第248号:レナト式リハビリのフロー152:片麻痺への対応63 ~片麻痺関連の余談2:低反発マットレス~

 

 

 

<第248号(2024.1.20)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第247号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー152

  「片麻痺への対応63 ~片麻痺関連の余談2:低反発マットレス~」



■編集後記:サッカーも、負けたら負けたで「分析」をしっかりと






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■レナト式リハビリのフロー152

  「片麻痺への対応63 ~片麻痺関連の余談2:低反発マットレス~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









前々号にて、ご家族もできる「片麻痺による低緊張に対するアプローチ」のお話は、ひとまず終了としました。

前号からは余談的に、「片麻痺に関するその他」に進んでいます。

ここでは、「リハビリ専門職の立場から言うと、こういうことはおススメしない(逆に、オススメする)」という要素を、

理由つきでご紹介して行くイメージです。









前号では「ベッド柵の利用」に関してお伝えし、今回は「低反発マットレス」です。

一時期テレビCMなどでも流行りましたが、その上に寝転がると体への圧力が分散される、というものですね。

何事も目的次第なので、道具や用具も目的に合致していればOkですし、そうでないならやらない方がいいということです。

では、低反発マットレスの場合は、どうでしょう?









結論から言うと(私見ですが)、目的が「(自力で動けない人に対する)体圧分散」ならOkでしょうし、

目的が「(多少は動ける人の)ベッド上の動作をジャマしないこと」なら、使わない方が良いでしょう。

平たく言えば、低反発マットレスは、動作をジャマしやすいってことですね。

では、その理由・仕組みを見て行きましょう。








低反発マットレスを使ったことがある人は分かると思いますが、

仰向け(天井向き)に寝ると、体に戻って来る力(反力)が確かに分散されます。

これは固い床に仰向けに寝た場合と比べると分かりやすいのですが

体の背面の骨が出っ張った部位(後頭部や肩甲骨、骨盤や踵など)に強く感じる圧力が、低反発マットレスを使うと、体の他の背面に分散されるからですね。









片麻痺の場合に限らず、ご本人が自力で動きづらい(全介助などの)状態の場合、

床ずれ(褥瘡)防止が目的で使うなら、低反発マットレスの使用も良いでしょう。

床ずれは圧力が集中する部位にできやすいので、圧力を分散してあげると予防しやすいのは理にかなっています。

では、ご本人が多少なりとも(ベッド上で)寝返りや起き上がりなどの動作ができる場合は、どうでしょうか?








これも、低反発マットレスを使ったことがある人なら実感できたかと想像しますが、

動作をする際に「反力」を利用しづらいため、「推進力」が得られにくくなります。

つまり、例えば「寝返り」をうつ際なら、マットレスから押してもらう力(反力)を利用しづらいため、

寝返りの回転の力が不足して、寝返り動作がしづらいわけです。









人間の動作は基本的に「反力」も利用します。

歩く時だって、床からの「反力」を利用するから歩けます。

逆に、「反力」がなければ、床が沼かプールのような状態なので、足がズブズブと入り込んで歩けません。

それに、ここでは深堀りしませんが、圧力を感じる体のセンサーも機能しづらくなります。








繰り返しになりますが、何事も「目的次第」です。

道具や用具も「テレビで紹介していたから」と闇雲に使用せず、

「今回はこういう目的だから、これを使う(使わない)」というようにすると、効果的に進めて行けますね。

次号では「装具」を取り上げる予定です。

使うメリットがデメリットを越えられるか、がポイントになります






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■編集後記
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サッカー男子の日本代表が昨夜、久しぶりに負けました。

よく「負けた試合の方が学ぶことが多い」と言われますが、

これはちゃんと「分析→改善」をする意思と実行力がある場合の話です。

「負けたけど、ほったらかし(ハイ、次)」では、改善しません。








医療やリハビリでも全く同じで、

うまく行っていない時は「どういう仕組みで、うまく行っていないか」を解き明かす必要があります。

仮説を立てて、検証するわけですね。

専門職はそれをするのが基本なのですが・・・('ω')








「仕組み」を意識して、

「だから、こうなのか」とか「だったら、これは不適切だよね」と判断できるようになると、

自ずと良い結果は出やすくなります。

私が何かをお伝えする時に、その「理由・仕組み」や「理由の妥当性の高さ」を大事にしているのは、そのためです(^_-)-☆











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172