第89号:在宅生活の環境整備19:人的環境⑲ ~背面が硬いと、起き上がりも困難~

 

 

 

 

<第89号(2021.1.2)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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新年おめでとうございます、発行人の理学療法士 レナトです。

今年もよろしくお願い致します。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







最近は、「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介しています

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。

最近は「環境要因の一つである、人的環境(ご本人や周囲のご家族など)」に関する動画をご紹介しています。








第89号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「人的環境9 ~背面が硬いと、起き上がりも困難~」



■編集後記:やはり「暖房」を使って欲しいです




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■在宅生活の環境整備

  「人的環境9 ~背面が硬いと、起き上がりも困難~」


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「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね。↓







「【家族もできるリハビリ】起き上がり:背面が硬いと、イスからの「ずり落ち」や「誤嚥」にもつながります」(2分32秒)
https://www.youtube.com/watch?v=2TU1DQW00oc&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=9





動画の中では、

1.「仰向けの状態から起き上がる際には、腰を境に上下に筋膜が伸びてくれないと起き上がりがジャマされる」

2.「長期臥床などで背面の筋膜が硬く伸びにくくなっているのに上半身を起こそうとすると、無理がある(痛み・後傾座位に)」

3.「背面の筋膜が伸びないと顎が挙がり誤嚥しやすくなる。『離床』は背面をほぐしてあげてこそ」

などについてお伝えしています。










最近のメルマガで、体が板状に硬くなってしまう悪影響などをお伝えしていますが、今回もその関連のお話です。

「体が板状に硬い=筋膜が伸びにくい」状態なので、

イメージとしては「キツキツの全身タイツ」を着ている状態を想像すると分かりやすそうです。

全身タイツは柔軟に伸びてくれないと、いかにも体の動きをジャマしそうですもんね。









キツキツな全身タイツなのに起き上がろうとすると、背面が(腰を境に上下に)伸びてくれず突っ張るため、

上体を前に曲げにくいこともイメージしやすいですね。ムリに曲げようとすると腰のあたりで全身タイツが破れそうです。

人間の体で言えば、腰付近の筋膜や筋肉が「断裂しそうだから、それ以上引っ張らないで!」と悲鳴を上げます(痛みを発して訴えます)。

起き上がり時の腰痛に苦しむ人は、この状態になっていることがよくありますね。









また、動画の中でも余談としてご紹介していますが、

背面の筋膜は後頭部にもつながっているため、背面が硬く伸びにくいまま体を(介助で)無理に起こしても、

後傾位の不安定でツラい座位になったり、頭が背中の方へ引かれて結果的に顎が挙がって誤嚥しやすい姿勢になったりします。

「離床」は大事ですが、ただ単にベッドから離せばよいというものではなく、離れるための「準備=背面のほぐし」が欲しいわけですね。










「本人が横になりたがっているから」とご家族(環境要因の中でも人的要因)が放置していると、

前述のようになり、ご家族も介助負担が増えて困ることになりかねません。

諸事情で「寝たきり」や「寝かせっきり」でも、時々手を入れてあげて、板状に体が硬くなってしまうことを防ぎたいものです。

出版作品「家族もできるリハビリ・シリーズ」では、4作目でそういう話をさせてもらっていますので、よかったらご覧下さい。

4作目の説明ページ→https://no-pain-yes-gain.com/free/w16









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■編集後記
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寒くなると、なぜ体が硬くなりやすいのでしょうか?

人間は一定の体温がないと生きていけないので、寒い場合は体から「熱」を逃がしたくありません。

全身をちぢこまらせて熱を逃がさないようにするため、筋膜もちぢこまった状態になります。

それが長時間・長期間続くと、筋膜は柔軟性を失いやすい(伸びにくくなる)と考えられます。








体が硬くなり、腰痛などが発生したり、動作がしづらくて転倒したりしかねません。

そちらに医療費がかかるなら、トータルで(プラスマイナスで)考えて、やはり「暖房」を使って欲しいと思います。

節約傾向のある高齢者などは、冬場でも暖房を使わず毛布にくるまっていたりすることがよくありますからね。

高齢者はただでさえ筋肉量が減少気味なので、体が「熱」を生み出しにくくなっています。「暖房」は大事です。











最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46