第229号:レナト式リハビリのフロー133:片麻痺への対応44 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応16~

 

 

 

<第229号(2023.9.)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第229号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー133

  「片麻痺への対応43 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応16~」



■編集後記:あいかわらず、執筆作業中です





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■レナト式リハビリのフロー133

  「片麻痺への対応43 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応16~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。

対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、というお話になります。









概要を振り返ると、以下のようなアプローチはご家族もやれますよ、ということでした。

1)腹筋(ここが仕事してくれないと、全ての動作が不安定になります)

2)お尻まわりの筋肉(ここがフニャフニャだと、腰かけると体がゆがむし、立っても上体の重さを支えにくいです)

3)ウエストの筋肉(ここが低緊張だと、上体が横に傾きやすくなります)








最近は、上記3の「ウエストの筋肉」に入っています。

「ウエストの筋肉」は、「腹筋」や「お尻まわりの筋肉」に比べると地味?なためか、弱くなっても放置されがちな部位です。

ただ、とても大事な役目を果たしていて、ここが弱くなっていると基本的な動作や姿勢保持に悪影響が出やすくなります。

今回からは、ウエストの筋肉を「運動連鎖」でカンタンにしっかりさせる方法に入ります。







若い人がやるような筋トレは、高齢者や片麻痺の人には不向きです

ならば、外からのカンタンな誘導で、ウエストの筋肉が「強く収縮せざるを得ない」ようにすればいいですね。

強く収縮した状態を数秒保つことを積み重ねていけば、しっかりして来ますよ。

その上、ご本人はほとんど何もしていないし、つらくもないので、高齢者や片麻痺の人も継続しやすいです。








方法は、相手の姿勢が腰かけている場合と、寝ている場合とで大別できますが、

前者の方がやりやすいため、先に「腰かけた相手に行う方法」から始めます。

理由は、上体の重さが(狙う)筋肉に載る方が、筋肉の立場としては「重さがかかった。支える仕事をしなきゃ」と緊張を高めやすいので、

筋肉をしっかりさせる刺激を入れるには好都合だからです。







ウエストの筋肉に関しても、まずはご自分の体で試して実感してみて下さい。

ここでは左のウエストの筋肉にアプローチする想定にしますので、ご自分の左手を左のウエスト付近に手をあて、筋肉の収縮を感じるようにしましょう。

開始姿勢は、背もたれ無しに腰かけた姿勢で(頭の位置はできるだけ高い、いわゆる「良い姿勢」で)、

横からあなたの体を見た際に、上体の重さがウエストの筋肉よりも前や後ろに落ちないようにします。







そこから左のお尻に少し体重移動しますが、

頭の位置はできるだけ動かさない(上体が左に傾斜しない)ようにします。

次に右手(の手のひら)を胸の真ん中付近にあて、左のウエストの方へ向かって筋膜を寄せるようにして下さい。

筋膜は皮膚や筋肉と連動するので、それらと一緒に寄せればいいです(これまでと同様です)。








胸の筋膜が硬くて寄らない場合は、胸まわりをほぐしてから行って下さい。

「体重移動」と「筋膜寄せ」の2つの作業をすると、左のウエストの筋肉がキュッと強く収縮したのが感じられたでしょうか。

相手に施す際も要領は同じですが、胸付近はデリケートゾーンなので、少し異なる位置から筋膜寄せを行います。

次号では、相手に対して行う方法に進みましょう。







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■編集後記
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新作のリハビリ関連の本を出版すべく、執筆作業をず~っと続けているのですが、

本の骨格(構成)がようやく定まって来たので、どんどん本文を書いています。

実はこれまで数回、書いては作り直しを繰り返していました。

8割くらい出来ていたものもありましたが、より多くの人と共有できる内容にしたいので、自分でOKを出せませんでした。








情報の内容が、私が伝えたいものと、読者が欲しいもので一致するとも限りませんし、

情報量も、さっと読める程度でいいのか、辞書のように網羅されたものが良いのか、など決めねばならないことが多いです。

「どういう人と、どういう内容を共有したいのか。そして、どうなってもらいたいのか。」

私自身、自分の「心の声」と相談しながら、執筆作業を進めています。








最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172