第296号:レナト式リハビリのフロー199:片麻痺への対応111 〜片麻痺関連の余談50:〜街中で見かける介助44〜
<第296号(2024.12.21)>
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家族がリハビリをする時代 〜ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ〜
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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。
第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。
拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。
第296号は、こちらです↓
■レナト式リハビリのフロー199
「片麻痺への対応111〜片麻痺関連の余談50:〜街中で見かける介助44〜」
■編集後記:ご自分にあった冷暖房の使い方を
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■レナト式リハビリのフロー199
「片麻痺への対応111〜片麻痺関連の余談50:〜街中で見かける介助44〜」
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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページから
「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓
「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓
https://no-pain-yes-gain.com/free/w186
今はレナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話(余談を含む)として進めています。
片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、
片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。
いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。
「片麻痺に関するその他(余談)」の中でも、「ベッド柵」などの用具類に関してお伝えした後は「介助」に移りました。
介助スキルも大事なのですが、そもそも介助量や転倒等のリスクを減らしたいなら、
介助スキルに頼り過ぎるより、普段から(介助対象である)ご本人の能力を、
リハビリで向上・維持しておいた方がお互いにラクですね。
今回も、片麻痺者の動作能力を上げて、介助者の負担(介助量)を減らす話には変わりありません。
さらに言うと、レナト式リハビリでよく登場する「改善の2本柱(足りないものは足す、ジャマするものは取り除く)」の、「ジャマするものは取り除く(減らす)」の方の話になります。
片麻痺者(過緊張タイプ)の「体(筋膜)の硬さ」は動作をジャマするので、それをを取り除いたり(減らしたり)、普段から柔軟性をできるだけ保つように先手を打つことで、
ご本人の動作能力の向上や事故リスクの軽減、介助者であるあなたの介助負担の減少などを目指しましょう。
前々回は、コリや痛みにつながりやすい体(筋膜)の硬さが、
どういう条件で起こりやすいかのまとめ的な内容に入り、主な要素を列挙しました。
前回からは、その各要素を掘り下げ、対応などをご紹介し始めています。
その最初は、このメルマガで(編集後記を含め)何度もお伝えして来た<温度関連>からです。
人間の体は自動的に、一定の体温を維持しようとしています。
周囲の気温が低いと(または下がると)、体温を失わないように体を縮めるのは経験則で分かるでしょう。
その際、全身を覆う筋膜も縮こまるし、その状態が長く続けば伸縮性が低下しそうなことは(硬くなりそうなことは)イメージしやすいですね。
全身タイツが硬く伸びにくくなっているのに、無理に動こうとすると、引き伸ばされる関節部が破れそうになる(痛む)のは当然と言えば当然です。
これが起こるのは、寒い冬や、気温低下を感じる季節の代わり目だけでなく、
夏の冷房や、1日の中での気温差や室内外の気温差などでも起こる反応です。
筋膜が硬くなるまでの時間や不動状況などの条件は個人差がありそうでうが、
ほぐす以外の対応としてはシンプルに「体を温める(冷やさない)こと」なので、その方法を探って行きましょう。
まず、どの程度あたためれば筋膜は緩んでくれるのか、ということですが、
カンタンな目安は「額に少し汗するくらい」や「暑さを少し感じるくらい」です。
よく入浴時に、お湯につかって「額に汗をうっすらかき始めたら、深部体温が上がった証拠」と言われますが、そういう感じです。
つまり、体が「熱を放出した方がいい=縮こまった体をゆるめた方がいい」と判断・反応するレベルで、これも経験則でイメージしやすいでしょう。
ご自分で体を動かせる人の場合は、運動や活動などにより体温を上げられますが、
臥床や不動時間が長い人の場合は、衣類や室温の調整などで極力あたたかくしてあげるのが良いでしょう。
もちろん暖房費等との兼ね合いにはなりますが、痛みやコリの訴えが続くと、
そちらの医療費などのコストがかかりかねないので、あたため方を工夫して対応したいですね('ω')
ご自分である程度動ける人の場合は、「体温が上がるまでの間」に注意が必要です。
寝起きなど、まだ体があたたまっていない(体=筋膜が硬い)状態で急に動こうとすると、
「グキッと」あちこちを痛めてしまいかねません。
寝起きであれば、布団の中でしばらく足踏みなど体を動かす動作をしてから起きるのも手ですね。
体が縮こまる(筋膜が硬くなる)ことで誘発される痛みは「関節部」が分かりやすいですが、
これに関しても主に2種類の痛み方がありますし、
筋膜の「ゆとり」が乏しくなると関節部以外にも、痛みを訴える部位が出て来やすくなります。
その辺りのお話は、体(筋膜)が硬くなる各要素を掘り下げた後にでも、お伝えしたいと思います。
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■編集後記
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体に関して、ある仮説があります。
四季のある土地では、体は一つの季節のうちに次の季節への準備をしている、というものです。
例えば、夏にしっかり汗をかくことで、秋への準備ができるというわけですね。
なのに、夏に冷房にあたり過ぎて汗をあまりかいていないと、体が次の季節へスムーズに移行しづらく、(自律神経の失調など)調子を保ちにくくなる、というものです。
人間以外でも、野生動物や植物などは確かに、常に次の季節の準備をしているようにも見えます。
私はそういう意味もあって、できるだけ冷暖房は使わない派です。もちろん、経済的な理由もありますが(>_<)
ただ、本文中にもお伝えしたように、ご自分で動きづらい人の場合は、
体を冷やさないようにして欲しいです。「冷えは万病のもと」ですし('ω')
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、
早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい。
では、また次回をお楽しみに!
(レナト)
・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46
・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172