第171号:レナト式リハビリのフロー75:介助とは4 ~相手のマネをすると、色々と見えてくる~

 

 

 

<第171号(2022.7.30)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第171号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー75

  「介助とは4 ~相手のマネをすると、色々と見えてくる~」



■編集後記:省エネなプレーは、積極的に採用していいんです。




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■レナト式リハビリのフロー75

  「介助とは4 ~相手のマネをすると、色々と見えてくる~」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「そもそも、介助ってよく分からない(もう少し説明が欲しい)」

https://no-pain-yes-gain.com/free/w212








最近は、上記URLの内容に関連して、「介助とは」というテーマで「そもそも論」に入っています。

介助スキルに目が行きがちかも知れませんが、その根底に流れる本質的な部分は、「相手本位を形にしているだけ」ということです。

根底にある本質的なものが木の「幹」だとしたら、介助スキルは「枝葉」です。

先に幹を捉えないと枝葉はうまく行きません。「急がば回れ」ですね。

前回までで「相手のニーズにを確認し、それに過不足なく合わせる意識の大事さ」については、お伝えしました。

概念はお伝えしたので、実際にそうしやすくなる具体的な方法の一つを、今回はご紹介します。








それはズバリ、高齢者など介助する相手の「マネをしてみること」です。

例えば、相手の座っている姿勢がが傾いているなら、あなたもその傾いた姿勢をマネしてみると、色々なものが見えて来ます。

どの部位に負担がかかってつらいかは勿論、そのまま動こうとすると何がジャマするか、などなど。

実際に相手と同じ状況になるのは無理ですが、マネすることで疑似体験はカンタンに出来るので、オススメです。







他にも、相手が車椅子に同じ姿勢で数時間座りっぱなしなら、あなたも(車椅子が空いている時に)TVでも見ながら数時間座ってみると、どれだけ影響があるか実感できます。

お尻や背中のあたりがつらくなって来たり、体が硬くなっているので、いざ動こうとすると動作しづらかったりするのが実感できますよ。

これを介助などに活かさない手はありません。マネしたことであなたは「こうしてくれるとラクになるのに」と色々とアイデアが浮かんだでしょう。

「だったら、相手にはそうしてあげようと」ということになるでしょうし、その手前で「本当にラクになるのか、相手に確かめよう」という意識・行動も発生して来ますね。








不良姿勢の例なら、レナト式リハビリで仕組みや改善の具体的な方法をご紹介しているので実践してもらうのもいいですし↓

【関連動画(再生リスト):姿勢・動作改善のリハビリ】

https://www.youtube.com/playlist?list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92



車椅子に同じ姿勢で座り続けるのを避けるなら、ティルト式の車椅子を介護保険でレンタルしたりして、体圧がかかり具合を時々変えてあげるのもいいでしょう↓

【関連動画:ティルト式車椅子】

https://www.youtube.com/watch?v=GpZoZCg7nj0&list=PL87Hh0oDQOdeDg9_IQdK0yZ6GLeTNxHwT&index=3







また、相手のマネをしてみることは、「介助スキル」の上達にも大いに役立ちます。

例えば、相手の「立ち上がり動作」を介助する場合、まずはあなた自身の体で姿勢や動きを確かめてみます。

一般の人は「上半身がどういう状態で、どういう軌道を描きがながら立ち上がるのか」を確かめてから、

相手の崩れた姿勢などをマネしながら立ち上がってみるとどうなるのか(どう立ち上がりにくいのか)などを比較・体験してみると良いでしょう。

あなたの姿勢や軌道と、相手の姿勢や軌道との「ギャップ」を埋める作業が、「介助」であったり「リハビリ」であったりしますよ↓



【関連動画:立ち上がり:どの動作改善も、シンプルな「2本柱」で進めます】

https://www.youtube.com/watch?v=MPjEn0qtm1k&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=10


【関連動画:肩甲骨を操作して、ラクに立ってもらう方法】

https://www.youtube.com/watch?v=LJ1BZsRvjPM&list=PL87Hh0oDQOdcvOYWW0DkyEWhprXi-jWff&index=5


【関連動画:お尻の位置が揃っていないので、前へ移動する介助方法】

https://www.youtube.com/watch?v=HXSxVDb8614&list=PL87Hh0oDQOdcvOYWW0DkyEWhprXi-jWff&index=9






今回までで、「相手のニーズに関心を持ち→過不足なく合わせる意識を持ち→行動に移すためにマネも体験する」ところまで来ました。

ここまででも、あなたの「介助の次元」はグンと高まったかと想像しますが、次回はさらにクオリティを高める方法をご紹介する予定です。

それは、「相手の動き出しのタイミングに合わせた介助(リハビリ)」です。

全介助レベルでも同じく大事な要素になりますし、「リハビリ効果もある介助方法」ともつながって来ますよ。





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■編集後記
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暑い中いろいろなスポーツが行われているのを見ると、少し心配になります。

学校スポーツは、ひと昔前と違って、「練習中に水を飲むな」というナンセンスな命令はされなくなっているようですが(苦笑)、

それでも体に負担の大きい環境条件下で、体にダメージの大きいことをわざわざやっていることになるので、充分に注意して欲しいです。

暑さによるダメージに関して言えば、温暖化の影響で、過去最高になっていると認識した方が良いでしょう。







例えば、よく走るスポーツである「サッカー」は、どうでしょうか

今年はW杯があるので、各大陸や地域から参加するチームの色んなプレースタイルを比較して楽しむことが出来ます。

伝統的に、暑いアフリカのチームは「省エネスタイル(ここぞ、という時だけ動くカウンター・スタイル)」を採用していますし、

比較的涼しい(寒い)季節にサッカーを行う応酬は「全員が常に動き回る組織的スタイル」を採用しています。







日本はどちらかと言うと、アフリカほど要領よくサボることが出来ないし、欧州ほど効率的な組織プレーも出来ないので、

「走り回って、運動量で何とかカバーするスタイル」がまだ続いています。

しかし、このスタイルの天敵は「暑さ」です。暑さで足が止まってしまうと、全く機能しないスタイルなわけです。

過去のW杯を振り返っても、暑い日の試合では日本らしさは全く発揮できず、惨敗したことが多々あります。







日本人は世界的には「かなりマジメ」な部類に入るので、「要領よくサボる=ポイントをおさえる」ことが苦手です。

学校でも、そういうことを教えないし、要領のよい人を悪く評価する傾向さえあります。

でも、それを「介助(介護)」の分野にまで持ち込むのは絶対にやめましょう。

要領の悪いアプローチをして、高齢者など相手も大変な想いをさせ、介助者であるあなた自身もヘトヘトに疲弊してしまうことは避けましょう。






大事なポイントをおさえて省エネして良いのです。

暑い日の試合は省エネなプレーをすればいいのです。

温暖化でこれまでより暑い日が続いているのに、これまでと同じようなスポーツの運営方法をしている場面を見ると心配になります。

あなたの介助(介護)生活も同じです。「努力の方向性」を意識して行きましょうね。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172