第146号:レナト式リハビリのフロー50:移動(歩行器)介助で困っている1

 

 

 

<第146号(2022.2..5)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつも読んで下さり、ありがとうございます。

第97号からは、私のホームページ内にある「レナト式リハビリのフロー」に関するメルマガをお届けしています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







第146号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー50

  「移動(歩行器)介助で困っている1」



■編集後記:「物理的な力」をより感じる冬季五輪





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■レナト式リハビリのフロー50

  「移動(歩行器)介助で困っている1」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「移動(歩行器)介助(で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w209










前回までで車椅子介助はひとまず終わり、今回からは「歩行器」の介助に入ります。

今回は注意点をお伝えし、次回は歩行器の種類別にどういう身体能力が必要なのかをお伝えする予定です。

起き上がり等の動作介助と異なり、介助者は安全面のサポートが主になるため、注意点も比較的シンプルなものになります。

最大の注意点は、「相手の後方をケア(サポート)する」ことです








上記URL内の関連動画の中でお伝えしていますが、歩行器はその形状から支柱が前と横にしかないため、後方が守られていません。

つまり、何らかの拍子にバランスを崩した際、前や横なら歩行器があるのでどうにかなる可能性がありますが、

後方には歩行器がないので、後方へはそのまま転倒しかねません。

小さい子供用の歩行器だと円形で本人を囲うタイプがありますが、大人用はそういうつくりになっていませんね。







そうなると、介助者は決して相手より前方に立ってはいけないことになります。

ご本人が後方にバランスを崩しても、介助者が前方に位置していると助けられないからです。

「そんなの当たり前じゃないか」と感じるかも知れませんが、前方に立つ人が意外に多いので驚きます。

前方に立つ人を見ると、歩行器を引いてあげている場合があるので、推進力をサポートしてあげたい気持ちが見え隠れしますが、これは危険です。







介助者がご本人よりも前に立って歩行器を引いてしまうと、先ほどの後方のサポートが出来ない上に、

ご本人が歩行器を押す主体なのに、先導者に歩行器を引かれて、ご本人は引きずられるというか、

頼りたい歩行器がどんどん先へ移動してしまいかねません。

もしご本人の脚がスムーズに動かないと、支柱で守られているはずの前方の支えまで(介助者のせいで)失いかねないませんね。







介助者はご本人の後方をケアできるなら、立つ位置は横でも後ろでもいいのですが、

真後ろは立ちづらいし、ご本人がバランスを崩した際に手が間に合わない可能性が高いので、

横に立ってすぐに手を出せる位置(または手を添えていられる位置)にいた方が無難ですね。

もちろん、周囲の状況を常に確認できる状態で(特に屋外は)介助してあげて下さい。







次回は「歩行器の種類と必要な身体能力の関係」のお話に進みましょう。

歩行器の種類によっては、ご本人の姿勢や動きも異なるため、介助時の注意も多少異なる場合がありますよ。







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■編集後記
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昨夜は冬季五輪の開会式が行われましたね。

中国らしい(伝統的な)演出がかなり控えめな印象で、もしかしたら国際情勢に配慮したのかも知れませんが、

全体的にとても美しい開会式になりました。

入場する国の順番が「漢字表記で画数の少ない順」というのも興味深かったです。







冬季五輪は夏季五輪と比べて「スピード」が出る競技が多いですね

タイム(スピード)を競う種目が多いですし、観ている側としては面白いのですが、

事故が起きると大ケガになりやすいので、その辺はうまくやって欲しいです。

また、スキーやソリなど道具も多く登場するので、夏季五輪よりも「物理的な力」を強く感じます。






競技が変われば道具も変わりますし、

同じ競技でも体格や身体能力が異なれば、使う道具も変わって来るでしょう。

介護現場で使われる福祉用具(杖や歩行器などの移動補助具など)も同じことです。

その時の身体能力に適した道具を選択しないと、運動能力が発揮しづらくなりますし、事故も起こりやすくなりますね。

次回のメルマガは、そういうお話にしたいと思っています。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46


・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172