第246号:レナト式リハビリのフロー150:片麻痺への対応61 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応33~

 

 

 

<第246号(2024.1.5)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第246号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー150

  「片麻痺への対応61 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応33~」



■編集後記:「分析」は、本当に大事です





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■レナト式リハビリのフロー150

  「片麻痺への対応61 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応33~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、

というお話をこれまでしてきて、最近は余談的に「低緊張の下肢の緊張をカンタンに高める方法」をお伝えしています。









動作を活用して下肢の緊張を高めますが、活用例として「立ち上がり動作(の前半)」を利用しています。

腰かけた姿勢では頭の位置が高いほど、動作前半の「おじぎ」をするだけで下肢の緊張が高まりやすくなることは体験してもらいました。

相手がまだリハビリ途中で(体幹の支えがまだ弱くて)頭の位置が低い場合は、あなたが介助で補います。

相手の「肩甲骨」を操作して、相手の頭を高くして(せすじを伸ばして)「おじぎ」を誘導し、下肢筋群の緊張を高められることもお伝えしました。









最近は、その中でも「下半身」に関する注意点を取り上げており、

前号では、相手の「足」の位置がどの辺りにあると効果的か、ということをお伝えしました。

ただ、過緊張タイプの片麻痺の人だと、腰かけた姿勢で麻痺側の足が床にベタっとつけていない場合があります。

今回はその予防と、起き上がって腰かけた際に「つま先立ち」のような足にどうしてもなってしまった場合の対応に関してです。









予防としては、ベッド上で起き上がり介助をする前から、「相手を過緊張に極力させないこと」が大事です。

これまでお伝えして来たような方法で、リラックスすべき部位をリラックスさせてあげて、

「起き上がり介助」がテーマの頃にお伝えしたような「体の連結」などに配慮すれば、

相手の緊張の高まりが最小限に抑えられ、その結果、腰かけた際に「つま先立ち」のような足になりにくいです。









ただ、それらに配慮して体を起こしたのに、腰かけるとどうしても「つま先立ち」のような足になってしまう場合はあり得ます。

その時に簡易的な対応としては、「麻痺側の足の裏を軽くこする」というものがあります。

もちろん、片麻痺の相手が安定して座れている(お尻でしっかりベッドに腰かけられている)前提ですが、

麻痺側の足の裏を、あなたの指で軽く何回かこすってあげると、過緊張が解除されることが多いです。









この際の留意点としては、

1)足裏が硬いと、こする刺激が体に入りにくいので、起き上がりの前に麻痺側の足裏をほぐしておいてあげる。

2)決して、足裏を強くこすったり、ムリやり足首の角度を変えようとしない(むしろ逆効果で、緊張が高まりかねません)。

3)1や2で不十分なら、麻痺側アキレス腱にあなたの指をそっとあて、数秒そのままにしておく(緊張がゆるむことがあります)。

足の裏がベタっと床についてくれないと、体重をその足に載せづらいので、

「立ち上がり前半」を利用した下肢の緊張アップもしづらいですし

実際の生活動作(立ち上がり、移乗や歩行など)もしづらいですもんね。








ご家族もできる「片麻痺による低緊張に対するアプローチ」のお話は、ひとまずこの辺りにしておきます。

次号では、「片麻痺に関するその他」に進む予定です。

例えば、「ベッド柵を手で使わない方が良いって聞いたけど?」とか「足の装具は使うべき?」「肩の亜脱臼をどうすれば?」などなど、

よくある疑問点に関する考え方や対応などを、ご紹介して行きます






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■編集後記
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年が明けましたが、日本は年初から色々と起ってますね。

有事の際は、一通り対応が終わったら検証して、

「次に活かす」ということが大事になります。

災害にせよ、事故にせよ、被害を最小限に抑えるために、しっかり検証して欲しいものです。








リハビリ分野でも、本質的に似たようなことがあります。

例えば、訪問リハビリの場合、自宅で過ごす利用者さんが家の中で転倒した際の対応などです。

専門職は徹底的に現場検証して、その当時の動作能力の評価と照らし合わせて分析することで、

要因や対応(再発防止策など)を割り出すわけです。








ただ、そこまでやってくれるリハビリ専門職かどうかは、担当者によります。

「ああ、転倒したんですね。気を付けて下さい」で終わる専門職も、残念ながら実際いますので、

再発の可能性を高く残したままになってしまいます。

「分析」できることは本当に大事です。







「この担当者は大丈夫なのか?」と判断するには、利用者さんやご家族の方に分析力が要りますし、

誰しも、日々の生活の中で、より良い判断をするために分析力が要ります。

ご自分の判断に自信がないとか、臨機応変な対応が苦手という人には、

カンタンに分析力を高める方法をご紹介した本も過去に出しているので、良かったらご覧下さい('ω')↓


【関連書籍:分析・改善のカンタンな方法】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w392











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172