第208号:レナト式リハビリのフロー112:片麻痺への対応23 ~伸ばそうとして縮こまらせる「逆効果」18~

 

 

 

<第208号(2023.4.15)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第208号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー112

  「片麻痺への対応23 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』18~」



■編集後記:「気づく」と、色々と回避できます




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■レナト式リハビリのフロー112

  「片麻痺への対応23 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』18~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








最近は、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺自体は脳卒中後遺症ですが、それを通して一般の高齢者のリハビリにフィードバックできる要素が沢山あるので、

片麻痺への対応と併せて、色々とご紹介しています。

上記URL内に書き切れなかった関連情報なども、このメルマガでご紹介して行く予定です。








今回も、ご家族がやれることの復習からスタートです。

麻痺自体のリハビリ治療は、専門職の出番です。ご家族ができ得るものとしては、ざっくり以下のようになります↓

1)本来の「安定の柱」をつくり、リラックスすべき所をリラックスさせてあげる(ほぐすなら、その上でほぐす)。

2)逆効果(過緊張の悪化や、それによる体のゆがみ・痛みの増大、動作能力の低下など)になることを、ご本人にしない(させない)。








最近は、片麻痺で曲がってしまう手指や肘などに対して、よくあるケースへの対応に関してご紹介しています。

「伸ばして(ほぐして)あげたいのに、逆に縮こまらせてしまう(逆効果な結果になる)」ことが多いことはお伝えしました。

仕組みと手順を覚えれば、どなたでも出来ますし、「再現性」があるので何度でも行えますよ。

最近ではその具体的な対処方法のお話に入っており、手順Eに関するものに入っていました。








以下も復習です。伸ばしたい部位は色々あるでしょうけども、共通する手順は以下のようになります↓

A)セッティング(相手の体を安定させる)

B)軽く揺する(緊張を下げる)

C)筋膜の「ゆとり」を、伸ばしたい部位に寄せて来る

D)指や肘、脚など、伸ばしたい部位を伸ばす

E)伸ばした部位が戻りにくいよう保持する








前号では、麻痺側の握ってしまう「手指」を実際に伸ばした後に、

再び握ってしまわないように保持する方法のお話をしました。

関連する動画としてご紹介した以下の動画は、今回が麻痺側足首の話であるため、今回も大いに関係します↓


【伸ばした手指などを、硬いもので保持しない方が良い仕組み】

https://www.youtube.com/watch?v=atL-wze-oaY&list=PL87Hh0oDQOdclnaYJOjpn-gSEZiZqfh5P&index=4








動画の中でも伝えていますが、片麻痺過緊張タイプの場合、「より強い側の筋肉」が前面に出やすいので、足首の場合は内側に曲がってしまいます。

その「より強い側の筋肉」の刺激して緊張を高めてしまうと(足首なら、硬いものを両足の間に挟んだりすると)、

上記A~Dでせっかく緊張を下げて足首を伸ばしたのに、

「より強い側の筋肉」が再び緊張を高めて、足首が再び内側に曲がってしまいますね。








ここまでは前号の手指を握ってしまう場合と本質的に同じ話ですが

ここからは、不良姿勢と関連させて少し掘り下げてみます。

取り上げる不良姿勢は、いわゆる「ずっこけ座り(仙骨座り)」で、カンタンに言えば、

片麻痺過緊張タイプのご本人にこの姿勢を取らせていると、曲がった関節をなおさら戻しにくくなる、というお話です。










このメルマガでも最近、(勝手に閉じてしまう)麻痺側下肢を開きたい場合に、

第200号では上半身側からのアプローチとして、「横隔膜」付近(の筋膜)を緩める話をし、

第202号では下半身からのアプローチとして、「下腿の内側」から(筋膜を)緩める話をしました。

ちなみに、下腿内側の筋肉は、その足首を内側に曲げる主な筋肉が存在する位置です。

そして、この関連性のある部位をつないだ「筋膜のライン」は、頭側に延長して見て行くと、実は首の前側にも達しています。








関連性がある部位というのは、姿勢や動作を取る際に、一緒に収縮・弛緩した方が理にかなっている部位とも言えます。

なので、前述の筋膜のライン(首の前面、横隔膜、太腿の内側、下腿の内側など)をキュッと一緒に縮こまらせてやると、

相手の姿勢はどう変化しそうですか? それと「ずっこけ座り」はどう関連しそうですか?

次号は、その辺のお話を余談的にする予定です。過緊張タイプの片麻痺の体を「全身的なつながり」から観てみましょう。







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■編集後記
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ちょうど次号の本編は、片麻痺者や高齢者などの不良姿勢をみて「気づくこと」のお話とも言えますが、

何事も「気づく」からこそ、早目に対処もでき、大事に至らない可能性が高まりますね。

最近の社会情勢を観ていても、「新型コロナの感染者数がまた増えて来た」とか「日本の軍備増強のペースが上がっている」とか、

「あれ?、以前と違うぞ」と気づく事柄がいくつかあります。







ロシアがウクライナに侵攻した時も、事前にロシアの不穏な動きはニュースで報じられていましたが、サッと対応できた人の方が少なかった印象です。

理由はそれぞれでしょうが、「どうせ、大丈夫だろう」という正常性バイアスが人間には働きやすいので、

せっかく異変に気づいても行動に反映しない人が多く、そういう人は比較的、被害に会いやすいと言えそうです。

日本はこれまでも自然災害の危険が常にあり、有事慣れ(?)してしまっている人も多いかも知れませんが、

「あれ?、なんかおかしいぞ」と気づいた人は、それなりに対応を積み重ねて行くと良いでしょうね。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172