第87号:在宅生活の環境整備17:人的環境⑦ ~体が硬いと、移乗介助が危険~

 

 

 

 

<第87号(2020.12.20)>

 

 

 


☆★☆──────────────────────────────────────

家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

───────────────────────────────────────── 


こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






このメルマガは、自分が作ってきたYouTube動画が増えてきたため、

「こういう順番で動画を観てもらった方が、分かりやすいですよ」というガイドとして始めました。

動画の内容の補足も、メルマガの文章中に書かせてもらっています







最近は、「在宅生活の環境整備」に関する動画をご紹介しています

もともと、超高齢社会で病院のベッド数が不足したり、

高齢者施設は(職員不足で)入所制限がかかったり、と

病院や施設に入れないから「自宅で」「在宅医療を」という人が増える傾向にありました。







仮に施設などに入れるとしても、住み慣れた自宅で何とか生活を続けたい人や、

経済的な問題で(在宅医療の方が費用が抑えられるという理由で)在宅生活の継続を選ぶ人も少なくありません。

ならば、少しでも在宅生活を継続できるよう、留意点や工夫などをご紹介して行きます。

最近は「環境要因の一つである、人的環境(ご本人や周囲のご家族など)」に関する動画をご紹介しています。








第87号は、こちらです↓


■在宅生活の環境整備

  「人的環境7 ~体が硬いと、移乗介助が危険~」



■編集後記:放置して体を硬くしてしまうのも、人的環境(要因)と言えます




_______________________

■在宅生活の環境整備

  「人的環境7 ~体が硬いと、移乗介助が危険~」


_______________________




「自分自身のこと」は意外に自分で分かっていないように、

「自宅」のことも、意外に分かっていない場合があります。

そのために「転倒で大ケガ→入院→施設入所→自宅へ戻れず」とならないように、

こういうことに留意して下さいね。↓







「【車イスの介助】移乗介助:一緒に落下してしまうのは、なぜ?」(5分37秒)
https://www.youtube.com/watch?v=Cvdod-boRdw&list=PL87Hh0oDQOdeDg9_IQdK0yZ6GLeTNxHwT&index=6





動画の中では、

1.「いくら移乗先がベッドでも、介助者が一緒に落下するような方法では、いずれ事故につながる可能性がある」

2.「介助者が相手と一緒に落下する仕組みを、『密着』と『高い重心からの落下』の要素から考えてみる」

3.「相手の体が硬くて曲がらないと、介助者は密着せざるを得なくなるし、落下にもつながる」

4.「それぞれの要素への対応」

などについてお伝えしています。










他の動画に比べて、やや掘り下げた説明をしている動画です。

前号でも、長時間・長期間「不動」のために体が板状に硬くなってしまうと大変という話をしましたが、

ご本人が大変になるだけでなく、介助者も負担やリスクが増えて大変、というのが今回の話です。

脳卒中後遺症(片麻痺)の過緊張タイプの人などは、特に全身がカチカチの板状になりやすいですね。








移乗介助をジャマする要素として、動画内にも「(ご本人が)前傾姿勢を取れないこと」とあります。

表現を変えると、「股関節(脚の付け根)が曲がらない」とか、

「体幹が曲がらない(背中を丸められない)」ということですが、

そのために、移乗介助においては、「一緒に落下」するリスクが高まってしまいます。







普段から体の柔軟性を維持しておくことの大事さを、こういう場面で思い知らされます。

「寝たきり」や「寝かせっきり」でも、時々手を入れてあげて、

板状に体が硬くなってしまうことを防ぎたいものです。

出版作品「家族もできるリハビリ・シリーズ」では、4作目でそういう話をさせてもらっていますので、よかったらご覧下さい。

4作目の説明ページ→https://no-pain-yes-gain.com/free/w16









_________________
■編集後記
_________________


気温が日に日に低下しています。

布団の中に入っていても、「毛布などがもう1枚欲しいなあ」と感じながらウトウトしている間は、

体が冷やされています。体は冷えると「硬くなる」ので、

この季節は、全身的に体が硬くなる高齢者などが多いです。








日中もしかりです。

電気代など経済的な理由だったり、昔からの節約習慣などのために

寒くても暖房を使わない高齢者はけっこう多いため、

冬場は特に、日中も体が硬くなりやすくなります。







硬くなった体(筋膜が伸びにくくなった状態)は、いざ動こうとすると「痛み」を発しやすくなるため、

「痛くて起床できない」とか「痛いから動かない→動かないから硬くなる→さらに痛い」という

「悪循環」にもハマりやすくなります。

今回の動画は「移乗動作」に関するものでしたが、次回は別な動作への影響の動画をご紹介する予定です。













最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46