第194号:レナト式リハビリのフロー98:片麻痺への対応9 ~伸ばそうとして縮こまらせる「逆効果」4~

 

 

 

<第194号(2023.1.7)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第194号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー98

  「片麻痺への対応9 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』4~」



■編集後記:年の初めに想うのは、「意識」について






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■レナト式リハビリのフロー98

  「片麻痺への対応9 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』4~」
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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








最近は、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連に入っています。

片麻痺自体は脳卒中後遺症ですが、それを通して一般の高齢者のリハビリにフィードバックできる要素が沢山あるので、

片麻痺への対応と併せて、色々とご紹介して行きます。

上記URL内に書き切れなかった関連情報なども、このメルマガでご紹介して行く予定です。








今回も、ご家族がやれることの復習からスタートです。

麻痺自体のリハビリ治療は、専門職の出番です。ご家族ができ得るものとしては、ざっくり以下のようになります↓

1)本来の「安定の柱」をつくり、リラックスすべき所をリラックスさせてあげる(ほぐすなら、その上でほぐす)。

2)逆効果(過緊張の悪化や、それによる体のゆがみ・痛みの増大、動作能力の低下など)になることを、ご本人にしない(させない)。








最近は、片麻痺で曲がってしまう手指や肘などに対して、よくあるケースへの対応に関してご紹介しています。

「伸ばして(ほぐして)あげたいのに、逆に縮こまらせてしまう(逆効果な結果になる)」ことが多いことはお伝えしました。

仕組みと手順を覚えれば、どなたでも出来ますし、「再現性」があるので何度でも行えますよ。

前回からはその具体的な対処方法のお話に入っており、今回は下記の手順Bを少し掘り下げたお話になります。








以下も復習ですが、伸ばしたい部位は色々あるでしょうけども、共通する手順は以下のようになります↓

A)セッティング(相手の体を安定させる)

B)軽く揺する(緊張を下げる)

C)筋膜の「ゆとり」を、伸ばしたい部位に寄せて来る

D)指や肘、脚など、伸ばしたい部位を伸ばす

E)伸ばした部位が戻りにくいよう保持する








前号では、相手の体を軽く揺すってあげると、早く体の緊張(筋緊張)を下げることが出来るので、

片麻痺で曲がっている手指や肘などを伸ばしやすくなりますよ、というお話をさせてもらいました。

この際、どうせなら効率よく相手の体を揺すってあげたいので、コツをいくつかご紹介します。

片麻痺だとなおさら意識した方が良い要素もあるので、要領よくやってみましょう。








まずは揺する「強さ」です。「心地よい程度」であるからこそ、体は緩んで来ます。

あなた自身、もし他者から激しく揺すられるたら、体が余計に緊張してしまうことが想像できるでしょう。

あくまで、揺する強さは「軽く」です。

付け加えると、「軽く」の中でも、最初は「更に軽め」から始めると、ムリが無いため相手の体を痛めにくくて良いですね。








次に「揺する部位」です。仮に相手の体が段ボール箱のように四角い形だとすると、揺すれませんね。

しかし、人体の形状は適度にカーブがあります。このカーブを利用して(ゆりかごやロッキングチェアのように)揺するイメージです

体幹は断面が「楕円形」の形をしているので、仰向け(天井向き)の場合は骨盤や胸などに手を置くと、カーブに沿った揺すり方がしやすいですよ。

骨盤の場合は正面左右の骨の出っ張り部分に手を置き、胸の場合は胸の中央や肋骨などに手を置くと、揺する力を加えやすいです。







ちなみに、仰向けの相手に対し、麻痺側の曲がった手指を伸ばしたい場合は、

順番としては、体幹を揺すった後に麻痺側の腕を(丸太を転がすように)軽く揺すると良いですね。

より太い体幹が先に緩むと、より細い四肢も緩みやすくなります。

体幹がリラックスしているのに、四肢だけ緊張する方が人体としては難しいですからね。








次に「緩んで来た兆候(シグナル)」のお話です。

体が緩んでいない(緊張が高い)状態というのは、体が一塊(ひとかたまり)の状態に近いです。

逆に、緩んだ状態というのは、体幹や手足などがカクカクッとそれぞれの動きをしやすい状態ですね。

仰向けの相手を例にすると、緊張が高い時は揺すっても全身が一塊のような動きをしますが、

緩んで来ると胸と骨盤が別個に動いたりして「体の各節」ごとに動きます。

電車に例えると、連結こそあれ、各節(一つ一つの車両)が別個に滑らかに動けるようなイメージです(一塊でなく)。








情報量が多くなっているので、今回はここまでにします。

次号では、相手の体を揺する際に、「ある部位」に向かって軽く圧力をかける意識で行うと、

片麻痺の過緊張状態は「効率よく」緩みやすくなる、というお話をさせてもらう予定です。

片麻痺でない一般の高齢者などでも同じことなので、よりスムーズに相手の体の緊張を下げ、伸ばしてあげやすくなりますよ。






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■編集後記
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年が明けました。

私自身、歳を取るほど「意識」の大事さを実感するようになっています。

「意識が変わると、行動が変わる」というのは正にそれですし、

「行動が変わると、自分に起こる現実も変わって来る」というのも、実体験として分かるようになりました。







日本人はもともと、しきたりや言葉で「意識」を誘導することに長けている民族です。

例えば、神社などの朱色を見ると、自分のエネルギー(波動)が高まりそうな色です。

そこに誰かから「魔除け」に使われる色であることを知らされると、その気(意識)になったりします。

正月の「おせち料理」の各食材にも、ダジャレとも言える意味付けをして、良い方向を目指せるよう「意識」づけをします。







昨年のコロナ禍での各騒動や、欧州での戦争なども、言ってみれば色んな「意識」の産物です。

一人一人が「分離の意識」だと奪い合いや争いになりますが、「統合の意識」だと互助・平和が生まれます。

この物質世界で「分離の意識」を楽しむのもアリですが、いつまでもその意識では、同じことの繰り返しでしょう。

周囲から植え付けられた「分離の意識」を手放し、あなたが「統合の意識」へ向かってくれたら、私は嬉しいです(^O^)/











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172