第36号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その17

 

 

 

 

<第36号(2019.12.22)>

 

 

 






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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。






第36号は、こちらです↓


■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」

  その17:セルフ・リハビリ:体の中心を安定させて、腰痛や肩コリを改善



■編集後記:自助努力の大切さと「方向性」


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■セルフ・リハビリ:体の中心を安定させて、腰痛や肩コリを改善
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さて、

このメルマガの第20号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の後遺症である「片麻痺」へのリハビリに関するシリーズが始まっています。

前々号では「量(歩行距離や速度など)」ばかりを求め、「質(体の支えの出来具合など)」を無視すると、

段取りがメチャメチャになり全てダメになってしまうので要注意です、というところまでお伝えしました。






前号からは、その「質」を高めるために最も基礎となる「体の中心(お腹・腹筋)を安定させる」カンタンな方法の話に入り、

ご家族などに施す方は、ご自分でも効果を体感してみるのもいいですよ、ということで

今回は「ご自分でできる方法」をお伝えします↓






「セルフ・リハビリ:体の中心を安定させて、腰痛や肩コリを改善」(3分25秒)
https://www.youtube.com/watch?v=jcMBPkO-1zk&list=PL87Hh0oDQOdcuwZdbh1nlOEpvEHqFsrW7&index=1






動画の中では、

1.「カンタン且つ1日10秒程度やると、1週間くらいで変化が感じられるようになる(個人差はありますが)」

2.「腰痛や肩コリなど、体の支えが弱いことで二次的に起こるものも、改善・予防でき得る」

3.「いわゆる腹筋トレーニングは運動負荷が大きく、高齢者などには不向き。低負荷・カンタンで継続できないと効果が出にくい」

などについてお伝えしています。





「筋トレ」というと、強い負荷で大変なトレーニングをイメージしがちですが、

レナト式リハビリのそれは、驚くほど低負荷でカンタンです。

それは、ご本人がほとんど何もしなくても、

「こういう刺激を体に入れると、この部位の筋肉は収縮せざるを得ない」というやり方で、

必要な場面で必要な筋肉たちが仕事できるように仕向けて行く方法だからです。

「運動連鎖」などの体が本来もっている仕組みを利用するので、無理なく、効率が良いです。




今回の動画(セルフ・リハビリ)は、体の中心である「お腹、腹筋」に

ご自分でカンタンにアプローチしてもらうものです。

効果が出やすい理由は、前動画と同じ仕組みなので、ご参照ください。

前動画の内容は、腰掛けた姿勢でなら、ご自分に対しても行いやすいということです。





注意点は、「腹筋が締まりにくくなる姿勢」を取らないことです。

これではいくら刺激を入れても、効果が積み重なって行きません。

うまく刺激が入れば、その場でご自分の腹筋が「勝手に」収縮するのを感じられますし、

1日10秒程度を1週間くらい続ければ、腰掛けた際に「自動的に」腹筋が収縮するようになって来ますよ(※個人差はありますが)





体幹が強くなってくると、気づいたら、イスの背もたれを使わなくなっていたり、

それまで体幹の支えが弱くて姿勢が崩れていたせいで、2次的に影響が出ていた「腰痛」や「肩コリ」などは、

適切な姿勢が取れるようになることで、改善・予防できる可能性もあります。

体の立場からすると、「本来は、こういう体の支え方をして欲しい」という支え方に近づいて行くので、

体がラクに感じるようになるのは、当然なんでしょうね。





普段、ベッドの上にいることが多い高齢者などにも、「違い」が出て来ますよ。

全ての動作を行う際の「力の拠り所」になる腹筋が、必要なタイミングで効果的に収縮できるようになると、

寝返りや起き上がりが出来るようになって、ご自分で「褥瘡(床ずれ)」を防げるようになったり、

車椅子の上で座っていられる時間が延びることで、ご家族と外出することが出来始めたり・・。

「生活や人生の質」が随分と変わって来ますね。

次回は、体幹の支えができてくると、生活が変わってくる動画をご紹介する予定です。





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■編集後記
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今回ご紹介した「セルフ・リハビリ」を通して、

「こんなにカンタンに、腹筋を使えるようになるんだ」と実感してもらえれば幸いです。

「理にかなっていれば、力は要らない」

日本の武道などにも通じる要素なので、日本人の方には比較的、ピンと来てもらいやすいかも知れませんね。





ここではついでに、今回や次回の動画と、関連する動画をご紹介しておきます↓

「高齢者に筋トレしてもらうなら、『先にお腹』です!」(2分34秒)
https://www.youtube.com/watch?v=UGxQ6Wbt83U&list=PL87Hh0oDQOddlrUTKub3gp7hUxgsd26uT&index=2





困難な状況になった際に「自助努力」するのは大事ですね。

「他力本願」では、良い結果が出にくいのは、みなさんよくご存じの通りです。

ただ、自助努力の「方向性」が適切でないと、空回りしたり、逆効果になって、関係者がみんな困る「悪循環」にハマりかねません。

少子高齢化や労働力不足の状況下で、そういう余裕は誰にとっても無いでしょうから、

「理にかなった方法で」、「最少努力で最大効果」が出せる方法が必要になります。





特に、高齢者の方などは、若いご家族が想像するよりも、一日に使えるエネルギーは少ないものですから、

そのエネルギーをムダに使わせないようにしてあげましょうね。

「理にかなった体の支え方」ができれば、「理にかなった動きや生活」ができるようになります。

人生100年時代を「理にかなった乗り切り方」ができれば、関係者みなハッピーですね。









最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46