第161号:レナト式リハビリのフロー65:移動(歩行)介助で困っている13

 

 

 

<第161号(2022.5.21)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第161号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー65

  「移動(歩行)介助で困っている13」



■編集後記:やれない人のために、やれる人がやればいいだけです





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■レナト式リハビリのフロー65

  「移動(歩行)介助で困っている13」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「杖や杖なしでの歩行(の介助で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w214

※今回の内容は上記URLには(まだ)ありません。動画をつくる場合は、今後お知らせします。










最近は、歩行介助全般における留意点のお話で、「屋内」から始めて「玄関」付近のお話に進んでいます。

今回は、玄関のドア~門までに距離がある場合(玄関アプローチがある場合)のお話で、

前回取り上げた「段差」以外で、よくある要素のお話です。








玄関から門までが、ずっと「平ら」であれば比較的移動しやすいのですが、困るのは「砂利」や「飛び石」がある場合です。

まず「砂利」に関しては、見栄えは良いのですが、誰しも歩きづらさを感じたことがあるでしょう。

以前、多点杖(の中でも根元が可動するタイプ)の話の中で、「地面からの反力を利用しづらいと、動作しにくい」ということをお伝えしましたが、砂利でも同じことが言えます。

人体は反力を計算に入れて動くため、砂利だと「期待していた反力」を得にくいどころか、

砂利を踏んだ時の足の沈み方次第で「1歩1歩が異なる反力」になるため、姿勢保持や動作において難度が上がってしまいます。








また、「飛び石」がある場合は、飛び石の縁と砂利との境目などに杖や歩行器などを引っかけてしまうかも知れませんし、

そもそも、飛び石の部分と砂利では、足を載せた時の感触や沈み方、それゆえ反力も異なるため、

砂利と飛び石の上を交互に進むだけでも、歩行能力が低下している人にとっては、大変な作業になってしまいますね。

これでは、転倒などのリスクがあるばかりか、外出する意欲の低下にもつながりかねません。








対策としては、もちろんリハビリによって動作能力を高めて行くことが必要なのと、

介助者が色々と配慮してあげることが現実的です(砂利を撤去・整地したりするのは、あまり現実的ではないでしょうし)。

具体的には、「ご本人にとって、より困難なエリアの移動」だと介助者は認識して、手を添える割合を増やすなど介助量を増やしたり

普段は杖を使う人でも玄関アプローチのエリアは歩行器を使う(手厚めな設定にする)などの工夫を試してみると良いかも知れません








「もったいない」という表現が適切かどうか分かりませんが、

道路と異なり、対向車や自転車、人も来ない自宅の敷地内で転倒して大ケガするのは、とても「もったいない」印象があります。

ご本人の注意力が散漫になる要素が(道路など外界に比べて)比較的少ないですし、

介助者もサポートに意識を集中しやすい状況なので、気を抜いて自ら事故を誘発することは避けたいものです。








次回は、門を出て、道路上を歩行介助するお話に入って行きます。

日本の道路は、歩道が狭いのに車や自転車が頻繁に通ったり、

歩道が形状的に傾斜していたりするので、リスキーな場所が多いです。

装備品の準備なども含めて、介助者に色々な要素が問われて来ますね。








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■編集後記
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世界的に大ヒットした日本のアニメ映画の中のセリフに、

「強い者は、その強さを弱い者を守るために使いなさい」という意味のものが登場します。

私も賛成で、自著の中でも「強い者は、それを他者への威嚇や攻撃に使うのではなく~云々」という感じで書いた記憶があります。

これは「強さ」に関してだけではなく、実は全ての要素に関して言えることですね。







例えば、あなたがスーパーで買い物をしているとします。

あなたは周囲の状況を常に見ながら(密を作らず、他者との衝突なども避けながら)行動できるのであれば、それが出来ていない人達を、あなたが避けてあげればいいのです。

多数派の人が、商品棚に気を取られて周囲の状況に意識が向いていないのであれば(結果的に自分本位な動きをしているのであれば)

それを把握できているあなたが彼らを避けてあげればいいのです。








その時、決して「この人達は本当に自分本位だなあ。視野が狭くて、困った人達だ」などと、心の中で批判する必要はありません。

先程の「強い人」の例と同じで、「視野の広い人、避けられる人」が避けてあげればいいだけです。

社会は本来、そのように出来ていますね。

例えば、野菜をつくれる人は(つくれない人のために)つくってあげればいいですし、歌や芸術などで他者を癒せる人はそうしてあげればいいのです。

介助もしかりです。動作能力が低下している人に「なんで、歩けないの!」と怒鳴っても(リハビリが進むまでは)仕方ありません。

あなたが導くことで、ご本人が不足する要素を補ってあげて下さい。補い合うのが、社会(組織)の醍醐味?ですからね。













最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172