第90号:在宅生活の環境整備20:人的環境⑩ ~背面が硬いと、(車)イスからずり落ち~

 

 

 

 

<第90号(2021.1.9)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。本格的に冬になってきましたね。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







最近は、「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介しています

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。

最近は「環境要因の一つである、人的環境(ご本人や周囲のご家族など)」に関する動画をご紹介しています。








第90号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「人的環境10 ~背面が硬いと、(車)イスからずり落ち~」



■編集後記:冬場は特に、体の硬さに関心をもってあげて下さい



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■在宅生活の環境整備

  「人的環境10 ~背面が硬いと、(車)イスからずり落ち~」


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「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね。↓







「【車イス】ずり落ちは、体が曲がらないため」1分40秒)
https://www.youtube.com/watch?v=xIJ798kIbhA&list=PL87Hh0oDQOdeDg9_IQdK0yZ6GLeTNxHwT&index=1





動画の中では、

1.「(車)イスから前方へずり落ちて、骨折などの事故になることがある」

2.「ずり落ちないように、座面に滑り止めマットを設置したくなるが、(座面と接する部位の圧力が高まる時間が長くなるため)褥瘡・床ずれが起きやすい」

3.「背もたれと体の背面との間に『三角の隙間』ができているなら、体が曲がらず板を立てかけた状態」

などについてお伝えしています。










今回ご紹介する動画は、メルマガ第42号(福祉用具編)で登場したものの再登場です。

最近のメルマガでお伝えしている「体が板状に硬くなる悪影響」の一環として、やはり登場します。

「人間の体がこうなると、こういう悪影響や悪循環へと連鎖して行く」というイメージを持ってもらえたら嬉しいです。

これまでご紹介した「点と点」が「線や球体」のようにつながってくると、「色々大変だから、予防しないと(手を入れないと)」と実感できるようになりますからね。









前回のメルマガでは、体が板状に硬くなっているのに無理に(介助で)起き上がらせる場合の悪影響をお伝えしました。

今回は、その状態で(車)イスに座ってもらう(というより、載せる)と、どうなるかのお話です。

背面の筋膜が硬く伸びないので、ベッドから体を起こしても後傾位のままで不安定でした。

そのまま(車)イスに載せても、「板を立てかけた状態」で背もたれと体との間に「三角の隙間」ができます。










体幹が硬くて曲がらないので、そのような隙間ができてしまうわけですね。

逆に、体が柔軟で体幹が曲がるなら、お尻を(車)イスの奥へ入れられます。

その方が、(車)イスと体の接地面積も増えるので、圧力が分散されて褥瘡(床ずれ)にもなりにくいです。

ちなみに、太っていたり着ぶくれしていると、背もたれとの間の隙間が一見わかりにくいですが、触ったり、骨盤の位置を確認すれば分かりますよ。










「(車)イスにいるのがツラい」とご本人が訴えても、ご家族など周囲の人(環境要因の中でも人的要因)が放置していると、

ずり落ち事故や褥瘡(床ずれ)などにつながり、結局はご家族も介助負担が増えて困ることになりかねません。

やはり体の硬さを気にしてあげて(時々手を入れてあげて)、板状に体が硬くなってしまうことを防ぎたいものです。

出版作品「家族もできるリハビリ・シリーズ」では、4作目でそういう話をさせてもらっていますので、よかったらご覧下さい。

4作目の説明ページ→https://no-pain-yes-gain.com/free/w16









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■編集後記
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デイサービスなどでも、体が硬く、(車)イスに浅くしか座っていられない人を見かけます。

その間にレクリエーションなどのプログラムが進んで行きますが、

ご本人にとっては楽しい時間どころか「苦行」のようになりかねません。

これでは、デイサービスに行くこと自体を拒否することになりそうです。








車イスの中には、後傾できるタイプのものがあるので、そういうものを(対処療法的に)利用するのも手ですが、

やはり体の柔軟性自体を取り戻してあげた方がご本人にとってラクで安全ですし、

ベッド上やベッドから離れた場面での姿勢や動きにも好影響があります。

それらの変化に「無頓着」で結果的に「放置→悪化」させてしまうのは「環境要因(人的要因)」なので、注意したいところですね。










最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46