第243号:レナト式リハビリのフロー147:片麻痺への対応58 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応30~

 

 

 

<第243号(2023.12.16)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第243号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー147

  「片麻痺への対応58 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応30~」



■編集後記:あきらめなければ、伸ばせる可能性があります





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■レナト式リハビリのフロー147

  「片麻痺への対応58 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応30~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、

というお話をこれまでしてきて、最近は余談的に「低緊張の下肢の緊張をカンタンに高める方法」をお伝えしています。









動作を活用して下肢の緊張を高めますが、活用例として「立ち上がり動作(の前半)」を利用しています。

腰かけた姿勢では頭の位置が高いほど、動作前半の「おじぎ」をするだけで下肢の緊張が高まりやすくなることは体験してもらいました。

相手がまだリハビリ途中で(体幹の支えがまだ弱くて)頭の位置が低い場合は、あなたが介助で補います。

相手の「肩甲骨」を操作して、相手の頭を高くして(せすじを伸ばして)「おじぎ」を誘導し、下肢筋群の緊張を高められることもお伝えしました。









前回からは、その際に「うまく行かない要素」や「うまく行く工夫」などをご紹介しています。

前回の「回転軸」の話に続き、今回は「回転誘導の際の、力の加え方」の話です。

相手の上体を回転軸(股関節)を意識して誘導する際、

上体の「つけ根」付近であるお腹あたりが「ユルユル」な感じ(腹圧が足りない感じ)だと、上体の誘導がうまくいかない場合があります。

せっかく相手の頭の位置を(肩甲骨操作で)高くしたのに、もったいないです。









こういう場合の対処もシンプルで、「相手のお腹に軽く圧をかけてあげる」だけです。

具体的には、あなたの両手は既に相手の左右の肩甲骨にあてられている状況ですから、

あなたの両手から「力を少し相手のお腹側へかけながら」、回転の誘導を行うだけです。

回転する物体(この場合は相手の上体)の根元(つけ根)付近に軽く圧をかけながら、回転させます。








「圧をかけながら回転誘導」のイメージがわきにくい場合は、ボーリングの玉を思い浮かべて下さい。

床の上にボーリングの玉があったとして、持ち上げて運ぶには重いので、転がしたいとします。

玉の表面をなでるだけでは、重いボーリングの玉は転がってくれないので、

あなたはある程度「圧」をかけながら、玉を転がすはずです。








こういう「軽く圧をかけて動かす」ことは、「リハビリ効果もある介助技術」のところでもご紹介したことがありそうですが、

効率よく物体を動かす際の「コツ」の一つになります。

レナト式リハビリでは「最少努力で最大効果」を目指すので、できるだけラクしましょう(^_-)-☆

余らせたあなたの時間や体力は、あなたが本当にやりたいことに使えるようにしましょうね。








次号でも、「これを意識しないと効果が出にくい」という別な要素をご紹介します。

こんどは「下半身」における注意点に進んで行く予定です。





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■編集後記
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「言語化をあきらめない」というのが、私が執筆作業などをする際のテーマの一つでもあります。

もちろん、動画など映像を駆使して相手との「共有率」を高める方法はあるのですが、

要所でそれを使いつつも、言葉で(文字で)伝えることもあきらめていません。

実際、文字主体のメールマガジンなどは、その能力が必要ですしね








相手と自分が「テレパシー」で分かり合えるなら言語化する必要はないのですが、

それができない前提である以上、「共有率」を高めるには言葉が大事な役目を果たします。

語彙の豊富さや選択の適切さ、伝える順番、例え話の適切さなど、相手が誤解なくイメージしやすい状態にすることが大事ですね。

私自身、まだその能力が充分だと感じていないため「あきらめない」という表現を使っていますが、

意識して磨いて行けば、自分自身の能力がまだまだ伸びる気がしています('ω')










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172