第191号:レナト式リハビリのフロー95:片麻痺への対応6 ~伸ばそうとして縮こまらせる「逆効果」1~

 

 

 

<第191号(2022.12.17)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第191号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー95

  「片麻痺への対応6 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』1~」



■編集後記:国家も人体も、「分離」した意識ではうまく行きづらいです





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■レナト式リハビリのフロー95

  「片麻痺への対応6 ~伸ばそうとして縮こまらせる『逆効果』1~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








最近は、レナト式リハビリのフローの中でも、「片麻痺」関連に入っています。

片麻痺自体は脳卒中後遺症ですが、それを通して一般の高齢者のリハビリにフィードバックできる要素が沢山あるので、

片麻痺への対応と併せて、色々とご紹介して行きます。

上記URL内に書き切れなかった関連情報なども、このメルマガでご紹介して行く予定です。








今回も、ご家族がやれることの復習からスタートです。

麻痺自体のリハビリ治療は、専門職の出番です。ご家族ができ得るものとしては、ざっくり以下のようになります↓

1)本来の「安定の柱」をつくり、リラックスすべき所をリラックスさせてあげる(ほぐすなら、その上でほぐす)。

2)逆効果(過緊張の悪化や、それによる体のゆがみ・痛みの増大、動作能力の低下など)になることを、ご本人にしない(させない)。








本来、上記の1と2は密接な関係があり、今回からはちょうど、取り上げる例がそのようなものになって行きます。

片麻痺だけでなく、一般の人にもあてはまること(人間に共通した要素)なので、誰にでも心当たりがあるような要素です。

まずは、「防御的に体を縮こまらせる反応」のお話をしましょう。

ちょうど最近は季節的にも気温が下がり、体温(熱)を逃がしたくない体は、縮こまって体(健康)を守ろうとしますね。








人間の体には、他にも色んな「防御的な縮こまり反応」が備わっています。

例えば、熱いヤカンを触ってしまったら手を引っ込めますし、何かにぶつかりそうになったら体全体を丸めます。

これらは「四肢を縮こまらせて体を守る反応」ですが、筋肉(筋膜)自体にもそういう反応があります。

例えば、筋肉(筋膜)が無理に引っ張られた際に、それが「断裂しないように縮こまって守る反応」です。








想像してみて下さい。寒くて体が縮こまる環境なのに、他者があなたの手足をグイっと無理にストレッチしようとしています。

あなたの体は「痛み」を発することで、その危険を回避しようとします。

回避するだけでなく、さらに縮こまることで体を守ろうとします(防御的に過剰に収縮します)。

つまり、「伸びる準備ができていない筋肉(筋膜)」を無理に伸ばそうとすると、「逆効果」になるわけです。








片麻痺の過緊張タイプでは、「手指を握ったまま伸ばせない」「肘が伸びない」「脚が伸びない」などのケースがよくありますが、

これらに対してグイグイ伸ばそうとしてしまうと、この反応を引き出してしまうことになります。

相手は痛がりますし、相手の体はかえって縮こまろうとしてしまいます。

あなたはストレッチしてあげよう(伸ばしてあげよう)としているのに、正反対の結果(逆効果)を生み出し、それを強化してしまうわけですね。








これでは介護やリハビリの「拒否」を相手に起こしかねませんし、成果も得られないので、お互いにデメリットしかありません。

そんなことを繰り返していては、介護者であるあなたの心身も疲弊してしまいかねません。

次号からは、「では、具体的にどうすれば防御的な収縮を出さないで、伸ばしやすく出来るのか?」に関してご紹介して行きます。

必ず方法はありますし、専門職でない人でも出来ますので、一つ一つ身につけて行って下さい。






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■編集後記
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最近のニュース番組では「増税ネタ」をよく見かけます。

防衛費の増額をどういう財源からまかなうか、ということのようですが、

コロナ対策や東京五輪での税金の使い方を振り返ってみると、

「もっと賢く税金を使えば、増税しなくても済むのでは?」と感じてしまいます。







多くの人は自分の利益や自分が属する組織の利益を守ろうとして、「全体像」を見失ってしまいがちです。

会社でも自分が属する部署の予算を確保しよう(来年度に減らされないよう、使い切ろう)と躍起になる人が多いですね。

実際は、いま本当に予算が必要な部署や事業に回した方が全体(本体)がうまく行く可能性が高いにもかかわらず、です。






一人の人間の体であれば、手足や体幹を分離してどこかを犠牲にする意識はないはずなのに、

人間同士の組織だと「分離」した意識が強まってしまいがちです。

すべての物事の「本質」は似ています。

国家予算も人体も、「分離」した意識が強いとうまく行かないので、一つのものとして「全体で考える」意識で見て欲しいと願います。





最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172