第199号:レナト式リハビリのフロー103:片麻痺への対応14 ~伸ばそうとして縮こまらせる「逆効果」9~

 

 

 

<第199号(2023.2.11)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第199号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー103

  「片麻痺への対応14 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』9~」



■編集後記:できるだけ体を冷やさないように過ごして下さい






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■レナト式リハビリのフロー103

  「片麻痺への対応14 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』9~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








最近は、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連のお話を進めています。

片麻痺自体は脳卒中後遺症ですが、それを通して一般の高齢者のリハビリにフィードバックできる要素が沢山あるので、

片麻痺への対応と併せて、色々とご紹介しています。

上記URL内に書き切れなかった関連情報なども、このメルマガでご紹介して行く予定です。








今回も、ご家族がやれることの復習からスタートです。

麻痺自体のリハビリ治療は、専門職の出番です。ご家族ができ得るものとしては、ざっくり以下のようになります↓

1)本来の「安定の柱」をつくり、リラックスすべき所をリラックスさせてあげる(ほぐすなら、その上でほぐす)。

2)逆効果(過緊張の悪化や、それによる体のゆがみ・痛みの増大、動作能力の低下など)になることを、ご本人にしない(させない)。








最近は、片麻痺で曲がってしまう手指や肘などに対して、よくあるケースへの対応に関してご紹介しています。

「伸ばして(ほぐして)あげたいのに、逆に縮こまらせてしまう(逆効果な結果になる)」ことが多いことはお伝えしました。

仕組みと手順を覚えれば、どなたでも出来ますし、「再現性」があるので何度でも行えますよ。

最近ではその具体的な対処方法のお話に入っており、下記の手順Cに関するものを進めているところです。








以下も復習です。伸ばしたい部位は色々あるでしょうけども、共通する手順は以下のようになります↓

A)セッティング(相手の体を安定させる)

B)軽く揺する(緊張を下げる)

C)筋膜の「ゆとり」を、伸ばしたい部位に寄せて来る

D)指や肘、脚など、伸ばしたい部位を伸ばす

E)伸ばした部位が戻りにくいよう保持する








前号では上記Cに関する疑似体験の方法をご紹介しましたが、今回からは具体的な体の部位に対して行います。

まずは、「麻痺側の肘が曲がったまま」の状態に対して、筋膜の「ゆとり」を寄せて肘を伸ばしやすい状態に整えましょう。


【関連動画:片麻痺で肘が曲がってしまう仕組みのカンタンな説明

https://www.youtube.com/watch?v=atL-wze-oaY&list=PL87Hh0oDQOdclnaYJOjpn-gSEZiZqfh5P&index=4


↑この動画の中でもご紹介している通り、曲がった肘の場合は縮こまっているのは「力こぶ」付近の筋膜(筋肉)です。








一般的な人でも(デスクワークなどで)同じ姿勢を取り続ければ、手足を伸ばす際に「抵抗感」を感じるでしょう。

それが長時間・長期間続けば、抵抗感はもっと強いものになりますし、片麻痺の過緊張状態では尚更です。

力こぶ付近の筋膜はスムーズに戻りにくく(伸びにくく)なっているため、ムリに肘を伸ばそうとすると痛がることはイメージしやすいですね。

なので、この力こぶ付近に、筋膜の「ゆとり」を寄せて来て、肘を伸ばす準備をするわけです。









上記Aより、相手がよりリラックスできる姿勢として仰向け(天井向き)に寝た姿勢で行うとして、

相手の体と敷布団やマットレスとの間の隙間をタオルなどで埋めてあげたとします。

上記Bより、相手の体を軽く揺すり、「広い面積で体が支えられているから、緊張を下げても大丈夫だよ」と振動刺激を通して伝えてあげて、

上記Cより、体の他の部位で、筋膜の「ゆとり」が比較的ある所から、麻痺側の力こぶ付近に筋膜を寄せて来ます。








筋膜の寄せ方は、以前にお伝えした方法を思い出してみて下さい。

確か、疑似体験としてご自分の胸に手をあててもらい、数秒待って手が胸に馴染んで来たら、

上下・左右・斜めと、寄せられる幅が大きい(体が許してくれる割合が高い)方向を探して、皮膚や筋肉と一緒に筋膜を寄せる、というものでしたね。

その際、寄せた先で手を止めて、そのまま「そこで振動刺激」を加えてあげると、筋膜の柔軟性も戻しやすくなります(縮こまっていた状態がほぐれやすくなります。全身的にほぐすなら、そういう作業を繰り返して行きます)。







片麻痺で過緊張タイプの人は全身がガチガチに硬くなるケースが少なくないですが、

上記の方法で比較的「ゆとり」がある部位を探して、そこを「きっかけ(起点)」にして、

筋膜の「ゆとり」を伸ばしたい部位まで伝えてくる(波及させてくる)ことは可能です。

筋膜は全身タイツのようなイメージなので、生地のゆとりを寄せてくるような感じですね。







ここまで来れば、上記Dの「実際に(肘を)伸ばす作業」に入れるのですが、Cの具体例としてもう少し、他の部位も次号からご紹介します。

手指に関しては、今回の力こぶ付近から更に手先の方へ「ゆとり」を寄せて来てくれればいいのでもう割愛しますが、次号では「下肢」におけるCの例をご紹介する予定です。

中でも優先的に取り上げたいのは、麻痺側の脚が外側に開かないケースです。

オムツ交換の際に困っているご家族が少なくないので、この場合の「ゆとり」の寄せ方を(やや専門的ですが)ご紹介する予定です。






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■編集後記
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東京でも雪が降り、少しつもりました。

気温の急激な低下のせいで、最近メルマガでお伝えしている「筋膜のゆとり」が乏しくなった人(体の動きがぎこちなくなったり、痛みが出た人)も少なくないでしょう。

一般の人の場合は、一時的に筋膜が縮こまっても、それを戻す機会に溢れています。

体を温めたり、全身で伸びをしたり、必要に応じて対応しやすいですね。








困るのは、あまり動けない高齢者や、片麻痺の過緊張タイプの人などです。

高齢者の中には暖房費を節約するために、けっこう寒い環境で過ごしている人もいますし、

あまり動かない(不動)状態は、筋膜が伸び縮する機会が乏しいということなので、さらに伸縮性が低下しやすいですね。

しかも不動で痩せると(筋肉量が減ると)体は熱を生み出しにくくなるので、尚更という感じです。








冷えれば縮こまりますし、温まれば緩むのは、誰しも経験上イメージしやすいでしょうから、

不動気味な人は、できるだけ体を冷やさないように工夫して過ごして欲しいと願います。

現在は電気代の高騰などがニュースになるご時世なので、

昔ながらの知恵なども活用できれば良いのかも知れませんね・・。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172