第88号:在宅生活の環境整備18:人的環境⑧ ~体が硬いと、寝返ろうにも転がれない~

 

 

 

 

<第88号(2020.12.26)>

 

 

 


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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







最近は、「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介しています

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。

最近は「環境要因の一つである、人的環境(ご本人や周囲のご家族など)」に関する動画をご紹介しています。








第88号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「人的環境8 ~体が硬いと、寝返ろうにも転がれない~」



■編集後記:体の硬化イメージは、冷凍庫の保冷剤?




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■在宅生活の環境整備

  「人的環境8 ~体が硬いと、寝返ろうにも転がれない~」


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「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね。↓







「【家族もできるリハビリ】寝返り:肩が前に出れないと、転がれません」(2分30秒)
https://www.youtube.com/watch?v=ghdSWWaMBs0&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=8





動画の中では、

1.「自分で寝返りが出来ないと、褥瘡(床ずれ)が起きやすいし、オムツ交換をする際も介助の負担が増える」

2.「寝転がるには、両肩が前に出て、(頭側から見ると)「Cの字」になれないと物理的に転がれない」

3.「体が硬く板状になっていると、両肩が前に移動できないため、転がれない(寝返れない)し、横向きの臥位も取れない」

4.「自分で寝返りが出来れば、家族が夜中に起きて(床ずれ防止の)体位交換する負担も減らせられる」

などについてお伝えしています。










最近のメルマガでお伝えしている「体が板状に硬くなる悪影響」の続きです。

気温が低下するこの時期などは、自覚の有無にかかわらず、体は冷やされて硬くなりやすいです。

夏場などと同じように家にいる高齢者の体を考えていると、「硬化」の悪影響がプラスされる分、介護や対応が大変になりかねません

それを気にせず放置してしまい、ご本人や介護者が大変になるのは「人的環境の問題」と言えるため、できれば意識して対応して下さいね。








今回の動画の中では、ベッド上の動作(寝返り)が例として登場しています。

丸い物と四角い物とでは、転がりやすいのは当然「丸い物」なので

人間の体も(頭側から見て)丸まれた方が転がりやすい(寝返りがしやすい)ですね。

ところが、体が板状に硬くなると転がりにくくなる上に、横向きで寝る姿勢も安定せず、つらいことになります。









普段から体の柔軟性を維持しておくことの大事さを、こういう場面でも思い知らされます。

諸事情で「寝たきり」や「寝かせっきり」でも、時々手を入れてあげて、

板状に体が硬くなってしまうことを防ぎたいものです。

出版作品「家族もできるリハビリ・シリーズ」では、4作目でそういう話をさせてもらっていますので、よかったらご覧下さい。

4作目の説明ページ→https://no-pain-yes-gain.com/free/w16









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■編集後記
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体が板状に硬くなることを、どういう例えでお伝えするとイメージを共有しやすくるなるか考えています。

身近にあるものとしては、冷凍庫に入れてある「保冷剤」がそれにあたるかも知れません。

まだ凍っておらず、柔らかい状態なら、保冷剤でも丸めることができますが、

平らな状態で凍った後では、とても丸めたり、転がしたりすることができません。そういうイメージです。








気温が高目の日中にある程度活動する人なら、体(筋膜や筋肉など)がほぐれてくるのですが、

諸事情でベッドや布団に寝ている時間が長い人だと、硬いまま(ほぐれる機会がないまま)1日を過ごします。

それが長期間続けば、板状の保冷剤のように、動いてもらったり、介助したりするのに、とても困難な状態になりますね。

ご家族の介助負担が増えて「共倒れ」にならないよう、できるだけ「先手」を取るようにしてみて下さい。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー:https://no-pain-yes-gain.com/free/w46