麻痺があると、「感じにくさ」も出やすくなり
ます。一般の人が想像するなら、麻酔を打った
時の「触ってもよく分からない感じ」が比較的
近いかも知れません。
麻痺の程度にもよりますが、そんな「頼りない
状態の部位(ちゃんと支えてくれるか不確かな
部位)」へ、体は体重をかけたがりません。
腰掛けている姿勢で言うと、体は無意識にでも
麻痺側のお尻には体重をかけたがらず、「非」
麻痺側のお尻だけでムリに上半身を支えようと
しがちです。
左右のお尻で腰かけているように見えても、
実際には片側のお尻にしか荷重されていない
場合、麻痺側のお尻の筋肉は「支える仕事」
が乏しいため痩せ、その結果、左右のお尻の
ボリュームや弾力感に差が出やすくなります。
左右差が極端になると、腰掛けた姿勢では、
骨盤が痩せているお尻の方へ傾いているのが
観て分かる場合もありますし、そこまでの差
でなくても、左右のお尻を触り比べると、
すぐに分かります。
お尻の筋肉に左右差が出来ると色々な問題に
つながるのですが、以下は特に困りますね。
<痛みにつながるもの>
・腰かけた際に、お尻の左右差のせいで骨盤が
傾き、その上にある背骨もゆがみ、体が更に
硬くなったり、腰や肩などが痛みやすい。
<転倒につながるもの>
・お尻の筋肉は重い上半身を支える主役なの
に、痩せている側のお尻の筋肉は支える力が
不十分なため、体重が載ると不安定になり
やすい(歩行や方向転換がしにくいなど)。
いずれにせよ、お尻の筋肉の左右差は放置して
勝手に改善するものではなく、むしろ左右差が
より大きくなって、色んな「悪循環」にハマり
かねないため、
何らかの理由でリハビリ専門職に頼めない場合
は特に(例えば、お住まいが離島でリハビリの
サービスがない、など)、ご家族の方で左右差
を埋めてあげて下さいね。