第219号:レナト式リハビリのフロー123:片麻痺への対応34 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応6~

 

 

 

<第219号(2023.7.1)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第219号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー123

  「片麻痺への対応34 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応~6」



■編集後記:ジメジメ+寝た切り=不衛生になりやすい





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■レナト式リハビリのフロー123

  「片麻痺への対応34 ~筋緊張が不足して支えが弱い人への対応~6~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。









最近は片麻痺の中でも「筋肉の緊張が不足して(体を支えにくくて)困る」ということに対して、どう出来るかというお話に進んでいます。

前提としては、「完全な弛緩麻痺」は除きます。

対象としては、筋肉の緊張がゼロではないが、何割かは低下しているケースです。

それを高めて必要な緊張に近づけたい(その結果、体を支える部位が必要な仕事を果たして欲しい)場合にどうするか、というお話になります。









概要を振り返ると、以下のようなアプローチはご家族もやれますよ、ということでした。

1)腹筋(ここが仕事してくれないと、全ての動作が不安定になります)

2)お尻まわりの筋肉(ここがフニャフニャだと、腰かけると体がゆがむし、立っても上体の重さを支えにくいです)

3)ウエストの筋肉(ここが低緊張だと、上体が横に傾きやすくなります)








前々回からは、上記1の「腹筋」のお話です。

あまり動けない高齢者や、自分でうまく動けない片麻痺の人などに、若い人がやるような「腹筋トレ」は現実的ではありませんね。

だからと言って放置していると、「腹筋」がさらに使いづらく(必要な時に充分な仕事をしづらく)なってしまいかねません。

そこで「レナト式リハビリ」では、他者が外から少し力を加えるだけで、相手の腹筋をしっかりさせて行きます。








前号までは、相手が腰かけた状態に対して行う方法のお話でした。

今回からは相手が寝た状態に対して行う方法に進みますが、本来は腰かけた状態に対して行う方がベターです。

なぜなら、上体の重さが腹筋に(垂直に)載っている状態の方が「支える仕事をしなければ」という反応が起こりやすいからです(緊張が高まりやすいからです)。

緊張が高まりやすい状態のところに、レナト式リハビリの腹筋収縮アプローチをした方が効率がいいですからね。








ただ、相手(ご家庭の高齢者や片麻痺者など)が、いつも腰かけた状態でいられるとは限りません。

体調不良などで「横になっていたい」という状況もあるでしょう。

ならば、相手の姿勢が寝た状態でも、(上体の重さが腹筋に載らない不利はあれど)同じように腹筋の収縮を促せられればいいですね

「レナト式リハビリ」は人間が生まれ持った体の仕組み(この場合は運動連鎖の仕組み)を活用するので、相手が寝た姿勢でも腹筋の収縮を誘導できます。







相手が仰向け(天井向き)の想定でご紹介しますが、慣れれば、相手が横向きの状態でも出来なくはありません。

腰かけている状態と比べて多少の工夫を加えることになりますが、

このスキルが使えるようになると、相手が腰かけられない時でもリハビリの継続・積み重ねが出来るので、非常に便利です。

次号では、相手が寝た姿勢(仰向け・天井向き)で行う場合の、具体的な方法や工夫についてご紹介します。







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■編集後記
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ジメジメした季節になってきました。

ジメジメだけでなく暑さもあるため、蒸し暑いです。

まとわりつくような湿気や、うだるような暑さに誰しも苦しめられる季節ですが、

寝た切りの人やベッド上から離れたがらない人などに関しては、衛生面をより気にしないといけない季節でもあります。







寝ているだけでもかなり汗をかきますし、敷布団と接している体の部位は乾きにくいものです。

自分で寝返りをうてる人なら、敷布団と接して蒸しやすい体の面を変えることができますが、

寝返りなどの動作能力が低下している人の場合は、体の同じ面がずっと蒸されて不衛生になりがちです。

仰向けでずっと過ごす人なら、背中やお尻だけでなく、後頭部の髪の毛がある部分なども不衛生になりがちです。







なんらかの理由でお風呂やシャワーをいやがる(拒否する)高齢者などもいますが、

そんな場合は尚更、ご自分で寝返りがうてる能力を維持したり、取り戻したりすることが大事になりますね。

今回のメルマガの本文中でご紹介している「腹筋」は、寝返り動作を行う際にも必須になりますので、

相手が動きたがらない人であっても、いざという時に動けるように、普段から「仕込み」を入れておいてあげましょう。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172