第187号:レナト式リハビリのフロー91:片麻痺への対応2 ~体がゆがむと非効率→悪循環~

 

 

 

<第187号(2022.11.20)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第187号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー91

  「片麻痺への対応2 ~体がゆがむと非効率→悪循環~」



■編集後記:「効率性」はサッカーでもリハビリでも大事です






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■レナト式リハビリのフロー91

  「片麻痺への対応2 ~体がゆがむと非効率→悪循環~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「脳卒中後遺症(片麻痺)などの悪化を防ぐ」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w186








前回からは、レナト式リハビリのフローの中でも、新しく「片麻痺」関連に入りました。

片麻痺自体は脳卒中後遺症ですが、それを通して一般の高齢者のリハビリにフィードバックできるものが沢山あるので、

片麻痺への対応と併せて、色々とご紹介して行きます。

上記URL内に書き切れなかった関連情報などもご紹介して行く予定です。








まずは、前回お伝えした、ご家族がやれることの復習です。

麻痺自体のリハビリ治療は、専門職の出番です。ご家族ができ得るものとしては、ざっくり以下のようになります↓

1)本来の「安定の柱」をつくり、リラックスすべき所をリラックスさせてあげる(ほぐすなら、その上でほぐす)。

2)逆効果(過緊張の悪化や、それによる体のゆがみ・痛みの増大、動作能力の低下など)になることを、ご本人にしない(させない)。








今回からは1に関するお話のスタートで、「骨で効率よく体を支える話」から始めて行きます。

人間は重力に逆らって動作したり、姿勢を保持したりするので、重い体をできるだけ効率よく支えるようにしています(無意識ですが)。

重い体を筋肉で支えるのと、骨で支えるのとでは、後者の方がラクに決まっています。

それゆえ、人間は安定感を出したい時は、無意識に骨で支える割合を高めて効率的に体を支えています。








脚の骨を例にすると、上体の重さが上からかかるわけですが、

脚はまっすぐ伸びている方が脚の骨が柱の役目をしやすく、上体の重さを支えやすいのはイメージできますね。

一方、スクワットの途中のような、少ししゃがんだ姿勢だと脚の骨は柱のようにまっすぐ効率よく重さを支えられません。

その分、脚の筋肉が肩代わりしてあげないと支えられないため、太腿の筋肉などが疲れますね。








これは背骨でも言えますし、基本的にはどの部位でも同じことです

片麻痺(過緊張タイプ)の人は体がゆがみやすいのですが、

「体がゆがむ=骨で支える割合が下がる=その分、筋肉で支える割合が高まる」と言えるので、

筋肉の使い過ぎで筋肉は余計に硬くなり、体のゆがみが悪化する「悪循環」に陥ることがよくあります。







片麻痺でない一般の高齢者などでも、体がゆがんだまま腰掛けていたり、歩いたりしている人を見かけます。

これでは効率が悪いため活動範囲も狭くなり得ますし、ゆがみから痛みが起こったりしやすいので、

できるだけ前後左右でゆがみが少ない状態へ戻してあげた方が良いわけです。

その方が、本来はリラックスできていたはずの筋肉がリラックスできるため、動きもしなやかになりますしね。







次号では、「よくあるゆがみのパターン」と「そのカンタンな対処方法」をご紹介する予定です。

「こういうゆがみには、レナト式リハビリのこの方法で対応できますよ」という形式でお伝えしようと思っています。

一般の高齢者もそうですが、片麻痺の人は特に、自力でゆがみを戻すのは困難です。

頼れる専門職にお願いできない場合などは、ご家族の方でラクにしてあげて下さいね。







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■編集後記
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いよいよ、サッカー男子のW杯が開幕します。

オリンピックをしのぐとも言われる世界最大のスポーツイベントなので、世界の多くの人が注目しています。

見どころや楽しみ方は色々とあるのですが、

その一つは「お国柄」や「民族性」などでプレースタイルが異なることです。







例えば、規律正しい民族性の国は、サッカーでも組織の規律を大事にしますし(ドイツなど)、

個人の豊かな発想を大事にする国は、サッカーでも個人の能力を発揮できるスタイルです(ブラジルなど)。

日本はと言うと、「うまく手を抜く(メリハリをつける)ことが苦手」な国民性が反映された「走り続けるスタイル」です。

スタイルの違い自体に良い悪いはないのですが、日本のスタイルでは暑さや疲れで足が止まると、力を発揮しづらくなります。








逆に、国が違えど「共通する要素」もあり、「効率性」はその一つです。

効率よく守り、効率よく攻める。逆に、対戦相手には極力ムダなエネルギーを使わせるように仕向ける。

そういうアプローチを続けて行くと、拮抗した試合でも、より疲弊させられたチームが終盤に崩壊し、勝敗がついたりするのも、見所の一つです。

レナト式リハビリで、介助やリハビリの際に効率よく行う方法や仕組みをお伝えし続けているのは、本質的にこれと同じです。

理にかなった一つ一つのプレー(介助やリハビリ)により、在宅生活の継続を実現させて下さいね。












最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172