第330号:レナト式リハビリのフロー233:片麻痺への対応145 〜片麻痺関連の余談84:〜街中で見かける介助78〜

 

 

 

<第330号(2025.8.16)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 〜ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ〜


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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。










第330号は、こちらです↓




■レナト式リハビリのフロー233

  「片麻痺への対応145 〜片麻痺関連の余談84:〜街中で見かける介助78〜」




■編集後記:「あなたのプランBは何?」


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■レナト式リハビリのフロー233

  「片麻痺への対応145 〜片麻痺関連の余談84:〜街中で見かける介助78〜」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページから

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








今はレナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話(余談を含む)として進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









「片麻痺に関するその他(余談)」の中でも、「ベッド柵」などの用具類に関してお伝えした後は「介助」に移りました。

介助スキルも大事なのですが、そもそも介助量や転倒等のリスクを減らしたいなら、

介助スキルに頼り過ぎるより、普段から(介助対象である)ご本人の能力を、

リハビリで向上・維持しておいた方がお互いにラクですね。








片麻痺の過緊張タイプの人に対応するにあたり、留意せねばならないのは、

「逆効果」なことをして、「悪循環」にハマってしまう人を、適切な方向へどう導くか、ということです。

ご本人の頑張り屋な性格や、不安にかられた周囲の人からの無理なアプローチなどにより、

「努力すればするほど、ぎこちない動きになるし、過剰な緊張の体を放置すると余計に硬くなる(その悪循環から抜け出せなくなる、苦しみや危険、介助量も増える)」という、やるせない状況になりかねません。









ここしばらくは「立ち上がり動作」を代表例に「悪循環」と「好循環」の状態を比較して来ました。

ただ、実際の生活では「立ち上がって終わり」ではないでしょうから、

最近は余談的に「立ち上がった後の動作」に関してお伝えし始め、「移動」の次に「移乗」に入っています。

第326号では、ご自分の体で「移乗」を、以下の4つの要素を意識してやってもらいました↓










1)移乗先の物体(車いす他)は、どこに・どの向きで用意されていると移乗しやすかったか

2)両足の位置や動きは、どのようだと動作しやすかったか

3)動作中、頭の位置は上下したか(いったん立ち上がって方向転換したか)、あるいは、中腰のまま水平移動したか

4)手はどう使うと、移乗しやすかったか








「移乗」が出来れば「寝たきり」を防ぎやすくなるので、一つひとつ掘り下げて行きましょう('ω')

今回も上記3に関してです。一度立ち上がってから方向転換する場合は、

立ち上がる能力に加えて「(立った状態で)方向転換する能力」も求められ、

それは片足ずつ浮かす(=反対側の脚で体を支えて、滞空時間をかせぐ)能力が必要になるということです。









「片足を浮かせる滞空時間」の際に鍵になるのは「骨盤の移動」と「その移動先での保持能力」で、

それらが出来ていない場合の考え方は、いつものように「改善の2本柱(「不足するもの」と「ジャマするもの」)」にアプローチします。

「不足」は例えば、前号でご紹介した(移動先の側の)お尻まわりの筋肉(中でも外側上部)などですが、

今回は「ジャマするもの」の方を見て行きます。








(骨盤の水平移動を)「ジャマするもの」でよくあるのは、「お尻付近の(筋膜の)硬さ」です。

筋膜は全身タイツのようなものなので、ご自分のズボンやパンツ等(の生地)でも疑似体験することができます。

立った姿勢で、骨盤を左右に移動する(体重を左右の脚に交互に載せる)動きをすると、

お尻付近の生地を動くのが分かりますね(お尻付近の生地を自分で触りながらやってみて下さい)。







逆に、お尻付近の生地が動かないように(伸縮できないように)、わざと生地をつかんで同じように動こうとすると、

骨盤の移動がジャマされる感じが分かるでしょう(キツ目の生地の方が分かりやすいですが)。

お尻付近の筋膜が何らかの理由で硬くなっていると、生地をつかまれているのと似た状況になるので、

骨盤の水平移動をジャマする=片脚立ちになりにくい=片足を浮かせにくいので方向転換しづらい、ということになるわけです。










次号では、更に余談的に、「お尻付近の筋膜が硬くなる要因」を取り上げます。

よくある例がいくつかあるので、

相手のお尻付近が硬くなっているなら、

ほぐしてあげてから動きが変わるか確かめると良いでしょうね(^_-)-☆



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■編集後記
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「オールナイト万博」という言葉をネットで見かけましたが、

どうやら先日の、地下鉄が動かず、観客が万博会場で一夜を過ごした件のようです。

野宿ながらも楽しみを見出そうと、ポジティブに過ごす人の話も出ていました。

ある意味「貴重な体験」ができたという目線の話が登場するのは理解できます。








ただ、もし台風や津波がその時に来ていたら大変なことになっていたので、安全な代替手段の確保・用意は本当に大事ですね。

私は日本の学校で「プランAがダメな時のために、プランBやCを最初から用意しておきなさい」と習った記憶がありませんし、日常で話題に出る機会も少な目です。

一方、欧米では日常会話の中で「あなたのプランBは何?」と普通にきかれます。

日本は災害が多い国でもあるので、そういう教育は大事そうですね('ω')





















最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい。

では、また次回をお楽しみに!



(レナト)











・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172