第235号:レナト式リハビリのフロー139:片麻痺への対応50 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応22~

 

 

 

<第235号(2023.10.21)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第235号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー139

  「片麻痺への対応50 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応22~」



■編集後記:「改善の2本柱」は、何においても言えます




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■レナト式リハビリのフロー139

  「片麻痺への対応50 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応22~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。

対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、というお話になります。









概要を振り返ると、以下のようなアプローチはご家族もやれますよ、ということでした。

1)腹筋(ここが仕事してくれないと、全ての動作が不安定になります)

2)お尻まわりの筋肉(ここがフニャフニャだと、腰かけると体がゆがむし、立っても上体の重さを支えにくいです)

3)ウエストの筋肉(ここが低緊張だと、上体が横に傾きやすくなります)









最近は、上記3の「ウエストの筋肉」に関して、ご紹介しています

仰向け(天井向き)に寝た相手に対してウエストの筋肉をしっかりさせる方法の話を続けています。

相手が自力で頭を上げにくい場合は介助で力を貸すので、その場合の工夫の話が今回のメインです。

前回は効果的な介助の「タイミング」の話でしたが、今回は介助の「動かし方」の話で、

レナト式リハビリでご紹介している「リハビリ効果もある介助方法」の一つになります。








カンタンに言うと、「こういう頭の動かし方(介助)をすると、リハビリ効果があるので、ご本人が自力で頭を動かしやすくなりますよ」というものです。

単なる1回の介助が、「相手を助けて終わり(相手は助けられて終わり)」でなく、

介助の中にリハビリの要素を入れることで、介助の積み重ねで「動作・姿勢改善」に向かって行く、というわけです。

介助だけをしていても、相手の動作能力が高まる要素が乏しいので、私はリハビリ要素が入っている方がベターだと考えます。








これに関してもやはり、まずはご自分の体で体験してみましょう。

(便宜上分かりやすい)真正面への起き上がりの想定で、頭を正面に上げようとする場面です。

あなたは仰向け(天井向き)に寝て、ご自分の両手を頭の後ろ(頭と枕との間)に入れて頭を持ち上げようとします。

この時、頭や首はリラックスして、できれば手の力で頭を持ち上げようとしてみて下さい(他者に介助されるような感じで)。







その際、ご自分の腹筋がどの程度「自動的に」収縮するか感じてみて下さい。あまりしないでしょう。

次に、頭の後ろの手はいったん外して、(正面に起き上がるべく)自力で頭を持ち上げようとしてみて下さい。

腹筋がかなり収縮するのを感じられるでしょう。その際の「頭の軌道」をよく感じてみて下さい。

体を横から見て、頭の軌道は決して直線的ではなく、まずアゴを引くように動いてから、その後頸椎(首の骨)を巻き上げるように動くでしょう。







最後は、再びご自分の手を頭の後ろに入れて、

先程の頭の動き(アゴを引いたあとに、頸椎を巻き上げるような軌道)を意識して、ご自分の頭を手で持ち上げてみて下さい。

頭や首はリラックスしていても、ご自分の手による頭の介助で腹筋がかなり強く収縮するのが感れられるでしょう。

更なる工夫としては、常に「腹筋に向かって軽く圧をかける意識」を持ちながら頭の操作を行うと、さらに腹筋が収縮しやすくなるので、確かめてみて下さい。








ここまででお分かりの通り、介助する際に相手の頭の本来の軌道を無視して行おうとすると、腹筋が反応しづらいです。

それでは腹筋を使った(自力で行う)本来の起き上がり動作の改善につながって行きません(単なる、1回の介助に終わります)。

ところが、相手の頭の軌道を意識した介助をすることで、自力で行うための運動パターンを体に再学習させ、

自力で出来る割合が増える=介助量が減る、という流れになって行きます。「相手本位」の介助は、ここでも力を発揮しますね。








仰向けから斜め前に起き上がる場合に関しても、ご自分で頭の軌道を確認し、「リハビリ効果もある介助方法」につなげてみて下さい

あなたの介助が一気に進化するヒントがそこにありますよ。

どういう作業も、身に着くまでは多少ややこしく感じますが、分かってしまえば何てことはないので、一つずつやりましょう。

次号では、他の注意点に関してお伝えする予定です。









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■編集後記
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最近は、日本サッカーの好成績が男女問わず各年代で続いており、人気も高まっています。

じきに、アジアNo1を決める大会もあるし、世界大会の予選もあるので、調子を保って欲しいものです。

レナト式リハビリでお伝えしている「改善の2本柱」は、日本サッカーのレベルアップ(成績の改善)においても当てはまります。

改善の2本柱とは、「不足するものは足す」「ジャマするものは取り除く(減らす)」というやつですね。








「不足するもの」は「各選手の技量」などが代表的なので、それは本場欧州のクラブへ移籍して各自がレベルアップにはげんでいます

では、「ジャマするもの」は主にどういうものがあるでしょうか?

一つは、「選手の疲労」があります。過密な試合日程や移動距離の長さがあると、調子が下がるだけでなく、ケガもしやすくなります。

これは日本サッカー協会が、調子が悪い選手を代表に召集しないことで、ある程度はコントロールが可能でしょう。








もう一つは、誹謗中傷などの「負の応援」があり得ます。

無関心よりはマシなのかも知れませんが、単に自分のストレスのはけ口を選手などに向ける人が、少なくないで印象です。

スポーツはメンタルの部分も大きいので、選手に悪影響を与えます。そういう行為はやめた方がいいですね。

これらの要素は実は、介護やリハビリにも本質的に言えることです








あなたが、自分の介護・リハビリ技術を高めようとするのは「不足は足す」行為と言えますが、

相手があまり動けない状態なのに歩行練習をさせようとして疲れさせたり、

叱咤激励のつもりで、介護者のストレスを高齢者にぶつけていたりすると、それらは取り除くべき「ジャマ」ということになります。

2本柱はどちらかだけだと、効果が相殺されかねないので、ラクになりたければ常に意識して下さいね。










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172