第164号:レナト式リハビリのフロー68:移動(歩行)介助で困っている16

 

 

 

<第164号(2022.6.12)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第164号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー68

  「移動(歩行)介助で困っている16」



■編集後記:交通ルールを守ってくれることを期待しない方が無難かも



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■レナト式リハビリのフロー68

  「移動(歩行)介助で困っている16」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「杖や杖なしでの歩行(の介助で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w214

※今回の内容は上記URLには(まだ)ありません。動画をつくる場合は、今後お知らせします。










最近は、歩行介助全般における留意点のお話で、「屋内」から始めて「屋外」へ出る辺りまで来ました。

屋外は一気に危険が増えるため、介助者である「あなたのマネージメント」が、更に大きな意味を持って来ます。

屋外での移動介助は要素が多岐にわたりますが、ジャンル別に一つ一つ見て行きましょう。

前回は「意識」に関してお伝えしました。今回は「注意力」についてご紹介します。







「注意力」というのは、「事柄に気持ちを集中させる力」のことです。

分かりづらい場合は逆に、「不注意によって、事故が起こった」など「注意力が不足する場合」を考えれば分かりやすいでしょう。

危険が多い屋外で移動介助をする際に、介助者がボーっとしているのは論外ですが(苦笑)、常に気を張っているのも疲れます。

優先的にどこに注意力を向けるか、また、複数の対象に同時に注意力を向けざるを得ない場合は配分をどうするか、などについてお伝えして行きます。







まずは「優先的にどこに注意力を向けるか」に関してです。

高齢者などご本人の状態を常に気にするのは当然として、それ以外では「周囲の危険な要素」に注意力を優先的に向けた方が良いでしょう。

マメに周囲を見渡していれば、例えば、あなた達の方へ向かって来る人や自転車の数、速度、あなた達に気づいているかどうか(歩きスマホで見てないとか)、対向車(人)を避けてやり過ごせるスペースがあるか、などの情報を拾うことが出来ます。

特に日本の歩道は狭い所が多いので、早目に危険に気づいて、落ち着いて対応できるようにして下さい。

視力や聴力が低下している高齢者などを介助する際、あなたがその人の「目であり耳である」ことになります。








次に「複数の対象に同時に注意力を向けざるを得ない場合」です。

例えば、対向車などが迫って来ているのに、介助している相手から話しかけられたりする場合です。

優先するなら危険回避の方ですが、「話しかけて来ている人を全く無視するのも気が引ける」という場合は、「注意力の配分」が必要になります。

つまり、危険に対して何十%かの注意力を向け、残りを相手への対応に使うようなイメージですね。









これは慣れれば難しくはありません。そもそも、誰しも日常生活で「注意力の配分」をしている場面はあります。

例えば、料理をしながらリビングにいる家族と話していたり、車を運転しながら助手席の人と話をしたり、という場面などは分かりやすいでしょうか。

どちらも、料理や運転に100%は集中していません。事故を起こさないよう自動的に注意力を適度に配分していますね。

こういう「注意力の配分」が、次から次に危険がやって来る屋外での移動介助の際は、とても大事になります。

普段から何かに没頭してしまいやすい人(注意力の配分が苦手だと自覚している人)は尚更、介助者になる際は気を付けて下さい。








もしそれが苦手な場合は、コツとしては「最初から注意力を配分する意識でいること」が有効です。

最初から「次から次に何か来るはず」と心の準備をしておけば、

最初にやって来る危険に注意力を100%もって行かれることはなくなります。

それに、常に周囲を見渡して視野を確保していれば、どういう危険がどういう順番にやって来そうかは「予測」しやすくなりますからね。









「意識」と「注意力(の配分)」のお話までしましたが、

次回はその最たる場面である「交差点」のお話を、余談的にする予定です。

交差点は単に人や車などが交差する場所ではありません。

それゆえに事故が起こりやすい場所ですね。







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■編集後記
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街を歩いていると、人が増えています。

季節が良くなって来ているのと、新型コロナの影響が軽減していることが考えられます。

それ自体は良いことなのでしょうけども、高齢者などの移動介助をする立場の人からすると、通行人が増えると大変かも知れません。

日本の歩道はただでさえ狭いですし、車道も狭いせいで自転車まで歩道を通行したりしやすいですもんね。








ちなみに、法律的には自転車が歩道を通る際は車道よりを「徐行」し、歩行車の通行を妨げるような場合は「一時停止」せねばなりません。

しかし、ご存じの通り、その通りやってくれている人は、残念ながらかなり少数派ですね。

となると、移動能力が低下している高齢者などを介助する場合は、相当な注意を払う必要が出て来ます。

交通ルールを守らない人による事故に関しては、車の運転者であれば最近のドライブ・レコーダーなどで記録することが出来ますが、

単に歩道を通行しているだけだと、相手の非を証明することも難しくなります。

やはり、介助者のマネージメントが大事になりますね。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172