第213号:レナト式リハビリのフロー117:片麻痺への対応28 ~足首が曲がっていると何が困るか4~

 

 

 

<第213号(2023.5.21)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第212号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー117

  「片麻痺への対応28 ~足首が曲がっていると何が困るか4~」



■編集後記:ダイナミックなエネルギーの動きを感じます



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■レナト式リハビリのフロー117

  「片麻痺への対応28 ~足首が曲がっていると何が困るか4~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








ここしばらくはずっと、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺でない一般の高齢者などにも当てはまる要素が少なくないので(人間の体は基本的に同じ構造ですし)、

片麻痺でないケースにも参考にしてもらえると嬉しいです。

いつの間にか点と点が線になって理解が深まって来ると、同じ事柄への対応でも楽しくなって来ますよ。








最近は片麻痺関連として、「(麻痺側の)足首が曲がってしまうと、具体的な動作など何が困るのか」ということをお伝えしています

足が床や地面にフィットしてくれないと、うまく体重を載せられないですからね。

それは、足首が内側に曲がる場合も、(つま先立ちのように)足先を下げる方向に曲がる場合も同じことです。

前回は、足首が曲がったまま立って動作しようとしても色々と「理にかなっていない」し、「危険」というお話をさせてもらいました








今回はその延長としての「歩行」関連のお話です。

「方向転換」の時もそうでしたが、「歩行」も基本的には片足ずつ体重を載せて行う動作です(ゆっくり歩くなら、尚更)。

そのためには、右足→左足、左足→右足への体重移動がなされないといけないのですが、

両足立ちから片足立ちになると、体を支える面積が更に減って不安定になるため、更に筋緊張が高まりやすい状況になります。








せっかく相手の麻痺側足首が曲がらないようにケアしながら、寝た姿勢→起こして腰かけた姿勢→立った姿勢までもってきたので、

立って動く(歩く)という動作までうまくつなげたいですね。

早く歩かせたい(歩行を始めたい)という気持ちはここでも抑えてもらって、「急がば回れ」の一環として、

歩き始める前に(両足立ちの状態で)、ある「仕込み」を入れておきましょう。








それは、両足立ちの状態における「左右の(足への)体重移動」運動です。

左右の体重移動は骨盤の水平移動であることは、これまでも何度かお伝えして来ました。

相手の体を支える介助をしながら「はい、左右の足に交互に体重移動してみましょう」と伝えて、

麻痺側の足首が曲がらず、骨盤の水平移動で左右の体重移動ができているか確認して下さい

(麻痺側への体重移動時は介助量が当然増します。膝折れ等をケアしながら行って下さい)。









足の裏を床につけた状態での両足立ちで「左右の体重移動」が行えたら、

今度は片足を交互に軽く浮かしながら同じように左右の体重移動をその場で行います。

麻痺側下肢に体重移動ができて軸足として機能し、

非麻痺側の足を浮かせて前へ運べれば、「歩行」になるというイメージです。








今回はテーマが「(麻痺側)足首の曲がり」に関連しての「歩行」だったので、

片麻痺歩行の「その他の要素」は割愛しながら書かせて頂きました

体重を麻痺側下肢で支えるためには、足首の曲がりがない(足の裏が床にフィットする)ことが大事にはなりますが、

もちろんそれだけでは不足なので、その辺りは他のリハビリや装具、介助などと組み合わせて行うことになります。








今回の歩き出す前の「仕込み」は、別な見方もできます。

過緊張タイプの片麻痺の人が急激に筋緊張を高めしてしまわない(その結果、麻痺側足首が曲がった状態にならない)ための準備としてご紹介しましたが、

その逆のタイプ、つまり「筋緊張が不足する人」に対しては、立ったその場で体重移動運動を行うことで、

歩き出す前に必要な筋緊張に近づけておく準備になる、ということです。








脳卒中後遺症等の片麻痺には、麻痺の程度により、過緊張タイプもあれば、その逆で緊張が不足するタイプもあります。

一人の体の中で、それらが混在している場合もあります。

次号からは「緊張が足りない人(部位)」へのアプローチのお話に進む予定です。

体を支える仕事をすべき筋肉の緊張が不足すると、当然「支えられない」ことになりますね。








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■編集後記
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G7サミットが広島で行われています。

ニュースを観ているだけでも、様々な角度からの情報がありますが

広島が地方経済もろとも活気づいている(エネルギーに溢れている)様子が伺えて、

(準備など大変だったでしょうけど)良かったなあ、という印象です。







「エネルギー」という言葉は、決して電力や体力だけを指すものではありません。

人々の「意識」や「情熱」なども「エネルギー」と言えます。

世界中から多くのエネルギーが広島に集まり、それがまた世界に拡散して行くのは、

コロナ禍でエネルギーの動きを遮断・分断されがちだった時期とは真逆で、ダイナミックさを感じられて良いものです。

拡散されるエネルギーの中には、「平和(祈願)のエネルギー」も含まれるので、

世界中でそれをキャッチした人が、何らかの化学反応を起こしてくれることを期待します。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172