第238号:レナト式リハビリのフロー142:片麻痺への対応53 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応25~

 

 

 

<第238号(2023.11.12)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第238号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー142

  「片麻痺への対応53 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応25~」



■編集後記:「いったんレベルダウン」することを恐れないで




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■レナト式リハビリのフロー142

  「片麻痺への対応53 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応25~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、

というお話をこれまでしてきて、前回は「まとめ的な内容」でした









今回は余談的に、麻痺側の下肢の緊張を高める(割とシンプルな)方法についてご紹介します。

前号で参考までにURLを添付した動画の方法は専門的なので特にお勧めしませんが、

今回のはご家族が充分にでき得るものなので、ポイントや留意点をおさえながらお伝えします。

まずは、やはり「ご自分の体で体験」してみましょう。他者に施す前に「こういうことか」と実感できるのは大事です。








まず、背もたれ無しのイスなどに腰かけて、頭を高い位置にして下さい(いわゆる「良い姿勢」です)。

そこから立ち上がり動作の前半である「おじぎ」をして行きます(上体を前下方に降ろして行きます)。

お尻が浮くか浮かないかというところまで来ると、両下肢の緊張が高まっていることが感じられるでしょうか?

「おじぎ」の速度は、速い・ゆっくりなどご自分で試して、最も下肢筋群の緊張が高まるものを探してみて下さい。








これは、以前に立ち上がり関連のところでもご紹介した、「立ち上がる準備が(下肢に)できた状態」というわけです。

腰かけた良い姿勢から「おじぎ」するだけで、下肢の緊張を高めることができるなら、低緊張の下肢にも使えますよね。

片麻痺のご本人がご自分で左右対称の綺麗な「おじぎ」ができない場合は介助で誘導すればいいですし、

介助で誘導するということは、(お尻が浮くか浮かないかの)下肢の緊張がより高まるところで止めて保持したり、などの工夫もでき得ます。







これは、相手が腰かけた状態で行うので、安全な方法です。

もしバランスを崩してもイス等の座面があるので、大丈夫ですね。

介助で相手を良い姿勢にしながら「おじぎ」を誘導できると効果的なので、

相手の頭の位置をカンタンな介助で高くし、「おじぎ」へ導く方法などを、次号でご紹介する予定です。






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■編集後記
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自分の部屋などの「断捨離」を、ほそぼそと進めています。

物が減ると見た目がスッキリするし、掃除もしやすいので、それなりに気に入っています。

ただ、捨てるものを選別するために、いったん物を床に広げたりするので、

一時的に「余計ちらかる」状態になるのが難点です(苦笑)。








これはスポーツなどでも、本質的に同じことがあり得ます。

技術をレベルアップしたい時などは、これまで自分が頼って来た技術をいったん捨てないと、新しいものに挑戦しづらい場合などです

分かりやすい例でいうと、例えば右利きのサッカー選手が、これまでは右足でボールを扱う上手さで通用していたけど、

より上のレベルを目指すなら、左足での技術を磨く必要があるので、練習などで苦手な左足を積極的に使うことで「いったん下手になる」という現象が起きます。







しかし、もちろんこれは長期的な目線で言うと「レベルアップ」に直結するので、勇気は要りますが大事なことですね。

リハビリや介護技術もしかりで、これまであなたが行って来た方法を頼りにしたい気持ちは察しますが、

より良いもの(安全でラクで効果的なもの)を使えるようになるには、古い方法を「いったん捨てる」ことが大事になります。

それに、新しいものにトライした結果、しっくり来ないなら、古い方法に戻せばいいだけなので、思い切って挑戦してみて下さい('ω')










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172