第37号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その18

 

 

 

 

<第37号(2019.12.29)>

 

 

 






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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






第37号は、こちらです↓


■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」

  その18:「体の支え」ができれば、生活が変わる



■編集後記:「負の連鎖」を断ち切りましょう!


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■「体の支え」ができれば、生活が変わる
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さて、

このメルマガの第20号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の後遺症である「片麻痺」へのリハビリに関するシリーズが始まっています。

最近の号では、「量(歩行距離や速度など)」ばかりを求め、「質(体の支えの出来具合など)」を無視すると、

段取りがメチャメチャになり全てダメになってしまうので要注意です、ということをお伝えし、

その後、「質(体の支えなど)」を具体的にどう高めるか、という方法のお話に入っています。






「質」を高めるために最も基礎となる「体の中心(お腹・腹筋)を安定させる」カンタンな方法もお伝えし、

ご家族などに施す方は、ご自分でも効果を体感してみるのもいいので、

セルフで行える方法もご紹介しました。

そして今回は、体の支え(特に体幹や上半身)ができると、

具体的に「生活の質」も高まりますよ、という動画です↓






「『体の支え』ができれば、生活が変わる」(3分40秒)
https://www.youtube.com/watch?v=QhiVksHpeqg&list=PL87Hh0oDQOdeDW4HobWyu55viPfhwKc92&index=7






動画の中では、

1.「体の支えをつくらずに動こうとすると、体のゆがみ・偏りが強まり、悪影響が出やすい」

2.「体も家と同じで、土台→柱とつくって行かないと、安定しない」

3.「体が安定し座位時間が延長すると、ベッドから離れて家族と食事できたり、車イスで外出することにつながり、生活や人生の質が変わる」

などについてお伝えしています。






家をつくる際は土台(基礎)から作るのが常識なのに、

体をつくる際には、それを忘れがちです。

体の支えが不安定なのに、安定した動作ができるはずがないですね






しかも、不安定なまま歩かせると、非効率な動きになるため、

体には当然、負担がかかります(ゆがんだ体をマネして歩いてみれば分かりますよ)。

心臓や血管といった「循環器」にも負担がかかるため、

ゆがんだ体で不安定な支えのまま無理に歩こうとすると(歩かせようとすると)、

「血圧の上昇」などの「2次的なリスク」も高まってしまいます。






逆に、体の支えがつくられれば、動作だけでなく、姿勢の安定化や保持時間の延長にもつながります。

家の中の生活で言えば、上半身を起こしていられる時間が長くなるため、

ベッドから離れて、食事を家族と一緒に食堂で行えたり、

車椅子で座っていられる時間も長くなるので、家族と外出できるようになったりもします。

病院の長い待ち時間にも耐えられるようになるので、受診もしやすくなりますね。






このように、「体の支え」をつくってあげると、

ベッド上のみで過ごしていたご本人の生活や人生の「質」が随分と変わります。

「楽しみがない。もう生きていても仕方ない」と嘆くご本人もつらいですし、

それをずっと聞いているご家族もつらいので、

レナト式リハビリのカンタンな方法で、体の支えをつくってあげて下さい。





体の支えが出来てくると、座った姿勢で言えば、頭の位置が高くなってきます。

そうすると介助量(介護の負担)も減ってきますよ、という動画を次回はご紹介する予定です。

頭の位置が高くなることで、物理的に理にかなった状態で動作できるため、

「ご本人の動作能力が向上する=その分、ご家族などの介助量が減る」という図式になる話へ進んで行く予定です。




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■編集後記
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世の中には色んな「負の連鎖」が存在しますが、

動作困難な高齢者などが「もう生きていたくない」と、周囲のご家族や医療関係者に言い続けると、

彼らにストレスを与え続けてしまうため、言われた方はそのストレスを何らかの形で発散しないといけなくなります。

つまり、動作困難な高齢者などが「負の連鎖の起点」になってしまうわけです。





「人生100年時代」と言われるのに、そんなことがアチコチで起こったら、

社会全体に「ストレス」や「負の連鎖」が蔓延しかねませんね。

それを断ち切れる可能性があるのは、これまでは「治療職」の人々でしたが、

それだけでは「量・質」ともに不足する時代に入ったので、





リハビリの専門職でない方でもカンタンに行えて、効果も出る方法をお伝えすることで、

アチコチで「負の連鎖」断ち切ってもらいたいと願っています。

何らかの事情で専門職にかかれない方などは特に、あきらめないで取り組んで欲しいです。

必ずやれますよ。








最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46