第136号:レナト式リハビリのフロー40:立ち上がり介助(で困っている)3

 

 

 

<第136号(2021.11.27)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつもお読み下さり、ありがとうございます。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第136号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー40

  「立ち上がり介助(で困っている)3」



■編集後記:宇宙と介助は、関係があります。





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■レナト式リハビリのフロー40

  「立ち上がり動作(で困っている)3」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「起き上がり動作(で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w208










最近のメルマガでは、「立ち上がりの介助」をご紹介しています(※相手はある程度、立った姿勢を保てる身体レベルの前提です)。

立ち上がり過程をざっくり2つに分けると、「前半:お尻を浮かせるまで」、「後半:立ち上がるまで」となり、今は「前半」のお話になります。

前半の肝は、ラクにお尻が座面から浮くようにすることです。これには「(筋力でなく)重力」を利用しますので、

ジェットコースターと同じく、より高い位置から重さを落とす程、上昇する力が得られます。

立ち上がり前半で言えば、相手の頭の位置が高い程、おじぎした際に(前下方に自重を落とし込んだ際に)お尻が浮きやすくなります









リハビリにより体幹の支え等がしっかりして来る(頭の位置が普段から自然と高くなる)までの期間は、

介助で「一時的に」相手の頭の位置を高くしてから、立ち上がり前半の介助を行えば、

ジェットコースターと同じく、重力(自重が落下する力)を利用してラクにお尻を浮かせられます。

相手の頭の位置を高くするには、前回のメルマガでご紹介した「肩甲骨を操作する方法」を使いましょう。









介助の際には、介助者は相手の正面に位置し、両手を相手の「わきの下」から入れて肩甲骨にあてます。

上記URL内にある最初の「関連動画」では、「わきの下」から入れていない絵もありますが、

相手の頭の位置を(肩甲骨の操作によって)高くするだけなら(その感覚をつかむ練習なら)、それでもいいです。

ただ、肩甲骨操作の直後には、立ち上がりの後半(立ち上がり切るまで)が控えているので、実際は相手の「わきの下」から介助者は手を通さないと、手が滑ったりした際に相手を支えられなくて危険です。








立ち上がり前半の介助で他に留意する点は、誘導の「軌道」です。

相手は腰かけたまま「おじぎ」するような動きになるので、(横から見て)相手の股関節を回転軸として上体が円を描くような軌道になります。

イメージしづらい場合は、ご自分で立ち上がり前半を(腰かけた状態から)やってみれば分かりますので、

相手の動きを介助する際にも、その軌道を意識して行って下さい。








その際、立ち上がり「後半の介助がしやすくなるような工夫」を入れながら行うとベターです。

相手の頭の位置を高くするために肩甲骨にあてた手は、そのまま相手の上体を下方へ少し押し下げることにも使えるので、

相手の「腹筋」の緊張が高まり(強めの収縮が入り)、立ち上がり後半に必要な下肢筋群の緊張が連動して高まりやすくなります(この連動は次回、ご自分の体で試してみましょう)。

腹筋も関節(背骨)を支える筋肉の一つだと捉えれば、適度な重さがかかると「支える仕事をしなきゃ」と反応するわけですね。








これで立ち上がり前半の介助は終わりです。次回は後半の介助のお話へ進みます。

相手の両足の位置など、基本的(教科書的)なことは取り上げて来ませんでしたが、

一応お伝えしておくと、立つご本人から見て比較的手前にあると、立ち上がりやすくなります(上半身の重さが両足の上に来ると立ちやすいです)。

何事も自分の体で試すと分かりやすいので、介助者はご自分の両足の位置を変えながら、どの辺に両足を置くと立ちやすいか試してみて下さい。







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■編集後記
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立ち上がりの前半は「重力」を利用するというお話をしていますが、「重力」と聞くと、私は「地球」そのものや天体の不思議に想いをはせたくなります。

地球(星)に重力があるのは当たり前だと思われがちですが、星はチリやガスなどが集まって誕生すると言われているので、

どちらかと言うと、「まず重力が存在して、チリやガスを引き寄せて地球が出来た」ことになります。

決して「地球(星)があるから、重力がある」のではなく、「重力があるから地球が出来た」という不思議な状況なわけです。








「じゃあ、チリやガスを引き寄せた重力って、どこから発生したの?」となりますが、所説あるようで、確かなことは分かりません。

宇宙に関して人間が解明できていることはわずかですし、人間の体に関しても解明できていることは限られています。

人間も宇宙の一部なので、未解明なことが多いのは当然と言えば当然?なのかも知れないですね。

ならば、解明されていることは、どんどん活用しましょう。介助にも使いましょう。

宇宙や天体という壮大な力を、目の前の介助に使う・・・なんか、いい感じですね?(笑)










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172