第104号:レナト式リハビリのフロー8:転倒した際にぶつけたのは、手や腕、顔(つまづき)~後編~

 

 

 

<第104号(2021.4.17)>

 

 

 


 

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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

第97号からは新シリーズ(レナト式リハビリのフローに関するメルマガ)を開始しています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、引き続きよろしくお願い致します。 







最近は自分のホームページにて「レナト式リハビリのフロー」を作成中です(URLは、このメルマガの一番下にもあります)。

例えば、高齢者の在宅生活でよくある現象(転倒した、立ち上がりにくくなったなど)からフローで進み、

その考え得る仕組みや、対応するには「レナト式リハビリ」の中でもどの方法を使うか、などをお伝えしようとするものです。

フロー「チャート」というほどのものではないのですが、ご覧になった方が情報を参照しやすくなればと願っています。







このホームページのフローは以前から作りたかったもので、色々と情報を詰め込みたいのですが、

「文章長すぎ・情報量多すぎ」になると、せっかくのフローなのに「流れにくくなりそう」なので(苦笑)、

できるだけシンプルな内容に収めようとしています。

そのかわり、ホームページに載せなかった内容や補足などを、このメルマガでお伝えする形にして行きたいと思っています。










第104号は、こちらです↓


■レナト式リハビリのフロー8

  「転倒した際にぶつけたのは、手や腕、顔(つまづき)~後編~」



■編集後記:コロナ禍で厳しい状況ですが、ご家庭でやれる余地を埋めて行きましょう





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■レナト式リハビリのフロー8

  「転倒した際にぶつけたのは、手や腕、顔(つまづき)~後編~」


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今回のタイトルページまでのルートは、フローのスタートページか

「ご家族に、介護やリハビリを必要とする高齢者などがいる人」↓

「在宅生活の継続(入院や施設入所をしない生活の継続)」↓

「あなたの高齢のご家族は、最近実際に転倒しましたか? 」↓

「Yes(最近、転倒した←入院はしていない)」↓

「転倒した際に、どこをぶつけましたか?(打撲や擦り傷ができた部位)」↓

「手や腕、顔(つまづき)」となります(該当するURLは以下です)↓

https://no-pain-yes-gain.com/free/w192










前号では「前編」として、前下方に転倒してしまう場合に「不足するもの」として「お尻まわりの筋肉」という話をさせてもらいました。

今回は「後編」として、つまづかないように、しっかり足を浮かせて前進したり方向転換することを「ジャマするもの」についてお話しします。

動作改善に向け「不足するものは足し、ジャマするものは取り除く(減らす)」というのが、レナト式リハビリの「2本柱」なので、

後編の方も大事な要素になります。










歩く時や方向転換する時は、「片脚立ち」になる瞬間があります。

高齢者のように「ゆっくり」動く際は、瞬間的というよりは、やや長めの時間「片脚立ち」の状態になる必要があります。

そのためには、踏ん張る側の脚の方へ「骨盤」をしっかり移動させないと「長めの片脚立ち」になれないのですが、

全身を覆う筋膜が硬いと(特にお尻付近で硬いと)、骨盤の移動を「ジャマ」してしまいます。








これもご自分の体でカンタンに試すことができますよ。

歩く際にご自分のお尻(後面の外側上部付近)に手をあて、骨盤が横に移動する際に「ズボンなどの生地がどう動いているか(伸びているか)」を触って感じ取ります。

逆に言えば、その生地が硬くて伸びない状態なら、その骨盤の動きはジャマされるので、

わざとズボンの生地を反対方向へ引っ張った状態で、ゆっくり歩こうとすれば、歩きづらい(体重移動しづらい)のが実感できます。







その硬くて伸びない生地と同じことを、「筋膜」がやってしまうわけです。

なので、歩く際に「最初の1歩が出ない」「出ても、すり足や小刻みな歩行になってしまう」という場合、

前号の「不足要素」以外に、今回の「阻害要素」も調べる必要があることがお分かり頂けたでしょう。

「阻害要素(ジャマするもの)」は地味な場合が多いので、リハビリ専門職でも見落とす(調べる意識がない)ことがあり得ます。







「ウチの高齢者は、寒い日はなぜか、小刻み歩行になるの」という場合、

気温の低下により全身の筋膜が縮こまったせいで骨盤の左右の移動がジャマされ、小刻み歩行になっている可能性があります。

本当にそうなのか確かめたければ、ほぐしてあげれば分かりますよ

特にお尻付近の筋膜をほぐし、骨盤の移動を解放してあげて歩行が改善するなら「やっぱり」となりますね。







この「筋膜由来」の場合、問題なのは「夜間」です。

日中はスタスタ歩いているのに、夜間にトイレに行く際に小刻みな歩行になる、という場合、就寝中に室温や体温が低下して筋膜が縮こまった影響があり得ます。

しかし、夜中にご家族が起きてマッサージしてあげるわけにも行かないでしょうから、この場合は夜間だけ歩行器などの道具で補う、という対応が現実的になるケースもあります。

このように、つまづく(前下方に転倒する)のにも必ず「物理的な理由」があるので、マメにほぐして予防したり、夜間は道具で補ったりしながら、転倒(再発)を防ぎたいですね。

次回は、転倒した際にぶつけた部位が「背中など」のケースのお話へ進みます。











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■編集後記
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社会は相変わらずコロナ禍にあり、「第4波」が来ているような様子です。

高齢者へのワクチン接種が始まったとは言え、ごく一部ですし、医療は更に逼迫・疲弊しています。

いずれこの騒動は収まるのでしょうけど、今回の件を通して「燃え尽きてしまった」医療福祉関係者や、

「医療福祉の仕事に興味があったけど、やめた」という人が増えてしまわないか心配です。

日本の高齢化のピークは、まだこれからですからね・・。







一方、一般の人の方では、感染予防に「ウチの高齢者は、デイサービスや訪問リハビリなどを控えている」というケースも少なくないでしょう。

まずは感染リスクを減らすことを優先するのは悪くないですが、その間に身体能力が低下し、転倒→大ケガ→手術→入院とならないように、ご家庭でケアできるといいですね。

「レナト式リハビリ」は「人間に共通する部分」をリハビリしますので、基本的には、誰でも誰に対しても行えます。

方法もカンタンかつ効果が出やすいものを厳選してご紹介していますので、巣ごもりの間の「転倒予防」に活用してもらえれば幸いです。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)





・メルマガのバックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46

・「レナト式リハビリ」のフロー(一部まだ作成中):https://no-pain-yes-gain.com/free/w172