第113号:レナト式リハビリのフロー17:立ち上がりが不安定5

 

 

 

<第113号(2021.6.20)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第113号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー17

  「立ち上がりが不安定5」



■編集後記:余力のない人は特に、体力の「やりくり」を



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■レナト式リハビリのフロー17

  「立ち上がりが不安定5」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「在宅生活の継続(入院や施設入所をしない生活の継続)」↓

「あなたの高齢のご家族は、最近実際に転倒しましたか? 」↓

「No(転倒していないが、動作が不安定)」↓

「不安定なのは、どのような動作(場面)ですか?」↓

「立ち上がり」↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w205










今回も、(イスやベッドからの)「立ち上がり」動作が不安定な場合の「続き」ですが、

「立ち上がり」に関しては、この回でひとまず終了の予定です。









立ち上がり動作は「頭の位置」が低いと効率よく行えないため(介助量もその分増えるため)、

その改善のために、以下の介入を前回までは行って来ました;



・「力の拠り所」であるお腹(腹筋)に力が入るようにした

・腰掛けた際の「土台」であるお尻の筋肉もつくった(左右均等にした)

・上半身の「側方の柱」であるウエストの筋肉もつくった(左右均等にした)



これらにより、「頭は(本来の)高い位置へ戻った」→それにより「筋力をあまり使わない、効率よい立ち上がり動作ができる姿勢に戻れた」とします。











そもそも、動作改善はシンプルに捉えると「2本柱」になります。つまり、


1)動作改善に不足するものは、足す

2)動作改善をジャマするものは、取り除く(減らす)


立ち上がり動作の改善に関しては、1は主に、これまでの「不足する筋肉をつくる」という作業でした。

2は主に、「体の硬さや痛みを軽減する」という作業になります。









体が硬いと立ち上がり動作の何をジャマするのかというと、特に動作前半の「おじぎ」部分です。

腰掛けた状態からの立ち上がり動作では、頭を高い位置から前下方に落とし込んで行く「おじぎ」によって、お尻を浮かせます。

この時、体の背面(特に腰背部)の筋膜が硬く伸びない状態だと、体幹を曲げる時に背面が突っ張って「おじぎ」を妨げるわけです。

それだけでなく、硬い体幹を無理に曲げようとすると、背面の筋膜や筋肉が無理に引っ張られ、腰などに「痛み」が出かねません。




【関連動画:起き上がり:背面が硬いと、イスからの「ずり落ち」や「誤嚥」にもつながります】

https://www.youtube.com/watch?v=2TU1DQW00oc&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=9










地球には重力があるので、それに逆らうように見える立ち上がり動作は、一見かなり大変な動作に見えるかも知れません。

しかし、特に動作の前半部は自分の上半身を前下方に落とし込む(重力を活かす)ことでお尻を浮かせるなど、理にかなった動きを本来しています。

その状態へ戻れれば(近づければ)、ご本人の動作もラクになるし、介助量も減りますね。

立ち上がり動作はこの辺にして、次回は立ち上がり動作の逆(リバース)である、「座り(腰かけ、着座)動作」に進みましょう。

この動作は、重力による「落下を制御」しながら行う必要があるため意外に大変ですし、「制御失敗=転倒」となるため、大事な動作でもあります。









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■編集後記
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今回は本文中に「重力」という言葉が何度か登場しました。

人間は基本的には「重力」と共に生きているため、それをうまく利用したり、時には逆らったりして、動作しています。

うまく利用できれば「ラクな動作」になりますし、逆らうことが多くなれば「疲れる動作」になるわけですね。

余談ですが、リハビリの方向性の一つは、「重力をうまく利用できていた状態に戻す(近づける)こと」でもあります。







さて、今後さらに暑くなってくると、日常生活を送るだけでも「体力」を消耗しやすくなります。

加齢や忙しさなどの理由で体力トレーニングをする余力がない人の場合は特に、

「いかに体力(エネルギー)のロスを防いで、1日を過ごすか」という、「やりくり」が大事になります。

同じ作業をこなすにしても、「疲れにくい動き」で行う方が、1日が終わる頃の疲れ具合がだいぶ異なりますよ。







そういうテーマの本も以前出版したことがあるので、ご興味のある方はご覧ください。

日本の夏は毎年過酷になって行きそうですが、「やりくり」する方法を知って、なんとか乗り切りましょうね↓

【書籍:人生100年時代 100年もたせる 疲れにくい方法(前編:体の疲れを抑える)】

https://no-pain-yes-gain.com/free/w31










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172