「離」の段階の人
「守」と「破」の段階を経て「離」の段階に
達しているということは、あなたは他者が
作った設計図に基づいて(相手の体)を
組み立てる段階は終わり、あなた自身で
設計図を描いて組み立てられる段階にいる
ということです。
それなのに、結果が出ていない(手ごたえが
乏しい)なら、大いに問題があります。
要因はいくつか考えられます。
例えば、
①守か破の段階で、「幹(本質的な部分)」
を捉えられるようになっていない。
②「幹」は捉えているが、現在の職場で
具体的な方法に落とし込めていない。
③具体的な方法に落とし込めているが、職場
のニーズに合っていない(足りていない)。
などです。
一つずつ見て行きましょう。
まず、①ですが、
「守」や「破」の段階で「幹」を捉えたつもり
だったけど実際は捉えていないか、別な何かを
「幹」だと誤解している可能性があります。
「破」で例え話として出した水泳で言うと、
「水の抵抗を少なく、ラクに(=効率よく)
進む」という「幹」を捉えていないまま、手足
の動かし方のバリエーション(枝葉)を増やし
て来たようなものなので、「結果」が出にくい
ままなのは当然ですね。
リハビリなどの治療職は、「分析→改善」を
生業とするので、「分析」できないと本来は
仕事になりません(「リハビリもどき」に終始
してしまいます)。
「分析」スキルが乏しいということは、「自己
分析」も出来ていないということになるので、
自分が実際にはどの段階にいるのかも実は
分かっていないことになります(主観や妄想
だけで根拠が乏しい)。
こういう場合は、分析スキルを高めると
(どのみちそれを生業にしているはずなので)
結局は近道です。「急がば回れ」ですね。
参考動画:
次に、②ですが、
表現を変えると、「基本は分かってるが、
応用がきいていない」と言えそうです。
数学の問題でも、「応用問題は苦手」という人
はいますもんね。「柔軟に考えることが苦手」
とも言えるかも知れません。
例えば、「相手が座位の状態でいつも介入して
いたけど、今日は相手の体調が悪く臥位で介入
せざるを得ない」となった時に、臥位だと
どうして良いか分からないという感じです。
こういうケースは、本当は「分析スキル」を
発揮して、その場で対応策を割り出せる
(柔軟に方法のアレンジもできる)のが良い
ですが、どうしてもそれが苦手のようなら、
「狙った部位に同じような治療刺激を入れられ
る別法を身につければカバーできる」ので、
自分の「引き出し」を増やすと良いでしょう。
「困った」から→それを補えるスキルを提供
している講習会などに参加→対応可能になる、
の積み重ねで、具体的に実力を高めて下さい。
参考動画:
最後に、③ですが、
これは②をさらに発展させたもの(よりハイ
レベルなもの)です。
例えば、「病院や施設だと個別リハビリを最低
でも週2回は行えていたけど、訪問リハビリに
職場を変えたら週1回が一般的だと分かった」
というケースなどです。
あなたのスキルは週2回の介入なら効果を
出せるものだったけど、週1回なら効果を出せ
ないものだと判明した場合、困りますね。
他にも、手持ちの治療時間のうち、筋トレに
配分できる時間が10分しかないのに、効果を
出すのに20分かかる手技では、やはり困って
しまいます。
こういうケースでは、「(相乗効果のある)
より濃密な治療刺激を入れる」ことで、より
少ない時間や頻度でも効果を出す必要があり
ます。
例えば、筋トレなら、「筋力向上効果のある
複数の治療刺激を、工夫して同時に行う」と
いう感じですね。
(相乗効果のある)濃密な治療刺激なら、
少ない配分時間内に収められるし、効果の
持続性も高いので翌週までに相手の体内に
効果が残っている%が高いため、それを積み
重ねる(重ね塗りする)ことで運動学習が進む
(頻度が少ない介入でもリハビリはちゃんと
進む)というわけです。
個人的な感想ですが、治療頻度の少なさなど
不利な条件が多く「難度」が高いのに結果が
出るようになると、楽しいですよ(笑)。
「幹(本質的な部分)」はちゃんと抑えた上
で、枝葉を駆使するので、あなたのこれまでの
努力が全て発揮されます(報われます)。
私がご紹介している「レナト式リハビリ」は、
そういう濃密な治療刺激を入れながらも、
方法自体はシンプルに誰でも出来るようにした
ものです。
それにより、今後リハビリ専門職も不足し、
介護同様「ご家族がリハビリをする時代」に
完全に入っても、共倒れになったり、途方に
暮れる人が一人でも少なくなれば幸いです。
参考動画:
↑「論より証拠」。「レナト式リハビリ」を
ご自分の体でカンタンに試してみて下さい。
↑「濃密な治療刺激」の1例です。
工夫すれば、色んな方法がありますよ。