第34号:「家族もできる、片麻痺へのリハビリ」その15

 

 

 

 

<第34号(2019.12.8)>

 

 

 





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家族がリハビリをする時代 ~ご自分やご家族でカンタンにできて、効果の出るリハビリ~

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こんにちは、発行人の理学療法士 レナトです。

理学療法士はリハビリの国家資格です。

このメルマガの発行は「ほぼ週刊」なので、ゆっくりしたペースでやらせてもらっています。

拙い文章でお見苦しいところがあるかも知れませんが、よろしくお願い致します。







さて、第34号は、こちらです↓


■「家族もできる、片麻痺のリハビリ」

  その15:歩行訓練:「量(距離・速度)」は、後から自然についてきます



■編集後記:易疲労性(いひろうせい)?


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■歩行訓練:「量(距離・速度)」は、後から自然についてきます
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さて、

このメルマガの第20号からは、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)の後遺症である「片麻痺」へのリハビリに関するシリーズが始まっています。




第22号からは、「どの筋肉を優先的につくるのか」というお話を進めていて、

「お尻まわりの筋肉からつくる」という理由や動画のご紹介が始まりました。

(厳密には、身体の中心である『腹筋の締り』から整えるのですが、説明の都合上、『お尻まわりから』としています)

これは片麻痺に限らず、人間の体に共通して優先的につくる必要がある部位ですので、先にお伝えしてきました。





第27号からは、実際に「麻痺」という言葉が登場する動画も織り交ぜ始め、

その流れで、第28号からは「麻痺がある筋肉を強くする」という話に入り、

前回は姿勢を左右均等に近づけてあげると、リラックスした状態になれて、

「感覚情報」が体に入りやすくなるため、筋緊張が更に適正化される「好循環」になる、

という話をさせてもらいました。





今回も前号に続いて、周囲の人がご本人を「悪化」させてしまう例をご紹介します。

「量」ばかりを求め、「質」を無視すると、

全てダメになってしまうので、要注意です↓





「歩行訓練:「量(距離・速度)」は、後から自然についてきます」(3分16秒)
https://www.youtube.com/watch?v=cK7teE7MIuo&list=PL87Hh0oDQOdcb7NKP-9oTXixJZFUIovp3&index=2





動画の中では、

1.「入院中にご本人が運動していなかった場合は特に、退院後にご家族がとにかく運動をさせたがることが多い」

2.「歩きにくくなっているので、そのまま歩かせても『弱くなったところ』を使わずに歩こうとしてしまう」

3.「偏った歩き方では『逆効果』な上に、効率が悪いため血圧など循環器系にも『悪影響』があり得る」

などについてお伝えしています。





動画の中でも例え話としてさせてもらった話ですが、

車が故障してうまく走れなくなったら、修理業者に故障箇所を直して走れるようにしてもらいますよね?

決して、「たくさん走らせて、また走れるようにして」とはお願いしないはずです。

そんなことをしたら、「余計に壊れそう」と誰でも分かりますからね。





ところが、リハビリだと、そういうリクエストが来てしまうのです

「入院中に運動しておらず歩けなくなっているので、とにかくたくさん歩かせて」と

ご家族などから強くリクエストされることが、よくあります。





体に弱い部分があるから(車で言えば、故障箇所があるから)歩けなくなっているのに、

どんどん歩かせると、ご本人は体の使える部分や強い部分を使って

弱い部分の肩代わりをしようと(無意識に)してしまいます。

つまり、弱い部分が「弱いまま残ってしまう」わけですね。





そうなると、運動再開により歩ける距離が少し伸びても、すぐ「頭打ち」になりますし、

偏った体の使い方になるため、体の「ゆがみ」や、そこからくる「痛み」などにもつながりやすくなります。

なのに、ご家族などからは、「もっと歩けるようになってもらわないと困る」と理にかなっていない要求をされ、

ご本人が苦しんだり、ご家族との関係も悪くなったりしてしまいかねません。





「急がば回れ」が、大事過ぎるくらい、大事です。

レナト式リハビリでは、入院などで体の弱い部分ができてしまっても、

体の土台や柱をカンタンにつくり直して、効率よく動ける体に(基本的には)何度でも戻せます。

「質(体の支えなど)」を高めれば、「量(歩く距離や速度)」などは、後から自然とついてきます。

最初から「量」を求めてしまうと、段取りを無視しためちゃくちゃな状態になり、誰のメリットにもなりませんね。






次号からは、「質」を高めるための(実際は)最初のステップである、「体の中心を安定させる」話に進みます。

本来は、この片麻痺シリーズの1番目にご紹介したい話だったのですが、

説明の都合上、「質(体の支えなど)」を高める重要性の話をさせてもらった後で登場させることにしました。

体の中心とは何か、そこが安定するとどういうメリットがあるのか、などなどお伝えする予定です。





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■編集後記
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医療の専門用語で「易疲労性(いひろうせい)」という言葉があります。

ざっくりとした意味は「疲れやすい」ということで、

リハビリで言えば、わずか数m歩いただけで、疲れてしまうような場合などに使います。





ただ、前述の「質(体の支えなど)」を高めれば「量(歩く距離や速度)」は後から自然とついてくるということは、

逆に言えば、「質」を高めていないから、「量」がついて来ず、「疲労」が早く出てしまっている可能性があるのです。

特に、片麻痺の人などは、左右不均等な状態で、麻痺していない「体の使いやすい部分」だけを使って、

なんとか必死に歩いている場合が多いので、「質」を高めていなければ尚更、「量」はついてきません。





ところが、リハビリ現場では残念ながら、「ただ平行棒を歩くだけ」という場面などがよく見られます。

これでは、ご本人は「体の使いやすいところ」しか使いませんね。「上がり目」は、どこにあるのでしょうか?

そして、案の定、すぐに疲れてしまうご本人に対して、治療者が「易疲労性」と記録するのは、

ご本人のせいなのでしょうか? 治療者が「質」を高めてあげていないから、という可能性がありますよね。






その「質」を高める方法を、レナト式では、リハビリ専門職でない方でもカンタンにできるようご紹介しています。

「超高齢化社会」かつ「労働力不足」で、リハビリ専門職は「量・質」ともに不足しています。

ご家族が介護だけでなく、「リハビリをする時代」に既に突入していると考えます。

一つひとつ、「急がば回れ」でやって行きましょうね。








最後までお読み下さり、ありがとうございました。

発行頻度は「ほぼ週刊」としていますが、

早まったり、遅くなったりするかも知れませんので、ご了承下さい


では、また次回をお楽しみに!

(レナト)



・今後もリハビリ関連の内容を、YouTubeの動画も使って、簡単にお伝えして行きます

(YouTubeのチャンネル名は「人生リハビリちゃんねる」です)。


・バックナンバー(ページの後半にございます):https://no-pain-yes-gain.com/free/w46