第131号:レナト式リハビリのフロー35:起き上がり介助(で困っている)4

 

 

 

<第131号(2021.10.23)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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発行人の理学療法士 レナトです。いつもお読み下さり、ありがとうございます。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第131号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー35

  「起き上がり介助(で困っている)4」



■編集後記:あなたの中にある「繊細さ」を活かせるのが介助です




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■レナト式リハビリのフロー35

  「起き上がり動作(で困っている)4」

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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「ご家族の介護・介助負担の軽減(=ご本人の身体能力向上→その結果として医療・介護費の軽減)」↓

「あなたは、高齢のご家族をケアする際に、特にどの介助で困っていますか?」↓

「起き上がり動作(で困っている)」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w207










今回は、一連の起き上がり介助の中でも終盤の「お尻の位置の修正」です。

本来は、相手の体を回転させて上体を起こした際、相手の左右のお尻はベッドの縁と平行になっていて欲しいです(その後、立ったりしやすいように)。

しかし、「回転不足」だと、片方のお尻の位置が充分前に来れておらず、中途半端な位置に残りがちです。

人間の体は重いので、介助者が「力づく」で相手のお尻の位置を整えようとすると、大きなエネルギーを使い、疲れてしまいますね。









しかし、前回の「(起き上がり時の)回転」と同じく、理にかなった要領のいい介助方法があります。

動画内でご紹介しているように、重い物は接地面積を小さくすると回転させやすくなるので、今回もお尻の下側にある出っ張り(坐骨)を利用します。

これを回転の支点に使えば、腰かけた状態の相手の体をラクに回転させられるので、取り残された側のお尻の位置を前に移動できます

もし、回転後に左右ともお尻が充分な位置ではなかった場合は、この回転を左右交互に行えば、ラクに移動できます。









介助者は、できれば介助を施す前に「相手の立場を体験する」ことが望ましいです。

誰かに協力してもらうなどして、「自分が介助されると、どういう感じなのか」を体験したり、相手の姿勢や動きをマネしてみることで、色々と発見があり、介助に活かすことが出来ます。

今回の、ベッドに腰かけた状態からお尻の位置を前へ移動させる動きに関しても、ご自分で動くと体の各パーツはどんな風に動くのか、

ならば、「その動きを介助でサポートしてもらえばラクだろうなあ」とか、逆に「その動きを介助者にジャマされると動きにくいだろうなあ」という具合に、体験を活かすわけですね。








介助者の体力や健康も「限られた資源」だとすると、ロスが多いと資源が尽きてしまいかねません。

介助者が疲れ切ったり、体を痛めて健康を失ったり、毎回の大変さから意欲を失ってしまったりすると、

高齢者などの在宅生活を継続できなくなってしまいます。

「理にかなった介助方法」なら「最少努力で最大効果」を狙えるので、一つ一つ身に着けてみて下さいね。








「起き上がり」に関する介助内容自体は、ひとまず今回までにしておきますが、上記URL内の関連動画に関するご紹介は、もう少し続けます。

次は、その4つ目に登場している動画で、ベッド上に寝ている相手の体の位置をズラす介助方法に関してです。

腰かけた状態からベッドに「横になってもらう介助」は基本的に起き上がり介助の逆(リバース)なので割愛しますが、

「横になってもらったけど、相手の頭が枕に届いていない」ということがよくあります。

これも「力づく」で整えようとすると非常に疲れる作業になりかねないため、「理にかなった方法」で対応しましょう。






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■編集後記
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「自分はデリケートだ」と自覚している人は、もしかしたら「損をしている」と感じているかも知れません。

周囲の鈍感そうに見える人はストレスに強そうなのに、自分は繊細さゆえ、すぐに心身ともに疲れてしまう・・。

たしかに、「つらい・しんどい」という実感は、鈍感そうな人よりは感じているでしょうから、大変は大変でしょう。

しかし、デリケートな人は、鈍感な人には出来ないことが出来ますし、それは「介助」において非常に重宝される要素です。







私はよく、介助者には「相手の立場を体験してみて下さい」と伝えています。

これは相手が何をされるとイヤなのか(嬉しいのか)などに「関心」を持ち、相手との「共有率」を高める効果があります。

逆に、こういうことに無関心な人は、相手が嫌がっていても「自分本位」な介助を行い、相手が不満を訴えると「逆ギレ」しかねません。

残念ながら、高齢者施設などの介護現場でも、そういうスタッフはいます。







逆に、相手の立場に立ち過ぎると(のめり込み過ぎると)、あなたの心身がもたない可能性もあります。

だったら、ある程度の「線引き」が必要になりますが、何を基準にすれば良いか分からないと困ってしまいますね。

基準の一つになるのが「理にかなっているかどうか」です。

極端に言えば、それによって、相手からの訴えやリクエストが「妥当」なのか「わがまま」なのかの判断ができ、断って良い所は断りやすくなります。

繊細な人は、繊細さの良い所を介助などで発揮しながら、繊細さでつぶれてしまわないように「理(合理性)」を高めることに取り組んでみて下さい。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172