「方向転換(移乗などを含む)」が不安定
日常生活の中で「方向転換(ターン)」する場面は、けっこうありますね。
例えば、洋式トイレなら便座に座るために体の向きを変えますし、
車イスを使用している人なら移乗(ベッドからの乗り移りなど)の際に必要になります。
一般的な人にとっては何でもないような動作かも知れませんが、身体能力が低下していると困難になるだけでなく、「転倒のリスク」が比較的高い動作となります(不安定な姿勢で動くので)。
【方向転換に必要な要素】
ざっと見るだけでも、以下のような要素が必要になります。
①片脚を浮かせて前または後ろに移動せねばならない。
②そのために(浮かせる側の)片脚から体重を抜かねばならない。
③そのためには反対側(踏ん張る側)の脚に体重移動が「しっかりと」出来ないといけない(体重が残ると浮かない)。
④体重移動が出来ても、移動先で一定時間「保持」できないといけない(浮かす脚の滞空時間を稼げるだけの、片脚立ちの能力が必要)。
⑤(1歩だけで方向転換は完了しないので)それらの作業を左右の脚で交互に数回できないといけない。
↑ざっくり言えば、「左右交互に片脚立ちになれないと、方向転換できない」と言えます。
【方向転換の主役は、どの部位?】
重い上半身を支える仕事は骨や筋肉などの「協働作業」ですが、その中でも主役は「お尻まわりの筋肉」です。
何十kgもある上半身を支えるという「大きな仕事」をすべく、生まれつき「大きな筋肉」として設計されているわけですから、
お尻まわりの筋肉がやせてフニャフニャになっていると、「重い上半身を支えられない=落下=転倒」となりますね。
両脚で立っている状態でさえ(左右両方のお尻の筋肉が参加している状態でさえ)大変な仕事なのに、片脚立ちではそれを片側のお尻の筋肉でまかなわねばならないため、尚更しっかりしていないと実現しません。
もちろん、脚で支えられない分を「手すり」などの環境で補う手段はありますが、手すりにガッツリつかまらないと動けないくらい不安定だと、手が滑った際などは、転倒してしまいます↓
【関連動画】
|
※画像をクリックで動画へ進みます↓
|
↑手すりなどは「+α」くらいのつもりで、あくまで自分の体で支える能力を高めるに越したことはありませんね
|
「レナト式リハビリ」では、お尻まわりの筋肉を、ドアをノックするようなカンタンな方法でつくります(筋肉のボリュームや弾力感を高め、その結果、発揮できる筋力を高めます)。若い人がやるような負荷の大きな筋トレは、高齢者やあまり動けない人には不向きですね。