第132号:レナト式リハビリのフロー36:起き上がり介助(で困っている)5

 

 

 

<第132号(2021.10.30)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつもお読み下さり、ありがとうございます。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第132号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー36

  「起き上がり介助(で困っている)5」



■編集後記:テレワークは、(超)高齢社会を乗り切る大事な要素





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■レナト式リハビリのフロー36

  「起き上がり動作(で困っている)5」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「起き上がり動作(で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w207










前回までで、いわゆる「起き上がりの介助」のお話は済んでいます

あとはその関連ですが、腰かけた状態からベッドに「横になる、寝転がる」動作や介助は、基本的に起き上がりの逆(リバース)なので割愛します。

ただ、相手をベッド上に横にした際、「頭が枕に届いていない」「相手の位置を修正する介助が大変」というケースはよくありますので、

今回は、「起き上がり」の関連介助として、そのリカバリーの介助のお話です(上記URL内の関連動画の4つ目に関してです)。









本当は、寝転がる前の位置(腰かける位置)が大事です。

起き上がり介助した際に、ベッドのどの辺りに腰かけることになったのかを覚えておかないと、

車椅子でベッドへ戻った際に、移乗先がズレてしまい、寝転がっても枕に頭が届かない事態になりやすいですからね。

ただ、何らかの理由でそこまで計算できない場合や、計算したつもりだけどズレてしまうことはあるので、

その場合は、できるだけお互いにラクな方法でリカバリーしましょう。

ここでは一応「全介助」の前提でご紹介しますが、部分的な介助で済む場合は、ご本人がやれる部分を自力でやってもらえばいいですね。









動画の中でも「スライドシート」など道具を使う方がやりやすいのなら、それでOKですとお伝えしています。

道具を使うことでラクに安全に行えるなら、シンプルな対応法なので良いですね。

ただ、「相手の体をラクに動かす合理的な要素を知りたい」「異なるシチュエーションの介助にも応用したい」という場合などは、今回の介助方法を通して、エッセンスをつかんで下さい。

介助に限らず、もしかしたら、引っ越しをする際(重い物を運ぶ時)等に、介助技術を応用できる可能性もありますからね。









まずは、介助者は自分の筋力ではなく、「自分の体重移動を利用する」ということが基本になります。

筋力メインで対応しようとすると疲れますし、介助者が筋肉を痛めてしまうと、家庭内の介護力不足になり在宅生活が困難になります

そもそも、腕は断面積も小さいので、頑張っても大きな力はあまり出せません。それよりも、「自分の体重」を利用しましょう。

相手の体を手前に引く際も、または横へスライドさせる際も、ご自分の体重を利用すると比較的ラクに行えます。








以前にご紹介した「重い物や人は、接地面積を小さくすれば回転させやすい」などもそうですが、

物理的に小さい力で大きな対象を動かすことは、知識を得たら、後は練習あるのみです。

日本人は合気道や柔道などでも「小さい力や相手の力を利用して、大きな相手を投げる」のようなことをやって来た民族なので、もしかしたら、こういう工夫は得意な方かも知れないですね。

次回は、起き上がり介助の関連動画の最後として、寝かせた後の扱い(電動ベッドのギャッジアップで相手が痛がらない方法)に関してご紹介する予定です。







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■編集後記
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コロナ禍で「テレワークの普及」が叫ばれ、日本でも(諸外国よりは不足するものの)拡がりを見せています。

個人的には、家庭内の介護力不足を補うためにも、少子(超)高齢社会を乗り切るためにも、続けて欲しいと願います。

高齢の親などが家にいるご家庭で、誰か見守りの目があるだけでも防げる事故などがありますし、

仕事の合間に時々介護の手を入れることも、ある程度ならできるので、日本の介護力不足を補う方法の一つになり得ます。







中には「勤務中に介護をするなんて(仕事以外のことをするなんて)」と抵抗感のある人もいるかも知れません。

そこは、日本人が「成果主義」に移行する機会と捉えた方が、未来が明るいと考えます。

日本人は「生産性が低い」と海外から言われるように、出勤してある程度の時間まで会社にいれば仕事をした感覚になることが問題でした。

これでは「質が低い」ため、「時間」を相当ムダに失ってしまいますね。







日本は世界でも有数の高齢社会なのに、介護の労働力は特に不足しています(公的な医療・介護サービスでは充分とは言えませんし)

介護ロボットや外国人労働者(介護職)も、すぐにそれを補える水準まで整っていません。

では、誰が需要と供給の「ギャップ」を埋めるのでしょうか?やはり「家族」になってしまうのが現状です。

だったら、家族に時間を与えないと、介護離職を増加させかねません。







企業が欲しいのは(社員の勤務時間ではなく)社員からの「成果」のはずですし、

テレワークで社員全員分のデスクが必要なくなれば、オフィスの維持費も削減できて合理的です。

このように、テレワークは日本の少子(超)高齢問題を救う大事な要素の一つになり得るので、

テレワークがそぐわない業種以外は進めてもらいたいと願っています。

ちなみに、「家族が出来るリハビリ」も(ご本人の動作能力を高めることで)介護を減らす大事な要素の一つになり得るので、

私としては「レナト式リハビリ」のご紹介を続けて行くのが、一つのお役目?かと思っています。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172