第201号:レナト式リハビリのフロー105:片麻痺への対応16 ~伸ばそうとして縮こまらせる「逆効果」11~

 

 

 

<第201号(2023.2.26)>

 

 

 


 

☆★☆──────────────────────────────────────

家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

───────────────────────────────────────── 


発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第201号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー105

  「片麻痺への対応16 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』11~」



■編集後記:自分を補完する欲求をあきらめない




_______________________

■レナト式リハビリのフロー105

  「片麻痺への対応16 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』11~」


_______________________



今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








最近は、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺自体は脳卒中後遺症ですが、それを通して一般の高齢者のリハビリにフィードバックできる要素が沢山あるので、

片麻痺への対応と併せて、色々とご紹介しています。

上記URL内に書き切れなかった関連情報なども、このメルマガでご紹介して行く予定です。








今回も、ご家族がやれることの復習からスタートです。

麻痺自体のリハビリ治療は、専門職の出番です。ご家族ができ得るものとしては、ざっくり以下のようになります↓

1)本来の「安定の柱」をつくり、リラックスすべき所をリラックスさせてあげる(ほぐすなら、その上でほぐす)。

2)逆効果(過緊張の悪化や、それによる体のゆがみ・痛みの増大、動作能力の低下など)になることを、ご本人にしない(させない)。








最近は、片麻痺で曲がってしまう手指や肘などに対して、よくあるケースへの対応に関してご紹介しています。

「伸ばして(ほぐして)あげたいのに、逆に縮こまらせてしまう(逆効果な結果になる)」ことが多いことはお伝えしました。

仕組みと手順を覚えれば、どなたでも出来ますし、「再現性」があるので何度でも行えますよ。

最近ではその具体的な対処方法のお話に入っており、下記の手順Cに関するものを進めているところです。








以下も復習です。伸ばしたい部位は色々あるでしょうけども、共通する手順は以下のようになります↓

A)セッティング(相手の体を安定させる)

B)軽く揺する(緊張を下げる)

C)筋膜の「ゆとり」を、伸ばしたい部位に寄せて来る

D)指や肘、脚など、伸ばしたい部位を伸ばす

E)伸ばした部位が戻りにくいよう保持する








前々号から上記Cを具体的な体の部位に対して行う方法のお話に入っています。

前々号では上半身でよく見られる「(麻痺側の)曲がったままの肘」に対して、筋膜の「ゆとり」を寄せて来る方法で、

前号からは下半身でよく問題になる「(麻痺側の)開かない脚」に対して、同じく筋膜の「ゆとり」を寄せる方法に進んでいます。

介助をするご家族が「オムツ交換」などの際に本当に困るやつですね。









概念としては、縮こまっている部位に筋膜の「ゆとり」を周辺から寄せてくるイメージです。

麻痺側の脚が閉じてしまう(開かない)場合は、麻痺側の太腿内側が縮こまっている部位なので、

そこに向けて筋膜の「ゆとり」を上半身からも下半身からも寄せて合流させます。

前号では、上半身で優先的に緩める部位として横隔膜(付近)についてご紹介しました。









今回はその余談として、横隔膜付近の筋膜が硬くて緩めにくい場合、その周辺を緩めてみると良いというお話です。

比較的安全・カンタンにやりやすいのは、「肋骨(あばら骨)の間」です。肋骨の形状はネットで検索すれば、すぐ分かりますよ。

前回の横隔膜付近では、触れる肋骨の中でも一番下(脚側)の部位を取り上げましたが、触れる肋骨は(それよりも頭側に)何本か並んでいますね。

肋骨を触れるということは、肋骨と肋骨との間(隙間、溝)も触れるということですから、そこを触って緩めて行きます。









緩め方はシンプルで、(正面より外側の)肋骨と肋骨との間に指をあて、数秒待つとじわーっと緩んで来ます。これだけです。

その際、指先で触ると圧力が高まり緊張させてしまうので、指の腹側(手のひら側)を肋骨間の隙間にピタッとあてるイメージです(人差し指から小指までを、肋骨間の各溝に同時にあてれば効率が良いですね)。

もしご自分の体や相手の体でビフォー・アフターを比較したかったら、施す前の肋骨の動き(呼吸時の肋骨の膨らみ方)と、施した後の肋骨の動きとを比較してみるといいでしょう。

うまく緩められていると、アフターの方が肋骨の可動性が高く(肋骨が拡がりをジャマしていた筋膜の硬さがほぐれ)、呼吸時により空気を取り込みやすくなっています。

その上で、硬かった横隔膜付近を前号の方法で緩めてみると、上(上半身)からの筋膜の「ゆとり」を生み出しやすくなります。










次号では、下(下半身)から、縮こまっている麻痺側太腿内側へ向けて筋膜の「ゆとり」を寄せる話へ進みましょう。

上半身と同じで、太腿内側とよりつながり(関連)がある部位を緩めてあげた方が効率が良いので、

脚のどの部位をどう緩めると効率が良いかをご紹介して行く予定です。

緩める作業は各部位で数秒~数十秒と短いので、慣れればササっと周辺を緩めて、麻痺側の脚を開く準備が整いますよ。





_________________
■編集後記
_________________


暖かい日が出始めました。

花粉症の私にとってはツラいこともある反面、苦手な寒さが和らいで嬉しいです。

昨今の電気代などの高騰からしても、暖房を使わなくて済む状態になるのも助かります。

高齢者など不動気味な人は、筋膜の縮こまりも緩和されやすくなり、痛みや動きづらさも軽減されやすいですね。







春を待ちわびる人々がいる一方で、

入国緩和した日本に、東南アジアなど冬がない国から雪を楽しみに来ている人達もニュースで見かけます。

私から見れば常夏の方がうらやましいですが、常夏の国では常夏の国ならではの大変さもあるでしょう。

「ないものねだり」という表現もできそうですが、人間は「自分を補完する要素」を得たい生き物なのかも知れません。






それは日常的には栄養素だったり、人生の中では経験だったりするのでしょう。

今あなたは、何かやりたいことがありますか?

やりたいことがあるのに、自分の動作能力に制限されたり、介護に時間や労力を取られて実現していないのであれば、

レナト式リハビリがお役に立てるかも知れません。自分を補完する欲求(自己実現の欲求)をあきらめないで下さいね。












最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172