第153号:レナト式リハビリのフロー57:移動(歩行)介助で困っている5

 

 

 

<第153号(2022.3.26)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第153号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー57

  「移動(歩行)介助で困っている5」



■編集後記:情けは人の為ならず







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■レナト式リハビリのフロー57

  「移動(歩行)介助で困っている5」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「移動(歩行器)介助(で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w214










今回は介助者が「相手の正面に位置」して、手を触れながら「歩行介助」をする場合のお話です。

上記URL内の3つ目の関連動画内でもご紹介していますが、

介助する人は、相手の動きとシンクロするような動きをした方がスムーズになります。

例えば、相手が右脚を前へ出す時は、介助者は左脚を後ろへ引くと(お互いの足もぶつからず)体の揺れもシンクロしてストレスが減ります。








この相手の正面に立って手を取る介助歩行(いわゆる「手引き歩行」)の仕方は、意外に一般には浸透していない印象がありますが、

使い勝手の良いものなので、今回と次回に分けてご紹介することにします。

まず今回は「どういう場面で用いる方法か」、また「メリットは何か」というお話をさせてもらいます。

そして次号で、「注意点」などをお伝えする予定です。







まず、「どういう場面で用いるか」に関してですが、大きく分けると「介助」と「リハビリ(訓練)」とに分かれます。

もちろん、前提としては、ご本人の動作能力として、(両手で体重の何%かを支えれば)ある程度歩ける状態です。

「介助」で使う場合は、例えば、屋内の構造的に車椅子では近づけない場所の移動であったり、

歩行器を使うほどの距離ではない場所の移動などでよく使います。








また、「リハビリ(訓練)」で使う場合は、左右の体重移動を誘導し、どこが弱いかを検出しながら、

少しずつ歩行距離を伸ばして行く際に使います。

もちろん、何の根拠もなく歩行距離は伸びないので、あぶりだした弱い部位を「レナト式リハビリ」などで強化しながらになります。

ちなみに、手引き歩行には2種類あるので、その説明もさせてもらいましょう。








2種類とは、ご本人の「両手(手のひら)」を介助者の「両手(手のひら)」の上に載せてもらう場合と、

ご本人の「前腕(肘~この場合は手先までで、手の平側の広い面)」を、介助者の前腕に載せてもらう場合のことです。

後者の方がお互いによりしっかり把持できるので、ご本人の動作能力がより低い場合に後者を選択するのはイメージしやすいでしょう

歩行器で言うと、車輪付きを使わざるを得ないレベルの人(持ち上げ式歩行器を使えない人)は「前腕支持」の方が無難です。








「前腕支持」が優れている点は何と言っても、相手の動作能力を検知しやすいことです。

相手のどちらの脚が、どのタイミングで支えが弱いかを、介助者は自分の前腕から感じ取ることが出来ます。

支えが弱いタイミングで、相手はグッと体重を、介助者の前腕にかけて来るので、「ああ、このタイミングでの支えが弱いのね」とすぐ分かります。

また、相手が少しバランスを崩しそうになっても、前腕支持なら、介助者が(転倒させないように力を込めて)バランスを戻してあげやすいのもメリットです(※体格差がある場合などは注意が必要ですが)。







余談ですが、どのタイミングで支えが弱いかを検知できたら、「レナト式リハビリ」とリンクさせて強化できるのもメリットです。

例えば、相手が左脚に体重移動して右脚を前に出すタイミングで、介助者の右前腕にグッと体重が載って来たら、

「左脚に体重移動した際に支えが弱いんだなあ。だったら、左のお尻まわりの筋肉が弱くて、左に寄った骨盤を保持しづらい可能性が高いから、後で左のお尻まわりを触ってみよう。実際に痩せていたら、トントンして強化してあげよう」という具合です。

レナト式リハビリをご存じの方なら、その辺はもう、ピンと来やすいですよね↓


【レナト式リハビリの書籍】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w391








手引き歩行介助の中でも、「両手」でなく「両前腕」支持で行う方法は、支える面積がより大きくて安定性が比較的高いだけでなく、

ふらつく相手のバランスをコントロールしやすかったり、

どのタイミングでどう弱そうかを検知したり出来る点で優れています。

もちろん、いきなり長い距離を手引き歩行介助するのは危険なので、次回はそのようなお話や工夫(対策)のお話もさせてもらう予定です。






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■編集後記
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戦乱で困っているウクライナからの難民を、日本が受け入れているようです。

ネットを見ていると、「なぜ今回に限って積極的?」とか「日本人もコロナ禍で困ってるんだけど」のようなコメントもありますが、

人道支援だし、「情けは人の為ならず」でもあるので、可能な限りやってあげれば良いと思います。

日本は震災などの災害大国なわけですし、困った時はお互い様ですね。








介助(介護)やリハビリも、本質的に同じような気がしています。

あなた自身は、今は「施す側」であっても、いずれは「施される側」に回る可能性がありますし、

その頃になって、世間により良い介助スキルやリハビリスキルが広まっている方が、あなたにとってもメリットが大きいはずです。

特に今は情報社会なので、より良い方法はどんどん広まっていくでしょう。

情報を発信し合って、より良い情報を選択して行く。そのことが、後に続く人々のためにも、将来のあなたのためにも良いのでしょうね。










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172