第230号:レナト式リハビリのフロー134:片麻痺への対応45 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応17~

 

 

 

<第230号(2023.9.16)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第230号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー134

  「片麻痺への対応44 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応17~」



■編集後記:「余分なもの」は、手放したい





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■レナト式リハビリのフロー134

  「片麻痺への対応44 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応17~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。

対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、というお話になります。









概要を振り返ると、以下のようなアプローチはご家族もやれますよ、ということでした。

1)腹筋(ここが仕事してくれないと、全ての動作が不安定になります)

2)お尻まわりの筋肉(ここがフニャフニャだと、腰かけると体がゆがむし、立っても上体の重さを支えにくいです)

3)ウエストの筋肉(ここが低緊張だと、上体が横に傾きやすくなります)








最近は、上記3の「ウエストの筋肉」に入っています。

「ウエストの筋肉」は、「腹筋」や「お尻まわりの筋肉」に比べると地味?なためか、弱くなっても放置されがちな部位です。

ただ、とても大事な役目を果たしていて、ここが弱くなっていると基本的な動作や姿勢保持に悪影響が出やすくなります。

前回からは、ウエストの筋肉を「運動連鎖」でカンタンにしっかりさせる方法に入っています。







前回、まずはご自分の体で体験してもらいました。

ちょっとした動きをするだけで、狙ったウエストの筋肉がキュッと締まった(強く収縮した)実感が得られたでしょう。

それを積み重ねると、ウエストの筋肉のボリュームや弾力感が増し、しっかりして来ますよ。

ちなみに、ご自分の体で「コツ」や「加減」などをつかんでからの方が、他者の体に施す際に効果を出しやすくなりますね。










さて、今回は(腰かけた)相手のウエストの筋肉を「運動連鎖」を使って強く収縮させます。

ご自分の体でやった動き(お尻の体重移動、頭はできるだけ同じ位置に残す、など)を相手に対して再現しましょう。

ただ、ご自分の体に対しては「胸」の辺りに手をおいて筋膜を寄せることが出来ましたが、

胸周辺はデリケートなエリアなので、他者に行う場合は、胸以外で操作しやすい部位に変える必要があります。









結論から言うと、胸の代わりに、相手の「肩」にあなたの手を置いて筋膜を寄せます。

例えば、相手の右ウエストを狙いたい場合は、(胸の延長線上で)対角線にある相手の左肩にあなたの手を置くわけです。

あなたが相手の正面に位置する場合は、あなたの右手を相手の左肩に置けばいいですし、

あなたが相手の後面に位置して行う場合は、あなたの左手をそこに置けばいいわけです。








相手の左肩に置いた(あなたの)手には、大きく2つの役割があります。

一つは、相手の体重移動を誘導すること(ここでは右ウエスト狙いの前提なので、相手の右のお尻に体重を少しずらす)で、

もう一つは、相手の左肩から筋膜を右ウエストに寄せること、です

あなたの反対側の手は、相手の右ウエストの筋肉の収縮を感じる作業をします。








胸とは異なり、肩から筋膜を寄せる方法は多少コツがいるので、

次号では、そのお話を補足的に行う予定です。







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■編集後記
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いつの間にか増えてしまった物を「断捨離」するのは、いろんな意味で有効ですね。

家の中もスッキリ通りやすくなりますし、今後の掃除などもラクになります。

物に対する想い(執着)がないなら、どんどん捨てた方がいいですね。

そして、断捨離は「物」に対してだけでなく、「考え方(観念)」や「生活習慣」においても、同じことでしょう。







例えば、スポーツや仕事で、色んな指導者から教えを受けたとします。

真面目な人ほど教えを守ろうとするので、最初の指導者からの教えと二人目の指導者からの教えが異なると、混乱してしまいます。

なんとかそれらを自分の中で融合させても、三人目の指導者からまた異なる教えを受けると、処理し切れなくなったり・・・。

そしてある時、「もう自分らしく行こう」と割り切り始める話は、よくありますよね。






それは表現を変えると、「自分に合わないもの(自分にとって余分なもの)を手放した」とも言えます。

自分と他者は同じではないので、やり方が異なって当然なわけです

自分に合わないものを守り続けようとすると、苦しむだけでしょうね。

「自分にとって、余分なものは手放す」という意識と行動は、あなたをラクにしてくれますよ。








最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172