第200号:レナト式リハビリのフロー104:片麻痺への対応15 ~伸ばそうとして縮こまらせる「逆効果」10~

 

 

 

<第200号(2023.2.18)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第200号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー104

  「片麻痺への対応15 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』10~」



■編集後記:「意識」は有効なツールにもなれば、足かせにもなり得ます





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■レナト式リハビリのフロー104

  「片麻痺への対応15 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』10~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








最近は、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺自体は脳卒中後遺症ですが、それを通して一般の高齢者のリハビリにフィードバックできる要素が沢山あるので、

片麻痺への対応と併せて、色々とご紹介しています。

上記URL内に書き切れなかった関連情報なども、このメルマガでご紹介して行く予定です。








今回も、ご家族がやれることの復習からスタートです。

麻痺自体のリハビリ治療は、専門職の出番です。ご家族ができ得るものとしては、ざっくり以下のようになります↓

1)本来の「安定の柱」をつくり、リラックスすべき所をリラックスさせてあげる(ほぐすなら、その上でほぐす)。

2)逆効果(過緊張の悪化や、それによる体のゆがみ・痛みの増大、動作能力の低下など)になることを、ご本人にしない(させない)。








最近は、片麻痺で曲がってしまう手指や肘などに対して、よくあるケースへの対応に関してご紹介しています。

「伸ばして(ほぐして)あげたいのに、逆に縮こまらせてしまう(逆効果な結果になる)」ことが多いことはお伝えしました。

仕組みと手順を覚えれば、どなたでも出来ますし、「再現性」があるので何度でも行えますよ。

最近ではその具体的な対処方法のお話に入っており、下記の手順Cに関するものを進めているところです。








以下も復習です。伸ばしたい部位は色々あるでしょうけども、共通する手順は以下のようになります↓

A)セッティング(相手の体を安定させる)

B)軽く揺する(緊張を下げる)

C)筋膜の「ゆとり」を、伸ばしたい部位に寄せて来る

D)指や肘、脚など、伸ばしたい部位を伸ばす

E)伸ばした部位が戻りにくいよう保持する








前号から上記Cを具体的な体の部位に対して行う方法のお話に入っています。

前号では上半身でよく見られる「(麻痺側の)曲がったままの肘」に対して、筋膜の「ゆとり」を寄せて来る方法でした。

今回は下半身でよく問題になる「(麻痺側の)開かない脚」に対して、同じく筋膜の「ゆとり」を寄せる方法です。

介助をするご家族が「オムツ交換」などの際に本当に困るやつですね。









概念としては「肘」の時と同じで、「筋膜(筋肉)が縮こまっている部位」に筋膜の「ゆとり」を寄せて来るイメージです。

肘の場合は力コブ付近でしたが、開かない(閉じてしまう)脚の場合は、(麻痺側の)太腿の内側付近に「ゆとり」を寄せて来ます。

肘の場合に比べて、太腿の内側の場合は上(上半身)からも下(麻痺側の足)からも筋膜の「ゆとり」を寄せやすいので、

目的地(太腿の内側)へ向けて、上下から「ゆとり」を寄せて、目的地で合流させるイメージです。









上下どちらからでも良いのですが、触り比べて、より「ゆとり」がある方から寄せた方がやりやすいでしょう。

ここでは仮に、上(上半身)から寄せ始めるとします。やや専門的かも知れませんが、慣れればシンプルな作業です。

筋膜は「全身タイツ」のようなイメージで良いのですが、より関連が深い部位同士をつないで「線」のように表現されることもあります。

太腿の内側と関連が深い上半身の部位のうち、比較的触りやすい(ゆるめて寄せやすい)のは「横隔膜(付近)」です。

横隔膜とは主に呼吸の際に登場するドーム状の筋肉ですね(形状をイメージしたい人はネットなどで調べてみて下さい)。










方法としては、まずは横隔膜(付近)を触ってみます。

ご自分の体で試す場合は、触れる肋骨のうち、もっとも下(脚側)にある肋骨を、まずは触ってみて下さい。

その肋骨の(断面の)円柱状のカーブに沿って、脚側から肋骨の内側に「優しく」指を滑り込ませようとしてみて下さい。

指が比較的スルっと入る人は筋膜が柔軟ですが、硬くて(抵抗感が強くて)指が入らないという人は筋膜が硬いです(ムリしないで下さい)。








この付近を緩める方法としては、指がムリなく入るところまで入れたら、入れた先で数秒間保持するだけです。

開始前に左右で硬さを比べておいて、より硬い片方だけに施せば、効果(変化)も分かりやすいでしょう。

注意点としては、決して強く指を入れた状態でやらない、ということです。

指先は、ただでさえ体と触れる面積が狭くて圧力が高まりやすいので不快感を引き起こしやすく、ゆるめるどころか緊張させてしまいかねません。

肋骨付近を触り慣れてくれば、指先でなく例えば、親指の根元から手首までの(外側の)カーブの部分を肋骨の下縁にあて、圧力をあまり高めずに触ったりすることもでき得ます。








もちろん、この横隔膜付近の筋膜が硬い人は、その付近の筋膜も上下左右など(周辺の硬い部位に)に引っ張られている可能性が高いため、

その周辺も、前号でもお伝えした方法でゆるめてあげた方が、結局はスムーズです(急がば回れ、ですね)。

次号では余談的に、横隔膜付近の周辺である「肋骨間」の筋膜をカンタンに緩める方法ご紹介します。

ちなみに、今回ご自分の横隔膜付近が硬いと感じた人(指が肋骨下縁に入り込まなかった人)は、(筋膜が緩んだ)お風呂上りなどに行うと指がスルっと入るかも知れませんので、比べてみて下さい。






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■編集後記
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このメルマガも、おかげさまで200号まで来ました。

私自身、あまり区切りを気にしない方なので、今回のタイトルを見るまで知りませんでした(笑)。

日常生活で何かの区切りを「意識」する人も少なくないと思います

「休日まであと何日だから頑張ろう」とか、前向きなエネルギーに変えるのは良いのですが、逆は考え物です。







分かりやすい例が、昨年末に行われた男子サッカーのW杯でした。

大会前から、日本代表に関しては「ベスト8の壁を越えよう」とスローガンが掲げられていました。

でも、「壁」があるなんて、誰が決めたんでしょうか?

「壁」「壁」「壁」としつこく言われたら、まったく気にしていなかった選手の「意識」にも影響があるかも知れません(敗退につながったPK戦にも影響したかも)。








単に過去の選手達ではベスト8に進出できていないだけで、現在の選手達には全く関係ない話なのです。

ひと昔前は日本代表はアジア予選を勝ち抜けなかったので、「アジアの壁」などとも言われていましたが、

それを全く気にしない若い世代が中心になって、1998年にW杯初出場を果たしました。

「壁」なんて元々ありません。「壁があるという意識」を持ってしまうのは、自分でわざわざ「足かせ」をつけるようなものです。








ご家族へのリハビリでも同じようなことが言えます。

実際はご家族が行える類のことが沢山あるし、方法も慣れればカンタンなものがあるのに、

最初から「無理」とか「専門職がやるものだ」という「意識」では、ご自分やご家庭の可能性やポテンシャルを制限してしまい、勿体ないことになります。

「壁」なんてありません。やれることはやれるものです。一つ一つやって行きましょう。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172